岡山大学が研究機器を借りられるSXプラットフォーム始動

SXプラットフォーム始動

開催日:11月17日

SXプラットフォーム始動
誰が利用できるの?
大学や公的研究機関、企業が主な対象。岡山大学が主導し他大学やメーカーの参加拡大を目指す広域的な仕組みで、早期加盟優遇策も用意されています。
費用や条件はどうなるの?
設置費・保守費・修理費・撤去費を基本不要とする提供形態を想定。リース期間や残存価値は大学会計に合わせ柔軟化し、本年度は加盟料免除の措置あり。

研究者の選択肢を広げる新たな仕組み:SXプラットフォームの目的と背景

国立大学法人岡山大学は、研究機器の導入・維持管理に伴う負担を軽減し、より多くの研究者が最先端の分析機器を利用できる環境を整備するため、SX(シェアード・トランスフォーメーション)プラットフォームを立ち上げました。発表日は2025年11月17日(プレスリリース掲出)で、プラットフォーム設立に向けた初期の実務者キックオフミーティングや早期加入に関する打ち合わせが既に行われています。

背景には、特に国立大学法人を中心とした研究機関における高価な分析機器の購入および購入後の維持管理費の確保が困難であるという現状があります。岡山大学では、従来中心であった「買う」という選択肢に加え、レンタル・リースという「借りる」選択肢を拡大することで、研究時間確保、研究環境の強化、人材育成の促進、必要経費の削減を図ることを目的としています。

【岡山大学】最先端の研究機器等をお得にレンタル・リースする「SXプラットフォーム」始動~「買う」から「借りる」を拡大し、研究基盤強化へ~ 画像 2

共同で取り組む主体と制度的な位置づけ

本プラットフォームは岡山大学が中心となり、日本電子株式会社およびオリックス・レンテック株式会社と連携して構築されます。岡山大学は本取り組みを、文部科学省の「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」の一環として実施しています。このため、個別大学の利便性向上にとどまらず、わが国の研究基盤全体を強化する観点を重視した設計が行われています。

参加企業・機関の役割や関連組織については次の通りです。

岡山大学
プラットフォームの発起・運営主体の一翼を担い、研究機器共用の整備や利用促進を図る。J-PEAKS事業としての位置づけを持つ。
日本電子株式会社
機器提供や技術サポート、ウェビナー共催などを通じた実務支援を行う。関連のイベントや情報発信の協力を実施。
オリックス・レンテック株式会社
レンタル・リースの仕組みと運用ノウハウを提供し、設置費や保守費などを抑えた契約形態整備に寄与する。
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キックオフミーティングと合意内容:9月18日・10月14日の議論

立ち上げに向けた実務者キックオフミーティングは2025年9月18日に実施され、続く早期加入に関する打ち合わせおよびプラットフォームホームページ公開の打ち合わせを2025年10月14日に岡山大学津島キャンパスで開催しました。これらの会合では、具体的な運用方針とサービス設計に関する議論が行われました。

9月18日の打ち合わせで取り上げられた主な論点は次の通りです。

  • 汎用的な分析機器から最先端機器までを含む幅広い機器ラインナップの提案
  • 大学の会計制度に合わせたリース期間や残存価値の設定など、柔軟な料金体系の検討
  • メーカーによる機器設置時の研修や装置オペレーション指導、技術職員のスキル向上支援
  • 運用・保守体制の明確化と、設置費・保守費・修理費・撤去費不要を基本とする提供形態の検討

10月14日の打ち合わせでは、早期加入促進策として本年度(発表年度)に限りプラットフォームの加盟料金を免除する方針や、広報・説明会の開催、専用ホームページの整備などが決定されました。これにより、初期導入ハードルを下げ、加盟機関の円滑な参画を促す狙いがあります。

日付 実施内容 主な決定事項
2025年9月18日 実務者キックオフミーティング 機器ラインナップ、料金設定、技術支援体制の議論
2025年10月14日 プラットフォームHP・早期加入に関する打ち合わせ(津島キャンパス) 本年度加盟料金免除、説明会開催、専用HP整備
【岡山大学】最先端の研究機器等をお得にレンタル・リースする「SXプラットフォーム」始動~「買う」から「借りる」を拡大し、研究基盤強化へ~ 画像 4

担当者の発言(抜粋)

担当の佐藤法仁副理事(研究・産学共創総括担当)・副学長(学事担当)・上級URAは、SXプラットフォーム関係者へ感謝を述べるとともに早期加盟の準備が整った旨を表明しました。佐藤氏は、大学や研究者の中にはレンタル・リースに対する漠然とした不安や拒否感を示す場合もあるが、本学が先陣を切って切り拓いていく意向を示しました。

また、学長の那須保友は、SXプラットフォームが関係者の強い想いから実現したとしたうえで、岡山大学がわが国全体の研究基盤強化に向けて取り組む姿勢を示しました。那須学長の発言には、政府関係の記者会見で取り上げられるなどの反響があった旨も含まれています。

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利用方法、ウェビナーと問い合わせ先の詳細

SXプラットフォームの概要説明を含めたウェビナーは、2025年11月28日(金)16:30~17:30に開催されます。共催は岡山大学と日本電子で、ウェビナーは以下の案内ページから参加申込や詳細確認が可能です。

ウェビナー案内ページ:
https://www.jeol.co.jp/events_seminars/seminars/20251128.13251.html

問い合わせや早期加盟の申請に関しては、岡山大学総合技術部を窓口として複数の担当窓口が用意されています。連絡先は以下の通りです(原文のとおりメールアドレスは@を◎に置換しています)。

  • 岡山大学総合技術部(SXプラットフォームへの早期加盟について)
    • 住所:〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中3-1-1 岡山大学津島キャンパス
    • TEL:086-251-8802
    • E-mail:sougougijutsubu◎adm.okayama-u.ac.jp
    • 関連ページ:https://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id14708.html
  • 岡山大学病院 新医療研究開発センター(製薬・医療機器企業関係者)
    • 住所:〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1
    • 問合せページ:http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/ph_company/
  • 岡山大学病院 研究推進課 産学官連携推進担当(医療関係者・研究者)
    • TEL:086-235-7983
    • E-mail:ouh-csnw◎adm.okayama-u.ac.jp
    • 問合せページ:http://shin-iryo.hospital.okayama-u.ac.jp/medical/
  • 岡山大学研究・イノベーション共創機構 産学官連携本部
    • TEL:086-251-8463
    • E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
    • URL:https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/
  • 研究機器共用の体制に関するタスクフォース(チーム共用)
    • TEL:086-251-8705 / FAX:086-251-7114
    • E-mail:cfp◎okayama-u.ac.jp
    • URL:https://corefacility-potal.fsp.okayama-u.ac.jp/
  • スタートアップ・ベンチャー関連
    • E-mail:start-up1◎adm.okayama-u.ac.jp
    • URL:https://venture.okayama-u.ac.jp/
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参考資料・関連リンク

本取り組みに関連する公開情報やメディアは複数用意されています。主要な参照先は以下です。

  1. 岡山大学公式ページ(本件ニュース):https://www.okayama-u.ac.jp/tp/news/news_id14708.html
  2. 日本電子株式会社のプレスリリース:https://www.jeol.co.jp/news/pr/20250808.12955.html
  3. PR Times掲載:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003328.000072793.html
  4. 文部科学省の関連事業(J-PEAKS):https://j-peaks.orsd.okayama-u.ac.jp/
  5. 関連動画(内閣府記者会見での取り上げ):https://www.gov-online.go.jp/press_conferences/minister_of_state/202508/video-300716.html
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データ利活用・共同開発と運用上のポイント

SXプラットフォームでは単なる機器貸与にとどまらず、最先端機器の共同開発や分析装置用のIoTパッケージ活用などを通じて、データの利活用や自動化の推進にも取り組む方針です。これにより、装置運用の効率化や遠隔モニタリング、稼働データに基づく保守予測といった付加価値の提供を目指します。

運用上は、大学側の会計制度や現場の運用実態に応じた柔軟な契約設計が重視されています。リース期間や残存価値設定の柔軟化、メーカーによる設置時研修や運用指導などを通じて、技術職員のスキル向上と装置の安定稼働を両立させる構成が検討されています。

また、本プラットフォームは岡山大学と日本電子のための専有プラットフォームではなく、わが国の研究基盤を支える重要な役割を担う広域的な仕組みとして設計されており、今後は他の研究機器メーカーや大学・研究機関等との連携を拡大していく計画が示されています。

項目 内容
プラットフォーム名 SX(シェアード・トランスフォーメーション)プラットフォーム
主催/共同 国立大学法人岡山大学(主導)・日本電子株式会社・オリックス・レンテック株式会社
発表・公表日 2025年11月17日(プレスリリース掲出)
キックオフ等開催日 実務者キックオフ:2025年9月18日、HP・早期加入打合せ:2025年10月14日
ウェビナー 2025年11月28日(金)16:30~17:30(岡山大学 × 日本電子共催)

案内:https://www.jeol.co.jp/events_seminars/seminars/20251128.13251.html
初年度加盟料金 本年度は加盟料金を免除(早期加盟促進策)
主なメリット 設置費・保守費・修理費・撤去費不要を基本、柔軟なリース条件、技術研修・運用支援、データ利活用・自動化の推進
問い合わせ先(代表) 岡山大学総合技術部 TEL:086-251-8802 E-mail:sougougijutsubu◎adm.okayama-u.ac.jp
関連事業 文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」

以上が、本プラットフォーム立ち上げに関する主要な内容と手続き上のポイントの整理です。発表資料やウェビナー、各種問い合わせ窓口の情報は公開済みのリンクでも確認できますので、導入検討や連携の意思がある法人・研究機関は各窓口を通じて詳細を確認することが推奨されます。

参考リンク: