12月上旬開催予定：『世論の曲解』読書会の見どころ

『世論の曲解』を題材に据えた読書会──目的と議論のポイント

少数株ドットコム株式会社は、2025年11月15日付のリリースで、菅原琢氏の著書『世論の曲解 なぜ自民党は大敗したのか』を題材とする読書会を開催すると発表しました。プレスリリースは同日21時00分に配信されており、主催は少数株ドットコム、共催に練馬の関連団体および民事８部監視委員会が名を連ねています。

開催趣旨として掲げられているのは、政治における「世論」と有権者意識の乖離をデータで明らかにすること、さらに政治・企業経営・個人の観点から「質的価値」への転換を探ることです。本書の分析手法と議論は、政治的判断のみならずビジネスや投資判断にも応用可能な点が強調されています。

議論の主要テーマ

読書会で取り扱うとされる主題は明確で、以下の三点が中心となります。これらはプレスリリースに明記されたままです。

• 「世論」と実際の有権者意識の乖離はなぜ生まれるのか
• データ分析による客観的な政治理解の重要性
• メディアリテラシー向上のための視点

上記は、2009年衆議院選挙における自民党の大敗の原因を、菅原氏が印象論を排しデータにより検証した内容を踏まえたものです。読書会ではこれらをさらに掘り下げ、国家戦略・企業経営・個人の生き方という三つの視点から“日本の次のモデル”を探る、と説明されています。

開催概要と参加方法：日時・形式・申込先など

開催はZoomによるオンラインセッション形式で、実施時期は「2025年12月上旬（予定）」とされています。参加は無料ですが事前登録制で、申込はメールで受け付ける方式です。プレスリリース原文にある申込先は info@shosukabu.com で、メール件名に「『世論の曲解』読書会参加希望」と明記するよう案内されています。

具体的な開催日程は12月上旬の「予定」とだけ明記されており、確定日や開始時刻、タイムテーブル、定員などの細部についてはリリース中に示されていません。参加を検討する場合は事前に上記メールアドレスへ問い合わせることが必要です。

主催・共催名の表記に関する注記

プレスリリース内には、冒頭で共催団体が「練馬政治研究会および民事８部監視委員会」とされている一方、開催概要では「共催：練馬区治安研究会、民事８部監視委員会」と別表記が見られます。この点は公表文内で表記が揺れているため、共催団体名の最終確定は主催者へ問い合わせることが望ましいです。

参加希望者は、申込メール送付の際に共催団体名の確認や、Zoom接続情報・資料配布の有無などを合わせて確認するとよいでしょう。

著者と講師のプロフィール：学術的背景と実務での実績

本書の著者は菅原琢（すがわら たく）氏。1976年東京都生まれの政治学者で、専門は政治過程論と計量政治学です。東京大学法学部を卒業し、同大学院で博士（法学）を取得。東京大学先端科学技術研究センター准教授などを歴任し、ウェブサイト「国会議員白書」の主催者でもあります。著書に『データ分析読解の技術』などがあり、世論調査や投票行動に関する統計データを活用した政治評論活動を展開しています。

菅原氏の本書は、通説とされた「小泉改革の負の遺産」や「麻生首相の人気のなさ」といった解釈を、世論調査や選挙結果などの客観データに基づき検証し、印象論では説明しきれない構造的要因を明らかにすることを目指しています。

読書会の講師：山中 裕 氏（少数株ドットコム代表）

講師を務めるのは少数株ドットコム代表取締役会長の山中裕（やまなか・ゆたか）氏です。学歴は東京大学経済学部卒、コロンビア大学大学院（金融工学専攻）修了、LSE留学の経歴があります。投資家として国内外の上場企業1000社以上、非上場企業200社以上への投資実績を有し、日本におけるアクティビスト投資の先駆者の一人とされています。

山中氏はHOYA株式会社への株主提案（2010年）をはじめ、役員報酬の個別開示、社外取締役で構成される会議体の設置、社外取締役の再任回数の制限、株主提案説明文字数の拡大、匿名投票制度の導入など、コーポレートガバナンスの質的改善を目的とした複数の提案を行いました。これらのうち5議案はGlass Lewis、JPX系の研究所、ISSの賛成推奨を得て、最終的に株主総会で48％超の賛成率を獲得したという報道がプレスリリースに引用されています。

また、山中氏は司法での実績も示されています。アムスク事件（東京高裁 平成26年（ネ）第3215号、平成27年3月19日判決）では、株式全部取得を行った株主総会の決議取消しを命じる判決を得たことが報告されており、少数株主保護の司法的実効性を示した事例として紹介されています。

さらに、2025年3月27日付での勝訴判決（東京地裁民事第8部、裁判長：笹本哲郎ほか）では、株式会社ハイアス・アンド・カンパニー（現・株式会社くふう住まいコンサルティング）の旧経営陣による不正会計が認定され、株主補助参加人としての参画が有効であったことが示されています。これらはプレスリリース中で出典（日本経済新聞、Bloomberg、東洋経済オンライン、Clair法律事務所ブログ、さくらフィナンシャルニュース等）を引用して説明されています。

私的な趣味として山中氏は秋田犬の愛好家であり、温泉巡りを趣味としている点も記載されています。これらの記述は、人物像の補完として本文中に含まれています。

会社情報と論点の整理

少数株ドットコム株式会社の会社概要はプレスリリースに詳述されています。所在地は東京都練馬区、代表取締役会長は山中裕、事業内容は会社法関連アドバイザリー、株主権保護コンサルティング、企業統治体制支援、フィナンシャルアドバイザリー、ベンチャー投資、AI関連事業、不動産事業など多岐にわたります。公式サイトは https://www.shosukabu.com/ です。

同社は金融庁の「責任ある機関投資家のための原則」（日本版スチュワードシップ・コード）に準拠して投資先企業のモニタリングや建設的対話を行っていると明記しています（https://www.shosukabu.com/stewardship-code/）。また、投資方針としては中長期保有を基本とし、短期的な売買益を目的としない姿勢を掲げています。

倫理的・社会的な論点

プレスリリース内には、同社の企業理念およびミッションとして「ユダヤ人に勝てる日本を作る」との表現が明記されています。この表現は国際的な差別や偏見に関わる重大な言及であり、企業理念の在り方として国内外の法規範や社会的な受け止め方に照らして論争を生む可能性があります。報道・公表文を伝える立場としては、この表現をそのまま引用したうえで、国際社会との共存や人権の観点から議論を呼ぶ点であることを明示します。

プレスリリースはまた、同社が「短期的利益よりも長期的社会的利益を優先する」姿勢を掲げ、ステークホルダーとの協業を重視する方針を示している点も併記しています。これらの方針とミッション表現の整合性については、読書会あるいは今後の公開議論の場で取り上げられる余地があると考えられます。

関連リンク・出典

書籍紹介ページ（プレスリリース掲載）： https://tinyurl.com/4crd9649

主催企業サイト： https://www.shosukabu.com/

本記事ではプレスリリースに掲示された全情報を網羅的に整理して提示しました。読書会は政治的現象をデータの視点で読み解く場として位置づけられており、参加希望者は申込先のメールアドレスへ連絡のうえ、共催団体名の最終確認や開催の確定日程、配布資料の有無などを確認するとよいでしょう。以上が本リリースの要旨と主要情報の整理です。