11/12開幕|第16回 高機能素材Weekの見どころ
ベストカレンダー編集部
2025年11月11日 14:01
第16回 高機能素材Week
開催期間:11月12日〜11月14日
素材技術が描く産業の地図──成長戦略と現場をつなぐ「マテリアル」の役割
自動車、家電、衣類、ディスプレイなど私たちの暮らしを支える製品群は、基礎にある素材(マテリアル)の進化なしには語れません。2025年11月に示された高市政権の成長戦略では、AI・半導体・量子・バイオ・核融合など17分野への官民投資を加速する方針が掲げられ、その中で「マテリアル(重要鉱物・部素材)」はGX(グリーントランスフォーメーション)や半導体、宇宙、バイオなど成長分野を支える基盤技術として明確に位置づけられています。
素材は性能向上だけでなく、環境負荷低減(CO₂削減や低VOC化)や軽量化、耐久性向上といった価値を同時に提供することが求められる領域です。これにより製造業の競争力強化や経済安全保障の観点からも、マテリアル分野の重要性が高まっています。
政策と産業現場の接続点としての展示会
こうした国の方針や産業ニーズの高まりに応えて、最新の素材技術が集まる展示会は研究開発や事業化のための重要な情報ハブになります。出展製品のデモや技術解説、企業間の連携提案、取材による技術者の生の声など、現場の動きを直接把握できる場としての意義は大きいものです。
今回紹介する「第16回 高機能素材 Week」は、まさにその接続点の役割を果たす展示会として位置づけられます。来場者は産業横断的に素材の最前線を確認し、開発や採用に向けた判断材料を得られる構成になっています。
出展注目製品──サステナブルと高機能を両立する技術群
本展には医療、自動車、宇宙分野などで実用化が進む高機能素材が多数出展予定です。ここではプレスリリースに記載された出展予定製品を、各社の技術的要点と期待される用途を含めて整理します。
各社の出展概要は製品名と特長を明確に伝えるように記載します。表現は技術の特性や想定用途に焦点を当て、CO₂削減や軽量化、耐久性向上といった価値訴求点を示します。
アイカ工業(株) ― 加飾フィルム:塗装を「貼る」時代へ
アイカ工業の加飾フィルムは、自動車の内外装における塗装代替を目指す素材です。従来の塗装プロセスを置換することで、VOC(揮発性有機化合物)の排出抑制に寄与し、サステナブルなクルマづくりに資する点が特長です。
加飾フィルムは塗装工程の省工程化や工程中の化学品使用量削減に直結するため、製造現場での環境負荷低減とコスト改善の双方に影響を与える可能性があります。展示では自動車向けの適用例が示される予定です。
住友化学(株) ― 温調樹脂「コンフォーマ®・ヒートレージ®」:快適性と省エネの両立
住友化学の温調樹脂は、暑い時に吸熱し寒い時に放熱する特性を持ち、衣類や寝具への応用が想定されています。素材として長時間にわたり体感温度を快適に保つことで、家庭内のエアコン負荷=消費電力の低減が期待されます。
この樹脂のポイントは、個体に組み込んだ際の熱制御機能が比較的安定して発現する点であり、繊維製品や寝具メーカー、住宅関連の省エネ対策での採用検討につながる可能性があります。
王子ホールディングス(株) ― 木質由来のセルロースナノファイバー透明シート
王子ホールディングスが出展するのは、木質原料から作るセルロースナノファイバー透明シートです。木質由来でありながらガラス並みの透明性と寸法安定性を備え、自動車分野における軽量化やカーボンニュートラルの取り組みに貢献します。
木質素材の透明化技術は、従来のガラスやプラスチックに替わる持続可能な選択肢として注目されており、部材の軽量化や再生可能資源の活用に関する議論を前進させる材料です。
東レ(株) ― 高機能不織布:ゴムやフェルトでは得られない機能性
東レの高機能不織布は、ゴムやフェルト等では実現しづらい機能性を実現した素材です。用途はAV機器から半導体の工程まで幅広く、環境対応型の品揃えと厚み・バリエーションの豊富さが特徴です。
不織布の機能化は、音響制御や防塵、防振、熱管理など多面的な用途に派生します。展示では具体的な適用事例や材料仕様が紹介される見込みです。
日本化薬(株) ― 車載ディスプレイ向け偏光フィルム:高光学性能と耐環境性
日本化薬が紹介する偏光フィルムは、過酷な車載環境下でも安定した性能を発揮することを意図した製品です。車載ディスプレイ用途に最適化され、紫外線・近赤外線対応のタイプもラインアップされています。
高い光学性能に加え、耐熱・耐湿・耐光性を備えることで、自動車の内外装環境や長期使用に耐える表示ソリューションを提供します。次世代モビリティのディスプレイ進化を支える技術です。
日本板硝子(株) ― 高弾性・高強度のガラスファイバー:軽量化と耐熱・電波透過性
日本板硝子のガラスファイバーは、従来品を上回る機械特性を備え、耐熱性・電波透過性を併せ持ちます。軽量で強靭な部材の実現により、部材の軽量化やエネルギー消費量の削減に寄与する点が示されています。
原料選定における環境配慮も進められており、CO₂排出量削減に向けた取り組みが織り込まれた製品群となっています。自動車や航空分野など重量低減が求められる用途での活用が想定されます。
展示会の開催概要と取材・来場案内
展示会の基本情報は以下の通りです。取材申し込みや一般来場登録の窓口に関する案内も含め、出展社数見込みや同時開催展の構成など具体的な実施体制を示します。
主催者名や会場、会期、時間など事実ベースの情報を正確に伝えます。取材に関する調整が可能である点や、出展社インタビュー・デモ撮影に関する事務局の支援についても記載します。
- 展示会名:第16回 高機能素材 Week
- 会期:2025年11月12日(水) – 14日(金)
- 開催時間:10:00~18:00(最終日のみ17:00終了)
- 会場:幕張メッセ 1~8ホール
- 主催:RX Japan株式会社
- 出展社数(見込み):同時開催展を含め 1,050社
構成展示会(同時開催)
第16回 高機能フィルム展、第14回 高機能プラスチック展、第12回 高機能金属展、第10回 高機能セラミックス展、第9回 接着・接合 EXPO、第8回 塗料・塗装設備展、第5回 サステナブル マテリアル展、第2回 素材工場の脱炭素化展という構成で開催されます。
これらの各専門展は、素材の機能化・加工技術・適用分野ごとに来場者が効率的に情報を収集できるよう計画されており、産業ごとのニーズに応じた技術比較が可能です。
取材申込と来場登録
取材申込みや一般来場登録の案内は主催者の公式ページで受け付けています。出展社へのインタビューや製品デモ撮影を希望する場合は、事務局でスケジュール調整することが可能と明記されています。
取材希望者は事前に取材対象やテーマの相談を行うことが可能であり、展示会を業界の最新動向や開発秘話に触れる場として活用できると案内されています。一般来場希望者向けの登録ページ、取材申込み窓口は以下のリンクを参照してください。
この記事の要点まとめ(表形式)
以下の表は、本記事で取り上げた展示会の主要情報と出展注目製品を整理したものです。会期や会場、主催、出展社見込み、出展予定製品のポイントを一覧化しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 展示会名 | 第16回 高機能素材 Week |
| 会期 | 2025年11月12日(水) – 14日(金)、10:00~18:00(最終日17:00終了) |
| 会場 | 幕張メッセ 1~8ホール |
| 主催 | RX Japan株式会社 |
| 出展社数(見込み) | 1,050社(同時開催展含む) |
| 出展予定(主な企業と製品) |
|
| 同時開催展(主要) | 高機能フィルム展、高機能プラスチック展、高機能金属展、高機能セラミックス展、接着・接合EXPO、塗料・塗装設備展、サステナブルマテリアル展、素材工場の脱炭素化展 |
| 参考リンク | 展示会公式サイト |
| 発表元(報道資料) | RX Japan株式会社、2025年11月11日 11時20分 発表 |
本記事では、2025年11月に示された政府の成長戦略における「マテリアル」の位置づけと、それに呼応して開催される「第16回 高機能素材 Week」の開催概要、出展予定の主要製品について網羅的に整理しました。展示会は素材技術がもたらす性能向上と環境負荷低減の両立を確認できる機会として、産業界の動向把握や取材に適した場である点を伝えています。
必要な取材調整や出展社インタビュー、デモ撮影の相談については、展示会公式サイトの案内に従って手続きを行うことが可能です。来場・取材の際には、各出展社の技術仕様や適用事例を併せて確認することで、素材が実際の製品や工程にもたらす効果を具体的に把握できます。
参考リンク: