エスクリとノバレーゼ統合へ 2026年4月1日発効予定で業界最大級に

エスクリとノバレーゼ統合

開催日:4月1日

エスクリとノバレーゼ統合
この統合って自分たちの結婚式に影響ある?
既に予約済みの挙式は原則として引き継がれる見込みだが、会場運用やプランの統合で一部内容や提供サービスが変わる可能性がある。具体的な扱いは各社からの個別案内や会場への問い合わせで確認を。
統合はいつから正式に始まるの?
発表は2025年11月14日で、合併の効力発生日は株主総会承認後の想定で2026年4月1日。承認手続きや関連手続きの進捗によって日程が変わる可能性があるため、今後の開示に注意を。

両社統合で国内最大級へ──決定の概要と発表日時

2025年11月14日15時40分、株式会社エスクリ(本社:東京都中央区、代表取締役社長CEO:渋谷守浩)は、株式会社ノバレーゼ(本社:東京都中央区、代表取締役社長:荻野洋基)と経営統合することを発表しました。両社の大株主は貸会議室大手の株式会社ティーケーピー(TKP、代表取締役社長:河野貴輝)であり、TKPを筆頭株主とするグループ内連携を背景にした統合です。

合併後の連結売上高は450億円に達する見込みで、ブライダル事業の売上規模では業界最大級に浮上する見通しです。合併の効力発生日は、両社の株主総会(2026年3月予定)での承認を経て、2026年4月1日を想定しています。

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発表の背景に関する基本情報

発表日時や各社の代表者、目的についての基本情報は次のとおりです。今回の統合は、建設費抑制、経営資源の集約、広告宣伝費・食材など各種仕入れ、システム、採用分野での経営効率化を通じて競争力を高めることを狙いとしています。

発表日時
2025年11月14日 15:40
合併効力発生日(想定)
2026年4月1日(両社株主総会承認後)
主要株主
ティーケーピー(TKP)を筆頭株主
合併後の見込み連結売上高
450億円
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統合に至った背景と各社の特色

エスクリは2003年設立以来、東京23区や政令指定都市を中心に利便性の高い立地で婚礼施設を展開し、店舗・オフィスの設計施工や建材販売など建築・不動産分野にも事業を広げてきました。ノバレーゼは2000年創立で、地方都市を中心にシンプルで洗練されたデザインの婚礼施設を展開し、ドレスや引き出物等のアイテムを内製化することで高品質なサービスを提供してきました。

両社はそれぞれ強みを持ち、TKPとの関係性を通じたグループ内事業連携が進む中で、ブライダル市場の環境変化を成長機会と捉え、統合による業界再編の先駆けを目指すという判断に至っています。

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各社の事業展開と役割

エスクリは都市型の駅直結型施設、ノバレーゼは地方都市や歴史的建造物を再生した会場、郊外型施設など多様な会場設計を得意としており、両社の会場タイプの組み合わせが全国ネットワークの強化につながる見込みです。

  • エスクリ:設立2003年、直営婚礼施設29施設、従業員数755名(2025年3月31日現在)、連結売上高261億7,900万円(2025年3月期)、本社:〒103-0016 東京都中央区日本橋小網町6-1 山万ビル
  • ノバレーゼ:創立2000年11月1日、直営婚礼施設39施設、ドレスショップ25店舗、連結売上高192億9,900万円(2024年12月期)、従業員数 連結2,472人/単体1,926人(2024年12月末)、本社:〒104-0061 東京都中央区銀座1丁目8-14 銀座YOMIKOビル4F
  • ティーケーピー(TKP):設立2005年8月、従業員数2,897人(2025年2月末)、事業:フレキシブルスペース事業、ホテル・宿泊研修、イベントプロデュース等、本社:〒162-0844 東京都新宿区市谷八幡町8番地
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統合で期待される具体的なシナジーと施策

統合により想定される主な効果は、全国ネットワークの構築、内製化の相互活用、コスト削減・スケールメリット、人材・ノウハウの融合の四点です。それぞれについて具体的な施策や数値目標が示されています。

これらを通じて、単に規模を拡大するだけでなく、事業構造を強化し持続可能な収益モデルへと転換することが狙いです。

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(1)全国を網羅する婚礼ネットワーク

エスクリの大都市圏の駅直結型施設と、ノバレーゼの地方中心の施設を組み合わせることで全国をカバーする婚礼拠点網を形成します。統合後は自社運営の婚礼施設が「1都2府28県68施設」に拡大すると明示されています。

  1. 施設数:合計68施設(自社運営、1都2府28県)
  2. 売上規模:合併後の連結売上高見込み450億円

(2)内製化の相互活用と利益率向上

両社はドレス、装花、映像など婚礼関連アイテムを内製化しており、ノバレーゼの直営ドレスショップやエスクリの建設関連子会社を相互利用することにより、商品・サービスの付加価値向上と建設・施工コスト抑制を図ります。

結果として利益率の向上とサービス品質の均一化を狙います。

(3)コスト削減とスケールメリット

広告宣伝費、仕入れ、システム、人材採用などを統合運用することで経営効率を高めます。SNSを活用した新たな集客戦略を導入し、従来の情報誌依存型広告からの脱却を進め、費用対効果の高い広告運用を推進します。

加えて、共同調達による仕入れコスト低減や本社機能統合による効率化により、安定した経営基盤を目指します。

(4)人材・ノウハウの融合と周辺事業の拡大

両社の教育・研修プログラム統合により接客力・提案力を強化し、グループ全体での採用や人材交流を促進します。TKPの不動産・M&A情報を活用して、レストラン、ハネムーン、フォトウエディングなど周辺事業領域の拡大を図ります。

その結果、挙式後のライフイベントまで支える総合顧客体験の提供を目指します。

代表者のコメントと統合後の運用モデル

エスクリ代表取締役社長 CEO 渋谷守浩は、結婚式を単なる儀式ではなく人と人、家と家がつながる“希望の出発点”と位置付け、その文化を次世代へ残すことを使命と述べています。少子化や価値観の多様化という環境下でも、結婚式が持つ社会的な温かさを広げ、結婚に対する前向きな風土醸成や社会課題の解決につなげたいとの考えを示しました。

渋谷氏はまた、今回の統合を通じて業界再編を主導し得る経営基盤を確立したと説明し、「結婚式の本質的な価値を見つめ直し、もっと自由に、もっと多様に、もっと心に残るブライダルを創る」ことを掲げています。

平日の稼働率向上とTKP基盤の活用

統合後は、ブライダル施設の平日の稼働率を向上させるために法人利用を拡大します。ブライダル会場の非日常的で洗練された空間は企業の表彰式や懇親会、周年イベントなどに適しており、TKPが保有する約3万社の法人顧客基盤を活用し「平日は法人利用、週末はウエディング」という運用モデルをさらに強化する計画です。

この運用により、ブライダル施設を「特別な日のためだけでない、人が集う、日常を祝う場所」として再定義し、安定した収益確保と施設の新たな価値創出を図る意向です。

会社概要と主要数値

下記はプレスリリースに記載された各社の会社概要および主要数値です。連結・単体、期別の情報も含め、発表内容を整理しています。

なお、本統合により各社の資産・従業員・施設構成がどのように組み合わさるかについては、今後の開示で追加示唆が行われる可能性がありますが、現時点で公開されている数値は以下の通りです。

社名 本社所在地 設立/創立 代表者 従業員数 売上高 施設数等 連絡先
株式会社エスクリ(ESCRIT INC.) 〒103-0016 東京都中央区日本橋小網町6-1 2003年6月 代表取締役社長 CEO 渋谷守浩 755人(2025年3月31日現在) 連結261億7,900万円(2025年3月期) 直営婚礼施設29施設 TEL:050-1743-3418(代)
株式会社ノバレーゼ(NOVARESE, Inc.) 〒104-0061 東京都中央区銀座1丁目8-14 銀座YOMIKOビル4F 2000年11月1日 代表取締役社長 荻野洋基 連結2,472人/単体1,926人(2024年12月末) 連結192億9,900万円(2024年12月期) 国内直営 婚礼施設39施設、ドレスショップ25店、レストラン11店等 TEL:03-5524-1122(代)
株式会社ティーケーピー(TKP Corp.) 〒162-0844 東京都新宿区市谷八幡町8番地 2005年8月 代表取締役社長 河野貴輝 2,897人(2025年2月末) (事業内容記載) フレキシブルスペース事業、ホテル・宿泊研修等 TEL:03-5227-7321(代)

参考リンク:https://www.escrit.jp/

要点の整理(表形式)と結びの一段落

以下は本記事で述べた主要ポイントを表で整理したものです。発表日時、合併効力発生日(想定)、合併後見込み数値、施設数、主なシナジー項目などをまとめています。

項目 内容
発表日時 2025年11月14日 15:40
合併効力発生日(想定) 2026年4月1日(両社株主総会承認後、株主総会は2026年3月予定)
合併後の見込み連結売上高 450億円(見込み)
自社運営婚礼施設数 1都2府28県 合計68施設(想定)
主なシナジー 全国網構築、内製化相互利用、コスト削減・スケールメリット、人材・ノウハウ融合
主要株主 株式会社ティーケーピー(TKP)を筆頭株主

本件は、両社が各々培ってきた事業・ノウハウを掛け合わせ、TKPグループの資源も活用することで、ブライダル事業の売上規模を拡大すると同時に、施設の稼働率向上やコスト効率化を図る取り組みとして位置づけられています。今後は株主総会での承認手続きおよび関連する行政・社内手続きの進捗に応じて、追加の情報開示が行われる見込みです。

参考リンク: