アスクル、ランサム攻撃後の復旧進捗と段階的出荷再開計画

アスクル復旧進捗第8報

開催日:11月12日

アスクル復旧進捗第8報
注文や出荷はいつから通常に戻るの?
段階的に再開しており、FAXトライアルは既に開始、11月12日からはWeb注文や直送の一部も再開済み。本格復旧は2025年12月上旬以降予定で、当面は配送遅延が続く可能性があります。
個人情報は流出したの?自分の情報は大丈夫?
一部情報の流出を確認しており、影響対象の顧客や取引先には順次連絡中です。現在も詳細調査を継続中なので不安な場合は平日9–17時の専用窓口(0120‑023‑219)へ問い合わせてください。

ランサムウェア攻撃の発生と復旧方針 — 事業所向けサービスを最優先に

アスクル株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長:吉岡晃)は、2025年10月19日にランサムウェア攻撃によるシステム障害が発生したことを受け、サービスの段階的な復旧を進めています。本リリースは2025年11月12日15時30分時点の第8報であり、復旧に向けた基本方針と具体的な進捗を示しています。

復旧の基本方針として、事業所向けのASKULサービス(業務継続を行うお客様向け)を最優先で対応しています。Webサイトの再開に際してはセキュリティ対策の強化と安全性確認を行ったうえで再開し、出荷は安定稼働を順次拡大する方針です。復旧作業はログ解析や監視、原因調査を継続して実施しています。

なお、弊社からお客様や取引先へ送付する連絡メールは社内ネットワークとは独立した外部クラウドサービスを利用しており、現時点でその外部サービスにランサムウェア感染等の被害や不正アクセスは確認されていません。外部サービスには適切なセキュリティ対策が施されています。

被害の拡大防止の観点からランサムウェアの詳細は情報開示を差し控えており、個別のログ解析や範囲調査を継続しています。関係機関への報告や相談(個人情報保護委員会、警察等)も実施していることを明記します。

ASKULサービスの復旧計画と段階的な出荷トライアル

第6報以降の更新点を含め、ASKULサービスの復旧は段階的な出荷トライアル方式で進められています。第8報では「第2弾の拡大」が新規のお知らせとして追加されており、対象範囲や対象商品、出荷拠点を順次拡大しています。

第1弾から本格復旧フェーズに至るまでの各段階ごとに、対象、注文方法、対象商品、出荷拠点、出荷能力、開始日などの詳細を整理してお知らせします。トライアル運用は倉庫管理システム(WMS)を使用しない手運用であるため、通常サービスよりお届けに時間を要します。

第1弾:FAX注文・手運用による出荷トライアル(10月29日開始済)

第1弾は10月29日より開始され、医療機関や介護施設を含む一部のお客様を対象にFAX注文による出荷トライアルを行っています。対象商品は当初コピーペーパー等の37アイテムで、すべて箱(ケース)単位での販売・出荷となっています。

出荷拠点は新木場物流センターとASKUL大阪DCの2拠点で運用されています。出荷能力は段階的に確保しており、トライアル段階の出荷量は限定的です。

  • 対象:一部のお客様(医療機関・介護施設を含む)
  • 注文方法:FAX注文
  • 対象商品:コピーペーパー等37アイテム(全て箱単位)
  • 出荷拠点:新木場物流センター、ASKUL大阪DC(計2拠点)

第1弾の拡大(11月10日開始済)

第1弾の拡大は11月10日より実施され、対象商品と出荷拠点を拡充しています。追加対象は一部のお客様をさらに拡大し、注文方法は引き続きFAX注文です。対象商品はコピーペーパー等に加え、約230アイテムへ拡大しており、すべて箱(ケース)単位での出荷となります。

出荷拠点は仙台、横浜、名古屋、関西、福岡の5拠点を追加し、合計7拠点体制となりました。追加拠点からの出荷は11月7日から開始しており、出荷能力は従来の1~2割程度での稼働を見込んでいます。

  • 追加対象:一部のお客様(拡大)
  • 注文方法:FAX注文
  • 対象商品:約230アイテム(コピーペーパー等に加え、介護用おむつ、介護用品、飲料、洗剤、飲食消耗品等)
  • 出荷拠点:新木場・大阪に加え、仙台・横浜・名古屋・関西・福岡(計7拠点)
  • 出荷能力:従来の出荷能力の1〜2割程度

第2弾:WEB注文・手運用による出荷トライアル(11月12日開始済)

第2弾は11月12日より開始し、第1弾より対象を拡大しています。ソロエルアリーナの全顧客を含む一部のお客様を対象に、FAXに加えてソロエルアリーナWebサイトでの注文再開を進めています(安全性が確認できたWebサイトから順次再開)。

第2弾の対象商品は、箱単位注文が第1弾と同様の約230アイテム、単品注文として医療機器や衛生材料等メディカル品477アイテムを含みます。単品出荷はASKUL東京DCから行われ、箱単位は計7拠点からの出荷となります。出荷能力は第1弾と同様です。

対象
一部のお客様(第1弾より拡大、ソロエルアリーナの全顧客を含む)
注文方法
FAX注文に加え、ソロエルアリーナWebサイトでのご注文を再開(安全性確認後)
対象商品
箱単位:約230アイテム、単品:医療機器・衛生材料等メディカル品477アイテム(注射針、シリンジ、カテーテル、消毒用エタノール、酒精綿、高濃度手指消毒剤、ガーゼ、カット綿、検査用グローブ、新型コロナウイルス抗原検査キット、舌圧子、パルスオキシメーター等を含む)
出荷拠点
箱単位:第1弾と同様(7拠点)、単品:ASKUL東京DC(1拠点)
出荷能力
第1弾と同様

第2弾の拡大:直送品の一部再開(11月12日開始済)

第2弾の拡大として、ソロエルアリーナWebサイトから注文するお客様を対象に、サプライヤーからの直送品を順次再開しています。対象は文具、日用品、飲食消耗品、PC周辺機器、MRO等、約200万アイテムを9サプライヤーから順次拡大する計画です。

直送品は各サプライヤー拠点から出荷されるため、弊社物流センターを介した出荷能力には影響がなく、従来と同様の出荷能力が想定されています。直送品の再開は11月12日から開始しています。

  • 対象:ソロエルアリーナWebサイトから注文のお客様
  • 対象商品:直送品(文具、日用品、飲食消耗品、PC周辺機器、MRO等、約200万アイテム(9サプライヤー))
  • 出荷拠点:各サプライヤー拠点から出荷
  • 出荷能力:弊社物流センターを介さないため変更なし

本格復旧フェーズ(2025年12月上旬以降の予定)

本格復旧フェーズは2025年12月上旬以降を予定しており、ASKUL Webサイトでのご注文受付再開および一部物流センターからの通常出荷再開を目指しています。通常出荷では箱単位でなく単品での注文受付、物流センター在庫全商品の出荷を再開する見込みです。

本格復旧に向けて順次稼働センターを拡大し、物流体制とWeb注文の両面で通常運用へ戻すことが目標となっています。ただし、状況によりスケジュールが変更となる可能性があるため、確定事項は改めて通知されます。

補足情報:

  • ※1:第1弾~第2弾はWMS(Warehouse Management System)を使用しない運用です。トライアル出荷運用は通常サービスよりお届け日数がかかります。
  • ※2:当初の37アイテム例としては、コピーペーパー、ペーパータオル、トイレットペーパー、ゴミ袋等が含まれます。
  • ※3:約230アイテムには※2に加え介護用おむつ、介護用品、飲料、洗剤、飲食消耗品等が含まれます。
  • ※4:各センター所在地はhttps://www.askul.co.jp/corp/company/access/で確認できます。
  • ※5:Webサイト再開は安全性確認が完了したサイトから順次実施しています。
  • ※6:医療関連商品については医療関連施設の確認が取れたお客様のみ購入可能な商品を含みます。
  • ※7:MROはMaintenance, Repair, Operations(維持、修理、操業)の略で、現場で使う備品・工具・修理用部材等を指します。

その他サービスの現況と情報流出への対応

ASKUL以外のサービスの状況は以下のとおりです。LOHACOやアスクル外部カタログ連携(直販モデル含む)は現時点で出荷トライアル運用の対象外であり、サービス再開時期は確定次第通知されます。

パプリ(印刷サービス)は11月11日より一部のお客様からのFAX注文を開始しています。該当のお客様には個別に案内が行われており、サービスの全面再開時期は追って発表されます。

  • LOHACO(ロハコ):出荷トライアルの対象外。再開時期は未定。
  • パプリ(印刷サービス):11月11日より一部のお客様でFAX注文を開始。全面再開時期は未定。
  • ビズらく:システム、Webサイトの安全確認を実施済み。通常サービスを提供中。
  • SOLOEL(ソロエル):システム、Webサイトの安全確認を実施済み。通常サービスを提供中。ただし、SOLOEL内の一サプライヤーとしてのアスクル株式会社は出荷を停止中で、出荷再開時期は未定。
  • アスクル外部カタログ連携(直販モデル含む):出荷トライアルの対象外。再開時期は未定。

また、ASKUL LOGIST株式会社が手がける3PL事業における特定のお客様企業(例:株式会社良品計画様ほか)の出荷業務は、本リリースで示す復旧スケジュールとは異なります。個別顧客との契約や運用に沿って対応されます。

情報流出に関しては第5報(10月31日)および第7報(11月11日)でお知らせしたとおり、弊社が保有する情報の一部が外部に流出したことを確認しており、対象となるお客様や取引先には順次連絡を行っています。お問い合わせ窓口を設け、平日の9時から17時で対応しています。

アスクル 情報流出専用お問い合わせ窓口
受付時間:平日のみ 9時–17時
TEL:0120-023-219
IP電話(050で始まる場合):03-6731-7879(通話料はお客様負担)

被害拡大防止の観点からランサムウェアに関する詳細は公開していませんが、現在も詳細ログ解析、異常監視、原因・影響範囲の調査を継続しています。関係各所への報告と相談は適切に実施しています。

これまでの発表と今リリースの位置づけ

今回の第8報は、10月19日の第1報以降の一連の発表の継続情報です。経緯と発表日を以下に整理します。各報は状況の変化に応じて発表されており、本リリースは11月12日時点の最新情報です。

  1. 2025年10月19日:ランサムウェア攻撃によるシステム障害を確認、第1報発表
  2. 2025年10月22日:調査状況とサービス現況(第2報)発表
  3. 2025年10月29日:一部商品の出荷トライアル運用開始(第3報)発表
  4. 2025年10月31日:一部報道について(第4報)発表
  5. 2025年10月31日:情報流出に関するお詫びとお知らせ(第5報)発表
  6. 2025年11月6日:サービスの復旧状況について(第6報)発表
  7. 2025年11月11日:情報流出に関するお知らせとお詫び(第7報)発表
  8. 2025年11月12日:サービスの復旧状況について(第8報・本リリース)発表

記載の内容は発表日時点の情報であり、状況により変更となる可能性があります。復旧の進捗については継続して情報提供が行われます。

要点の整理

以下の表は本リリースで示された主要項目を整理したものです。各項目の概要と開始日、該当する出荷拠点や対象商品、出荷能力、問い合わせ窓口等をまとめています。表の後に短いまとめを付します。

項目 内容(概要) 開始日 / 状況
障害発生日 ランサムウェア攻撃によるシステム障害 2025年10月19日
優先方針 事業所向けASKULサービスを最優先に復旧 継続中
第1弾(初期) FAX注文による出荷トライアル、37アイテム(箱単位)、新木場・ASKUL大阪DC 10月29日開始(実施中)
第1弾の拡大 対象約230アイテム(箱単位)、出荷拠点7拠点(仙台、横浜、名古屋、関西、福岡を追加) 11月10日開始(追加拠点出荷は11月7日から)
第2弾 ソロエルアリーナWebでの再開(FAX併用)、箱約230アイテムと単品医療系477アイテム、単品はASKUL東京DC 11月12日開始(実施中)
第2弾の拡大(直送) サプライヤー直送品:文具・日用品・PC周辺機器・MRO等、約200万アイテム(9サプライヤー) 11月12日開始(実施中)
本格復旧フェーズ ASKUL Webサイトでの注文再開、物流センターからの通常出荷(単品注文) 2025年12月上旬以降(予定)
お問い合わせ窓口 情報流出専用窓口(平日9時–17時)TEL:0120-023-219、IP電話:03-6731-7879 常設
備考 第1弾〜第2弾はWMS不使用の手運用、トライアルは通常よりお届け日数がかかる 適用中

本リリースは、復旧優先順位、各段階の開始日と対象範囲、出荷拠点、出荷能力、並びに問い合わせ窓口までを網羅して整理しています。状況に応じて内容は更新されるため、最新の発表を参照してください。

以上が2025年11月12日15時30分時点でのアスクル株式会社によるサービス復旧状況(第8報)の内容です。状況の変化や追加情報は今後も継続して通知されます。