イオンディライト、警備技術コンテストで14チームが成果発表
ベストカレンダー編集部
2025年11月14日 18:57
第7回イオン警備コンテスト
開催日:11月11日
イオンディライトが主催した警備分野の技術コンテスト、開催の背景と参加体制
イオンディライト株式会社は、2025年11月11日(火)に「第7回 イオンディライト技術コンテスト【警備の部】」を開催しました。報道発表は2025年11月14日 16時17分付で行われ、同社の代表取締役社長兼社長執行役員 グループCEO 濵田和成氏のもとで実施されたイベントです。
本発表会には日本、中国、ASEAN各国で事業を展開する同グループ会社および協力警備会社を代表する計14チームが出場しました。参加チームは国内外の拠点から選抜され、各地域での日常業務や現場の課題解決に基づく発表が行われています。
発表者として参加した警備会社及び当社グループ会社(国内は五十音順)は以下の通りです。国・地域ごとに区分し、登壇した全14チームを列記します。
- 国内:株式会社アイビックス関西、ALSOK北海道株式会社、ALSOK山口株式会社、イオンディライトセキュリティ株式会社、環境整備株式会社、協和警備保障株式会社、株式会社コアズ、サンエス警備保障株式会社、株式会社静岡総合警備保障、富士警備保障株式会社、株式会社白青舎
- 中国:永旺永楽服務管理集団有限公司
- ASEAN:AEON DELIGHT(VIETNAM) CO., LTD.、PT Sinar Jernih Sarana
取り組みテーマと会場で交わされた議論の要旨
各チームはあらかじめ提示された4つのテーマから1つを選び、現場での実践と成果を報告しました。テーマは警備業務の適正化からお客さま対応、業界に新たな価値創造をもたらす取り組み、環境変化に対応するビジネスモデル構築まで、多角的な観点を含んでいます。
会場では各発表後に質疑応答や審査員、出席者との意見交換が行われ、実際の現場で直面した課題に対する具体的な改善策、導入した技術の効果、運用面での工夫などが詳細に議論されました。発表内容は警備業務の範囲を超え、顧客満足度向上や組織運営の改善につながるアイデアも多く紹介されました。
- 警備業務を適正かつ確実に行うための取り組み
- お客さま対応の品質向上に向けた取り組み
- 警備業界における新たな価値創造の取り組み
- 環境変化に対応した新たなビジネスモデル構築
これらのテーマごとに現場の改善事例や技術導入の成否、運用面の留意点が提示され、参加者間で応用・展開の可能性に関する建設的な意見交換が行われました。
審査結果と各受賞チームの詳細な取り組み
当日はイオンディライトの経営幹部による審査が行われ、最優秀賞を含む各賞が決定されました。審査の評価基準は、現場課題に対する有効性、再現性、顧客への貢献度、業務効率化や安全性の向上といった観点です。
以降に、受賞チームの発表内容と取り組みの要旨を詳細に示します。各チームの取り組みは技術導入のみならず、運用の工夫や人材ケアといった側面まで含めて評価されています。
最優秀賞:関東支社代表(ゆみ〜る鎌取ショッピングセンター/サンエス警備保障株式会社)
発表タイトルは「サンエス・オールハッピーシステムによる業務成果発表」です。チームはシフト誤認や寝過ごしといったヒューマンエラーによるサービス品質低下を課題と捉え、勤務指示・シフト確認・出勤確認のプロセスをアプリで自動化しました。
導入の結果、勤務確認に要していた労力が大幅に削減され、勤務ミスが解消されて顧客からの信頼が向上しました。また、管理に費やしていた時間を現場巡回や顧客対話に再配分することで、警備品質の向上と職場の雰囲気改善が実現されました。これらを三方よしの観点から「理想的なDX、オールハッピーシステム」と命名し、他物件への横展開を予定しています。
優秀賞:永旺永楽服務管理集団有限公司(中国)
発表は「可視化認知と機動対応による複合施設消防の『リミット5分間』を再構築」です。中国では電動自転車の普及に伴いバッテリー火災が増加しており、従来の煙感知式火災報知機では発見が遅れる課題が顕在化していました。
同チームは、火災発生が多い箇所に熱センサーカメラを設置して火災の兆候を早期に検知する仕組みを構築しました。さらに、パトロール用バイクに応急消火資材を搭載して機動性を高め、消防隊の到着までの初期対応を迅速化する体制を整備しました。
優秀賞:中四国支社代表(大手製薬会社工場/ALSOK山口株式会社)
発表タイトルは「グローバル環境への『存在感の発揮』について」です。対象の工場は東京ドーム約20個分に相当する広大な敷地を有し、24時間365日体制で出入管理や消防・防災を担っています。
同隊はドローン夜間自動巡回の導入を行い、4Kカメラやサーモカメラを活用して高所や建物内部の異常を監視する体制を構築しました。これにより火災や異常の早期発見が可能となり、また申請業務のデジタル化により用紙削減と業務効率化を達成。駐車許可証の申請・登録は最短1日で完了するなど、顧客利便性の向上にも寄与しています。
優秀賞:環境整備株式会社(高齢警備隊員のケア)
発表は「高齢警備隊員のケアについて~女性警備隊の活躍~」です。警備員の高齢化に対応するため、医療現場経験のある女性職員を中心に『よりそい隊』を結成し、傾聴を重視したメンタルケアを実施しました。
面談記録には医療カルテを参考にしたSOAP方式(Subjective、Objective、Assessment、Plan)を導入し、個々の悩みや不安を丁寧に聞き取ることでトラブルの早期発見・解決につなげました。その結果、職場環境の改善と高齢警備員の戦力化、離職率低下に寄与しています。
特別賞:関西支社代表(大阪・関西万博 ポルトガル館・マレーシア館/株式会社アイビックス関西)
発表は「大阪・関西万博保安警備における課題とその解決策」です。海外パビリオンでの警備では言語・文化・宗教観の違いに起因するコミュニケーション課題が発生しました。
対応策として翻訳アプリの活用、異文化理解のための勉強会開催、来場者と直接対話する機会の増加を実施。猛暑による体調管理対策として勤務前のアルコールチェックや睡眠・食事・服薬状況の申告を徹底し、控室には血圧計を配備して勤務前計測・記録を習慣化することで、万博期間中の安全で安定した警備の実施に結びつけました。
審査総括(当社取締役兼専務執行役員 宮前 氏)
宮前取締役兼専務執行役員は総括において、現場での創意工夫やパートナー企業との連携、万博やインバウンド対応など多様な取り組みが高く評価されたことを指摘しました。デジタルデバイスによるDX推進の重要性を認めつつも、最終的な価値は人の専門性と人間力にあると述べています。
また、本発表会は知識・技術のみならず人間性や思いやりを育む機会であり、現場の好事例をグループ全体に共有することで警備品質とブランド価値の向上に寄与すると総括しました。
開催の位置づけ、関連情報と参加企業の今後の展開
イオンディライト技術コンテストは2019年から設備管理・警備・清掃の3事業で継続的に開催されており、人間力と技術力を兼ね備えた専門人材の育成を目的としています。今回の警備の部はその一環として位置づけられ、現場ノウハウの横展開や業務改善の具体例が提示されました。
また、同社は清掃の部(第2弾)については2025年11月14日付の別リリースで発表しており、設備の部(第3弾)は2025年11月17日に開催される予定であることが案内されています。関連情報は同社の公式サイトでも確認できます(https://www.aeondelight.co.jp/)。
発表内容の要点整理
以下の表は、本記事で取り上げた開催日、参加チーム数、主なテーマ、受賞結果などを整理したものです。発表内容の要旨を一望できるようにまとめています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開催日(実施) | 2025年11月11日(火) |
| プレス発表日時 | 2025年11月14日 16:17 |
| 主催 | イオンディライト株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長兼社長執行役員 グループCEO 濵田和成) |
| 参加チーム数 | 計14チーム(国内11、海外3) |
| 参加企業(主なもの) | アイビックス関西、ALSOK北海道、ALSOK山口、イオンディライトセキュリティ、環境整備、協和警備保障、コアズ、サンエス警備保障、静岡総合警備保障、富士警備保障、白青舎、永旺永楽(中国)、AEON DELIGHT(VIETNAM)、PT Sinar Jernih Sarana |
| 設定テーマ | 1) 警備業務適正化 2) お客さま対応の品質向上 3) 新たな価値創造 4) 環境変化対応のビジネスモデル |
| 最優秀賞 | 関東支社代表(ゆみ〜る鎌取ショッピングセンター/サンエス警備保障):「サンエス・オールハッピーシステム」※勤務指示・シフト確認・出勤確認のアプリ自動化 |
| 優秀賞(抜粋) | 永旺永楽(火災の早期検知と機動対応)、ALSOK山口(ドローン夜間自動巡回、申請業務デジタル化)、環境整備(高齢警備員ケア:SOAP方式) |
| 特別賞 | アイビックス関西(大阪・関西万博における異文化対応と健康管理対策) |
| 審査総括 | 当社取締役兼専務執行役員 宮前氏:DXの推進と人間力の重要性を強調。現場の創意工夫・連携が高く評価された。 |
| 関連情報 | 清掃の部(第2弾)リリース:2025年11月14日付、設備の部(第3弾)開催予定:2025年11月17日、公式サイト:https://www.aeondelight.co.jp/ |
本記事では、開催日や参加チーム、各受賞チームの発表タイトルと取り組みの具体的内容、審査総括の指摘点などを整理して紹介した。発表会で提示された事例は、業務効率化や安全性向上、顧客満足度の向上につながる実践的な取り組みが中心であり、今後の展開に向けて他物件やグループ全体への横展開が期待されるものであることを報告する。
参考リンク: