小豆島で開催 柳田國男生誕150年展「現代の妖怪談義」
ベストカレンダー編集部
2025年11月10日 10:31
現代の妖怪談義展
開催期間:11月7日〜3月29日
柳田國男生誕150周年を祝う共同展示の全体像
香川県・小豆島の「迷路のまち」(土庄本町)にある妖怪美術館は、兵庫県・福崎町と協力して、柳田國男生誕150周年を記念するコラボ展「現代の妖怪談義」を開催します。会期は2025年11月7日(土)〜2026年3月29日(日)。会場は妖怪美術館3号館で、期間中は展示だけでなく物販や飲食、参加型のスタンプラリーなど複合的な催しが行われます。
本展は、柳田國男が育んだ民俗学の視点と、現代に生まれた〈妖怪〉の関係性を再検討する構成です。生誕地である兵庫県福崎町の協力を得て、過去の伝承と現在の創作的表現を結びつけることを狙いとしています。
- 展覧会名:柳田國男生誕150周年記念 妖怪美術館×福崎町コラボ展「現代の妖怪談義」
- 期間:2025/11/7(土)〜2026/3/29(日)
- 会場:妖怪美術館 3号館(香川県小豆郡土庄町甲398)
- 主催・運営:妖怪美術館(小豆島ヘルシーランド株式会社)と福崎町の協力
- 問い合わせ先
- 妖怪美術館(小豆島ヘルシーランド株式会社)
- 住所:香川県小豆郡土庄町甲398
- TEL:0879-62-0221
- メール:mail@meipam.net
- 関連リンク:https://meipam.net/
展示構成と見どころ:柳田國男の原風景と河童のガジロウ
展示の中心は、柳田國男の幼少期から始まる「妖怪の原風景」と、福崎町の河童伝説をもとに誕生したキャラクター「河童のガジロウ」の紹介です。柳田の生家がある福崎町での体験や土地の風土が、どのように民俗学と妖怪観の基盤をつくったかをパネルでたどります。
また、ガジロウの生態やキャラクター設定も詳しく解説され、伝承と現代創作の接点を視覚的に示します。展示は解説パネルと造形作品を組み合わせ、来館者が過去と現在を比較しながら理解できる構成です。
柳田國男の「妖怪の原風景」をたどるパネル展示
柳田國男が幼少期に接した川や風土に残る伝承を、具体的なエピソードや写真資料で提示します。柳田が後の日本民俗学確立のためにどのような土台を築いたのかを、本文や年表、図版で紹介します。
パネルは時系列とテーマ別に整理され、来館者が柳田の足跡とその思想形成を順に追えるように設計されています。資料は福崎町の協力により、生家に関する情報や地域伝承の一次資料も含まれます。
対談形式の特別展示:「現代の妖怪談義」
本展の目玉のひとつは、「柳田國男が現代によみがえったら?」という設定で、柳田と河童のガジロウが対談するパネル展示です。過去の伝承に基づく妖怪観と、現代に生まれた新しい妖怪像を対話形式で比較・検討します。
この形式は、学術的解説と創作的表現を並置することで、来館者が妖怪の持つ多層的な意味を直感的に受け取れるよう工夫されています。伝承の解説に加え、現代のメディアで展開される妖怪表象(アニメ、ゲーム、SNS等)についても触れられます。
体験型企画とミュージアムサービスの詳細
展覧会期間中は来館者が参加できる体験型の企画が複数用意されています。館内スタンプラリーやコラボドリンクの提供、福崎町関連グッズの販売など、鑑賞だけでなく実体験としての楽しみが強調されています。
妖怪美術館は「迷路のまち」に点在する古民家4棟をスマホガイドアプリで巡る形式を採っており、会場となる3号館のほか、関連企画は屋外や周辺施設とも連携しています。
- スタンプラリー:館内にいるガジロウを探してスタンプを集める。スタンプを全て集めると特製ステッカーをプレゼント。
- 特製ステッカーの内容:妖怪美術館公式キャラクター・みちしるべぇと河童のガジロウのオリジナルデザイン。
- 物販:福崎町グッズなどをミュージアムショップで販売。
- 館内の案内に従いガジロウの展示箇所を巡る。
- 各所に設置されたスタンプを押印する。
- 所定の数のスタンプを集めてミュージアムショップで提示するとステッカー受取。
妖怪barのメニューと価格
館内の妖怪barでは福崎町とのコラボドリンクが期間限定で販売されます。ドリンクはノンアルコールとアルコールの二種が用意され、素材には瀬戸内産のレモンや地元のサイダーを使用しています。
以下は提供されるコラボドリンクの明細です。価格や内容は展示期間中に適用されます。
| メニュー名 | 内容説明 | 価格 | 備考 |
|---|---|---|---|
| ほっとガジロウレモネード | キュウリ風味のレモネード。瀬戸内レモン使用の温かい飲み物。 | 500円 | ノンアルコール、冬向けのあたたかい提供 |
| かっぱハイボール | 福崎町グッズ「かっぱサイダー」で作ったゆず風味のウイスキーハイボール。 | 850円 | アルコール飲料 |
企画背景と運営団体の役割
近年、妖怪はアニメやゲーム、学術研究、SNSなど多方面で注目され、「YOKAI」という語が海外でもそのまま使われるほど世界的な関心が高まっています。本展は、そうしたグローバルな妖怪関心の源流に位置づけられる柳田國男の業績を再評価し、地域文化と観光振興を結びつける意図があります。
福崎町は柳田國男の生家があることを契機に「妖怪のまち」として地域振興に取り組んでおり、妖怪美術館とは継続的な交流を続けてきました。過去の協働事例として、妖怪美術館主催の「妖怪万博2025」への参加や、兵庫県立兵庫津ミュージアムでの特別展「妖怪水族館」への協力などがあります。
- 妖怪美術館について
- 小豆島の「迷路のまち」に点在する4つの古民家を活用し、スマホガイドを用いて巡る形式で展示を行う。
- 展示所蔵は「妖怪造形大賞」に応募された900体を超える作品を保管・展示している。
- 小豆島ヘルシーランド株式会社(運営会社)
- 社名:小豆島ヘルシーランド株式会社
- 所在地:香川県小豆郡土庄町甲2721-1
- 代表取締役社長:柳生敏宏
- 設立:1985年
- 事業内容:オリーブ栽培・研究、化粧品や食品の開発・製造、通信販売、地域活性化事業の企画・運営
- 関連プロジェクト:MeiPAM 小豆島・迷路のまちアートプロジェクトの共同運営
展覧会の要点まとめ
以下に本記事で紹介した展覧会の主要事項を一覧で整理します。期間や会場、主要企画、連絡先などを明確にして、来場を検討するための判断材料となるようにまとめました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 展覧会名 | 柳田國男生誕150周年記念 妖怪美術館×福崎町コラボ展「現代の妖怪談義」 |
| 会期 | 2025年11月7日(土)〜2026年3月29日(日) |
| 会場 | 妖怪美術館 3号館(香川県小豆郡土庄町甲398) |
| 主な展示内容 | 柳田國男の「妖怪の原風景」/河童のガジロウ紹介/柳田とガジロウの対談形式パネル展示 |
| 参加型企画 | ガジロウを探すスタンプラリー(全スタンプ達成でみちしるべぇとガジロウの特製ステッカーを配布) |
| ミュージアムサービス | 福崎町グッズ販売、妖怪barでのコラボドリンク提供(ほっとガジロウレモネード500円、かっぱハイボール850円) |
| 運営 | 妖怪美術館(小豆島ヘルシーランド株式会社)・福崎町協力 |
| 問い合わせ | TEL 0879-62-0221 / mail@meipam.net / https://meipam.net/ |
本展は、柳田國男の業績と地域に根づく伝承、現代の創作表現が一堂に会する機会として企画されています。資料展示と創作展示、物販や参加型プログラムを通じて、妖怪という文化現象の過去と現在を総合的に示す構成となっています。
参考リンク: