11月24日開幕 第11回大阪韓国映画祭、過去最多12作品上映

第11回大阪韓国映画祭

開催期間:11月24日〜11月30日

第11回大阪韓国映画祭
大阪韓国映画祭っていつどこで開催されるの?
2025年11月24日と11月27〜30日に大阪・駐大阪韓国文化院ヌリホールで開催。公式サイトで上映スケジュールやチケット情報が確認できる。
どんな作品やゲストが注目なの?
ムン・ソリ、キム・ダミン、イ・ミランら来日トークがあり、『マッコリが教えてくれる』『娘のこと』や東映製作のアニメ『あめだま』が注目作。

大阪で11年目を迎える韓国映画祭、過去最多規模で開催決定

駐大阪韓国文化院が主催する「第11回 大阪韓国映画祭」が、2025年11月24日(月)および11月27日(木)から30日(日)までの5日間にわたり開催される。会場は駐大阪韓国文化院 ヌリホール(7F、所在地:大阪市北区東天満1-1-15)で、公式サイトは https://osakakorea.com/okff2025/ で案内されている。

文化院によれば、本映画祭は代表ブランド事業として11年目を迎え、今年は「日本初公開作品を含む12作品が選出された」としている。同時に、プレスリリースでは「長編6作品、アニメーション5作品」との記載もあり、過去2015年の開催以来、上映作品数としては最多規模になることが強調されている。上映作の選定は韓国内の映画祭で高い評価を受けた作品を中心としており、多様なテーマとジャンルが揃っている。

女優 ムン・ソリ来日、「第11回大阪韓国映画祭」11月24日より開催 画像 2

ラインナップの特徴と注目作の紹介

上映作品は幅広いテーマ性を含み、家族、労働、社会問題、青春やSF的想像力まで多彩だ。紹介されている作品は、日本の観客にとって日本初公開となる作品も多く含まれている。

以下はプレスリリースに明記された上映作品とその概要である。作品名は原題表記のまま示す。

  • マッコリが教えてくれる:11歳の子どもと会話するマッコリ(韓国の伝統酒)との友情と冒険を描く物語。斬新なストーリーと想像力で高い評価を得た作品で、監督は演出・脚本に加え原作SF小説も執筆している。
  • 娘のこと:性的少数者である娘を持つ中年の介護職の物語。監督イ・ミランの初長編作品で、釜山国際映画祭CGV賞(第28回)、ソウル独立映画祭観客賞(第49回)、茂朱山里映画祭監督賞(第12回)など国内外で複数の受賞歴がある。
  • やるべきこと:労働者を解雇しなければならない立場に置かれた人々の心理を描く作品。労働の現場と心理描写を通して社会構造を問いかける。
  • 間借人:自宅という限定空間におけるディストピア的描写を通して、格差や住宅問題を風刺する群像劇。賃借人たちの奮闘が描かれる。
  • 3年生2学期:高校3年生の2学期を中小企業の工場で過ごす現場実習生の成長を描く青春作品。現場実習を巡るリアルな描写が特徴。
  • 三姉妹:女優ムン・ソリが出演する作品で、映画祭では本作上映後にムン・ソリによる観客とのトークが予定されている。

上記は長編中心のラインナップだが、今回の大阪韓国映画祭では初めてアニメーションに特化した特別企画セクションも設けられている。アニメーションは短編・長編混合で複数の作品が選出されている。

アニメーション部門の代表作としては、海外の有力国際映画祭で受賞歴を持つチョン・ユミ監督の短編アニメーション「Glasses」と、ペク・ヒナ作家の原作(『あめだま』『ぼくは犬や』)を東映アニメーションが3D化した『あめだま』が挙げられる。東映による本作は、制作背景や過程が注目される作品であり、後述するゲスト来日時のトークでも制作裏話が語られる予定である。

女優 ムン・ソリ来日、「第11回大阪韓国映画祭」11月24日より開催 画像 3

来日ゲストと開催スケジュールの要点

映画祭には韓国および日本の映画関係者が多数来訪する予定で、ゲストによる舞台挨拶やトークセッションが組まれている。詳細な出演予定は以下のとおりである。

日程ごとの主な来日ゲストと出演内容は、映画祭の広報資料に基づいて次のように発表されている。

11月24日(月)

女優のムン・ソリが来日し、上映作品『三姉妹』の上映後に観客とトークを行う予定である。ムン・ソリは日本国内でも映画やドラマを通して高い認知度を持ち、今年3月に放送されたNetflixドラマ『おつかれさま』が日本で大きな人気を集めた背景もあり、来日には現地のファンからの注目が集まっている。

同日、監督キム・ダミン(『マッコリが教えてくれる』)も参加する旨の発表があり、作品に関する舞台挨拶や質疑応答が予定されている。

11月29日(土)

監督イ・ミラン(『娘のこと』)が参加する。イ・ミラン監督は本作が初長編であり、既に複数の映画祭で受賞していることから、監督としての評価や制作背景について語る機会が設けられる見込みである。

観客は受賞歴を持つ作品の裏側や監督の視点を直接聞ける場が提供されるため、作品理解を深めることが期待される。

11月30日(日)

アニメーション『あめだま』の監督である西尾大介とプロデューサーの鷲尾天が来日する。西尾監督と鷲尾プロデューサーは、日本の代表的なアニメ制作会社である東映アニメーションの制作陣として、制作過程や原作の扱い、また国際的な評価(アメリカ・アカデミー賞候補作に選ばれた際の感想等)について語る予定である。

両者は日本アニメ界で広く知られるクリエイターであり、『プリキュア』シリーズなどのヒット作を生み出した経歴を持つ。今回の来日は韓国原作絵本を日本側が映像化した経緯や制作の越境的側面を知る貴重な機会となる。

ゲスト来訪の背景と意義

来日するゲスト陣は俳優や監督、アニメ制作陣と多岐にわたる。これにより、上映作品を単に鑑賞するだけではなく、制作側の言葉や制作過程の説明を通じて、作品理解を深める仕組みが設けられている。

とくにムン・ソリのような韓国で高い認知度を持つ女優や、国際的に評価される若手女性監督らの参加は、作品の現地での評価や制作背景を知るうえで重要である。アニメ部門においても日韓合作的な制作背景が話題となっており、来日ゲストの講演やトークは上映と合わせて映画祭の主要な柱となる。

受賞歴・制作背景と文化院の狙い

プレスリリースでは、今回の上映作が韓国国内の各種映画祭で高く評価された作品であることを強調している。とりわけイ・ミラン監督の『娘のこと』は複数の賞を獲得し、監督としての地位を固めた点が紹介されている。

また、キム・ダミン監督については本作の演出・脚本・原作SF小説の執筆を担当していることや、Netflixドラマ『殺人者のパラドックス』の脚本参加など多才ぶりが述べられている。こうしたクリエイターの職能横断的な活動は、韓国映画界における多様性と創作の幅を示している。

文化院長のコメント

駐大阪韓国文化院の院長、金蕙穗(キム・ヘス)は「11年目を迎えた大阪韓国映画祭の新たな出発に向け、より充実したラインナップを準備した。今後も日本で観ることが難しい良い映画を紹介する場として、日本国内で代表的な韓国映画祭としての地位を確立していきたい」と述べ、映画祭を通じた韓国映画の普及への意欲を示している。

このコメントは、作品の選定基準や映画祭の長期的な展望を示唆するものであり、日本で未公開・入手困難な作品を紹介することを重視している点が読み取れる。

まとめ:開催要項と主要ポイントの整理

以下の表に本映画祭の開催情報、上映作品の主要点、ゲスト来訪日程などを整理する。本文中で触れたすべての情報を反映している。

項目 内容
イベント名称 第11回 大阪韓国映画祭
開催期間 2025年11月24日(月)及び11月27日(木)~11月30日(日) 計5日間
会場 駐大阪韓国文化院 ヌリホール(7F)
住所:大阪市北区東天満1-1-15
公式サイト https://osakakorea.com/okff2025/
選出作品数(プレスリリース記載) プレスリリースでは「日本初公開を含む12作品が選出」と記載。また「長編6作品、アニメーション5作品」との記載もある(過去最多規模)。
主な上映作品(プレスリリース記載) マッコリが教えてくれる/娘のこと/やるべきこと/間借人/3年生2学期/三姉妹 ほか
アニメーション上映 短編アニメーション『Glasses』(チョン・ユミ監督)など4作品と、東映アニメーション制作の3Dアニメーション『あめだま』(ペク・ヒナ原作)を含む特別企画
来日ゲスト ムン・ソリ(11/24、出演作『三姉妹』上映後トーク)/キム・ダミン(11/24、監督『マッコリが教えてくれる』)/イ・ミラン(11/29、監督『娘のこと』)/西尾大介(監督)・鷲尾天(プロデューサー)(11/30、アニメ『あめだま』)
主催 駐大阪韓国文化院(院長:金蕙穗(キム・ヘス))

本記事は駐大阪韓国文化院のプレスリリースに基づき、上映作品の概要、来日ゲスト、会場と日程、ならびに文化院の意図や作品の受賞歴といった要点を整理して紹介した。映画祭は短期間の開催ながら多様な作品と制作者の来日による解説・交流を通じて、韓国映画の現在を伝える構成となっている。

参考リンク: