2026年12月開業 SEKIYAのアート宿が別府に誕生
ベストカレンダー編集部
2025年11月9日 19:02
Rock & Steam開業
開催日:12月1日
別府・鉄輪に誕生する「宿泊」と「アート」の融合空間
株式会社関屋リゾートは、創業120年以上の歴史を持つSEKIYA RESORTの新しい施設として、2026年12月に別府・鉄輪地区に「SEKIYA RESORT Rock & Steam」を開業することを発表しました(プレスリリース発表日:2025年11月9日 17時24分)。本施設は宿泊サービスを提供するだけでなく、館内各所に国内外のアーティストによる作品を常設または展示することで、宿泊者が滞在中に芸術鑑賞を体験できることを目的としています。
関屋リゾートは別府で120年以上にわたり地域に根ざした宿泊事業を展開してきた企業であり、今回のRock & Steamはその蓄積とデザイン志向を新たな形で示す試みです。館内にはアートインスタレーションが空間デザインと結びつくよう配置され、宿泊そのものが鑑賞体験となる設計が想定されています。
- 開業予定:2026年12月
- 発表:株式会社関屋リゾート(発表日時:2025年11月9日 17時24分)
- 特徴:宿泊と芸術鑑賞の融合、国内外アーティストの作品展示
- 関連URL:SEKIYA RESORT Rock & Steam公式サイト:https://rockandsteam.com/、SEKIYA RESORT公式サイト:https://www.sekiyaresort.jp/
スー・サニー・パーク氏の参加と展示予定作品
本施設では韓国系アメリカ人アーティストのスー・サニー・パーク(Sue-Sunny Park)氏を招き、SEKIYA RESORT Rock & Steamのための新作制作および展示を行うことが決定しています。パーク氏は世界的に活躍するアーティストで、館内空間の象徴となるインスタレーションを手がける予定です。
プレスリリースには、パーク氏の既発表作品として《Unwoven Light》(2013年)と《Silver Linings》(2015年)の詳細が紹介されています。これらはいずれも光と素材の関係を重視したインスタレーションであり、今回の施設での新作も同様のテーマ性が期待されます。
| 作品名 | 素材 | 寸法(約) |
|---|---|---|
| Unwoven Light(2013年) | 金網、プレキシグラス、自然光と照明 | 高4.8m × 幅13.5m × 奥12m |
| Silver Linings(2015年) | ステンレススチール、タール紙、合成フィルム、自然光と照明 | 高2.7m × 幅17.8m × 奥6m |
パーク氏の経歴と主な活動
スー・サニー・パーク氏は韓国系アメリカ人アーティストで、現在はダートマス大学の教授を務めています。学歴としてはコロンバス芸術デザイン大学(BFA)およびクランブルック美術学院(MFA)を修了しており、受賞歴としてロックフェラー財団フェローシップやヘレン・フォスター・バーネット賞など多数の栄誉があります。
パーク氏はファッションブランドとの協働経験も豊富で、DiorやCartierといった名だたるブランドとのプロジェクト実績があります。展覧会は国際的に広く、シャルジャ美術館(UAE)、旧サン・フランチェスコ協会(イタリア)、ノースカロライナ美術館(米国)、アルバカーキ美術館(米国)、DDP(韓国)、グラン・パレ(仏国・2027年まで)などでの展示歴がプレスリリースで紹介されています。また、大規模なパブリック・コミッションを世界各地で手がけている点も強調されています。
光と境界を巡る表現—パーク氏のステートメント
プレスリリースにはパーク氏によるステートメントが掲載されています。氏は光を「作品をつくるための大切な素材」と位置づけ、光が作り出す影や反射などの視覚現象を積極的に作品に取り入れていると述べています。光を素材と見なすことで、視覚的な変化を作品の主要な要素として扱うという表現姿勢が明確です。
また、フェンスやガラス、プラスチックなど境界を示す素材を頻繁に使用し、それらを組み合わせることで内と外、物と影、彫刻とドローイングといった通常は対立する要素の境目を曖昧にすることを試みていると説明しています。結果として彼女の作品は彫刻的であると同時に空間全体を用いるインスタレーションであり、ドローイング的な要素も含むハイブリッドな表現になると位置づけられています。
- 光の扱い
- 光を素材として利用し、自然光と人工照明の相互作用を通じて影や反射を作品の一部とする。
- 境界の曖昧化
- フェンス、ガラス、プラスチック等の素材で内外や物と影の境界を緩やかにし、空間全体を再認識させる構成を試みる。
- ハイブリッド性
- 彫刻、インスタレーション、ドローイングの要素を横断する表現で、観者の視覚経験を多層化する。
施設空間との関係性
今回のSEKIYA RESORT Rock & Steamでの展示に関して、パーク氏の表現は温泉地である別府・鉄輪の地形や自然光の条件、館内の建築素材と結びつくことが想定されます。光環境の変化や建築的な仕切りを利用することにより、宿泊空間そのものが作品の一部となる可能性が高い点が特徴です。
作品の設置は単なる展示とは異なり、通路や共用空間、客室に至るまで空間設計と連動することで、滞在中の視覚的・身体的な体験を構築する方法が取られる見込みです。
関屋リゾートの取り組みと運営体制
株式会社関屋リゾートの代表は林太一郎氏であり、別府で創業して120年以上の歴史を持つSEKIYA RESORTグループの経営を担っています。林氏は大分別府において早くからデザイナーズ旅館を導入し、革新的な運営の結果、入社時の売上から30倍以上の成長を達成したことがプレスリリースに記載されています。
現在、関屋リゾートは市内で旅館・ホテルを3施設運営しており、そのうちの一つ「SEKIYA RESORT Galleria Midobaru」は数々のデザイン賞を受賞したアートホテルとして知られています。Rock & Steamは同社のデザイン志向と芸術への取り組みを次の段階へと発展させる位置づけです。
- 代表:林 太一郎(株式会社関屋リゾート 代表取締役)
- 運営施設数:市内で旅館・ホテルを3施設運営
- 既存の評価:SEKIYA RESORT Galleria Midobaruはデザイン賞受賞歴あり
要点の整理
以下の表は、本記事で紹介したSEKIYA RESORT Rock & Steamおよびスー・サニー・パーク氏に関する主要情報を整理したものです。要点を俯瞰することで、開業計画と展示予定の概要、関係者情報を速やかに把握できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表者 | 株式会社関屋リゾート(発表日時:2025年11月9日 17時24分) |
| 施設名 | SEKIYA RESORT Rock & Steam |
| 開業予定 | 2026年12月 |
| コンセプト | 宿泊と芸術鑑賞の融合、館内各所に国内外アーティストの作品を展示 |
| 参加アーティスト(発表分) | スー・サニー・パーク氏(韓国系アメリカ人アーティスト、ダートマス大学教授) |
| パーク氏の既発表作品 | Unwoven Light(2013年、金網・プレキシグラス・自然光と照明、約 高4.8m×幅13.5m×奥12m) Silver Linings(2015年、ステンレススチール・タール紙・合成フィルム・自然光と照明、約 高2.7m×幅17.8m×奥6m) |
| パーク氏の経歴 | コロンバス芸術デザイン大学(BFA)、クランブルック美術学院(MFA)、ロックフェラー財団フェローシップ、ヘレン・フォスター・バーネット賞等受賞、DiorやCartier等との協働、各地での個展・パブリック・コミッション多数 |
| 代表者 | 林 太一郎(株式会社関屋リゾート 代表取締役) |
| 公式サイト | Rock & Steam:https://rockandsteam.com/ SEKIYA RESORT:https://www.sekiyaresort.jp/ |
以上がプレスリリースに基づく、SEKIYA RESORT Rock & Steamの開業計画とスー・サニー・パーク氏の参加に関する要点の整理です。館内に配されるアート作品は、光や境界性を巡る表現を通じて滞在体験そのものを再定義することが期待されます。