チューリング、シリーズAで約153億円を調達 自動運転開発を加速

シリーズA資金調達

開催日:11月17日

シリーズA資金調達
いくら調達したの?
合計で152.7億円を確保しました。内訳は株式による97.7億円と、みずほ銀行をアレンジャーとするシンジケートローン55億円の組合せです。
その資金って何に使うの?
主にGPUなど計算基盤の拡充、実車検証や業務提携を含む社会実装に向けた事業体制の強化、そしてMLエンジニア中心の人材採用に充てられます。

シリーズA 1st Closeで確保した資金の内訳と使途

2025年11月17日11時、Turing株式会社(読み:チューリング、代表取締役:山本一成、本社:東京都品川区)は、シリーズAラウンドの1st Closeとして合計152.7億円の資金調達を完了したと発表しました。本ラウンドは、1倍非参加型優先株式による株式調達と、シンジケートローンによる融資の組合せで実施されています。

調達金額の内訳は、株式による調達が97.7億円、みずほ銀行をアレンジャーとする複数の銀行・金融系事業会社からのシンジケートローンが55億円です。これにより、完全自動運転の研究開発と社会実装準備に向けた資金基盤が強化されます。

チューリング、シリーズA 1st closeとして153億円の資金調達を実施 画像 2

資金の使途(詳細)

発表文によれば、調達した資金は主に以下の3点に充てられます。

  • 計算基盤の拡充:大規模AIモデルやE2E自動運転AIの学習・推論に必要なGPU等の計算リソースを強化。
  • 社会実装に向けた事業体制の強化:実車検証や業務提携、運用体制構築のための組織・ガバナンス整備。
  • 人材採用:特にML(機械学習)エンジニアを中心とした研究開発人材の積極採用。

これらの投資は、技術開発を加速させると同時に、実証・社会実装フェーズへの移行を見据えた事業性の強化を目的としています。

チューリングの技術戦略:E2E自動運転AIと大規模基盤モデル

チューリングは、環境認識、経路計画、運転制御までを単一のAIで完遂するE2E(End-to-End)自動運転AIの開発を中核に据えています。これに加え、人間社会の常識や背景、文脈理解を獲得した大規模基盤モデルの並行開発を行い、両者の統合によって「あらゆる条件下で車が人間に代わって運転操作を行う」完全自動運転の実現を目指しています。

プレスリリースでは、強化学習モデルやVLA(Very Large AI/大規模言語・視覚融合モデルに近い技術領域)などの詳細な研究領域が明示されており、次期GPU計算基盤も開発計画に含まれています。

研究開発の具体的な取り組み

技術領域として挙げられている主な項目とその位置付けは以下の通りです。

  1. E2E自動運転AI開発:センサー入力から制御出力までを一貫して学習し、複雑な運転タスクを遂行するためのモデル開発。
  2. 強化学習モデル開発:シミュレーションと実車データを用いた報酬設計と政策最適化による行動生成。
  3. VLAモデル開発:視覚・言語など複数モーダルを統合する基盤モデルの育成と、文脈理解能力の向上。
  4. 次期GPU計算基盤:学習速度向上および大規模モデル運用のためのインフラ投資。

これらの技術は相互に補完関係にあり、計算基盤やデータの充実と合わせて実運用に耐える高信頼性システムの構築を目指しています。

Turing AI Day 2025:発表内容と参加方法

Turing AI Day 2025は、12月1日(月)18時30分から20時15分にゲートシティホール大崎を会場に、オンラインとオフラインのハイブリッド形式で開催されます。本イベントでは、CEOの山本一成が今後の技術開発および事業展開戦略を発表し、各開発責任者が最新の開発進捗や技術詳細について報告します。

プログラムは技術説明からQAセッションまでを含み、開発中の主要テーマ(E2E自動運転AI、強化学習、VLA、次期GPU基盤等)が取り上げられる予定です。プログラムは変更される場合があると案内されています。

開催概要と申込方法

開催概要は次の通りです。会場参加は抽選制で、オンライン視聴も可能です。

名称 Turing AI Day 2025
日時 2025年12月1日(月)18:30 – 20:15
形式 オンラインとオフライン(ハイブリッド)
会場 ゲートシティホール大崎(東京都品川区大崎一丁目11−1 ゲートシティ大崎 ウエストタワー B1)
参加費 無料(会場参加は抽選制)

申込みは以下のフォームから行います。申込期限と当落連絡のスケジュールは明確に設定されています。

申込先
https://forms.gle/UHXGnDkKPRJonWXVA
申込期限
2025年11月27日(木)23:00までにフォームよりエントリー
当落連絡および視聴URL送付
2025年11月28日(金)中に、フォームで入力したメール宛に案内

投資家・金融機関一覧とチューリングの法人情報

本ラウンドの株式調達に参加した投資家および、融資に係る金融機関の名前はプレスリリースで詳細に公表されています。共同リードはJICベンチャー・グロース・インベストメンツとグローバル・ブレインです(共同リード以下はアルファベット順の記載)。

投資家リストと融資提供先を正確に列挙します。

株式調達に参加した投資家

以下の投資家が株式調達に参加しました(※共同リード、以下アルファベット順)。

  • JICベンチャー・グロース・インベストメンツ(共同リード)
  • グローバル・ブレイン(共同リード)
  • ANRI
  • Canon Marketing Japan MIRAI Fund
  • ちばぎんキャピタル
  • 大日本印刷
  • デンソー
  • ENEOSホールディングス
  • GMOインターネットグループ
  • 日揮みらいファンド
  • マーキュリアインベストメント
  • 三菱HCキャピタル
  • 三菱UFJキャピタル
  • 三井不動産 &イノベーションファンド
  • みずほキャピタル
  • 未来創造キャピタル(みずほリース株式会社CVC)
  • ソニーフィナンシャルベンチャーズ
  • Spiral Capital
  • 東急不動産ホールディングス
  • ウイング・キャピタル・パートナーズ
  • ヤンマーベンチャーズ
  • ゼンリンフューチャーパートナーズ
  • Z Venture Capital

融資(シンジケートローン)に参加した金融機関

みずほ銀行がアレンジャーを務め、以下の金融機関が融資に参加しています。

  • みずほ銀行(アレンジャー)
  • 静岡銀行
  • 商工組合中央金庫
  • りそな銀行
  • JA三井リース
  • 千葉銀行
  • 常陽銀行

投資家と金融機関の多様性は、技術、事業、産業面での連携可能性を示しており、実装フェーズに入る際のパートナー基盤としての意味合いがあると考えられます。

チューリング(Turing株式会社)の基本情報と採用情報

プレスリリースに記載された法人情報は以下の通りです。

会社名
Turing株式会社(読み:チューリング、英語表記:Turing Inc.)
所在地
東京都品川区大崎1丁目11−2 ゲートシティ大崎 イーストタワー4階
代表者
代表取締役 山本 一成
設立
2021年8月
事業内容
完全自動運転システムの開発
URL
https://tur.ing/

採用についても触れられており、特にMLエンジニアを中心とした積極採用を実施する旨が明記されています。採用ページやConnpassでのオープンオフィスやテックトーク等の案内も公開されています。

CEOコメントと発表日・まとめ表

CEOの山本一成は、プレスリリースで今回のシリーズA 1st Closeを「人類のグランドチャレンジ『完全自動運転』を次のフェーズへ進めるためのもの」と位置づけています。これまでの技術蓄積を基盤に、計算リソース、データ拡充、組織体制の強化を進め、技術と事業の両輪を本格的に回していく旨を述べています。

山本氏はまた、強力なエンジニアが集まっていること、引き続き優秀な人材を集めていく意志を示し、国産の完全自動運転を早期に社会に届けるために全力を尽くすとコメントしています。

以下に、本記事で取り上げた主要情報を整理した表を示します。

項目 内容
発表日時 2025年11月17日 11:00
調達総額(シリーズA 1st Close) 合計 152.7億円(株式 97.7億円、シンジケートローン 55億円)
株式共同リード JICベンチャー・グロース・インベストメンツ、グローバル・ブレイン
主な投資家 ANRI、Canon Marketing Japan MIRAI Fund、ちばぎんキャピタル、大日本印刷、デンソー、ENEOSホールディングス、GMOインターネットグループ、日揮みらいファンド、マーキュリアインベストメント、三菱HCキャピタル、三菱UFJキャピタル、三井不動産 &イノベーションファンド、みずほキャピタル、未来創造キャピタル(みずほリース株式会社CVC)、ソニーフィナンシャルベンチャーズ、Spiral Capital、東急不動産ホールディングス、ウイング・キャピタル・パートナーズ、ヤンマーベンチャーズ、ゼンリンフューチャーパートナーズ、Z Venture Capital(ほか)
融資参加金融機関 みずほ銀行(アレンジャー)、静岡銀行、商工組合中央金庫、りそな銀行、JA三井リース、千葉銀行、常陽銀行
資金使途 計算基盤の拡充、社会実装に向けた事業体制の強化、MLエンジニア等の人材採用
技術的重点領域 E2E自動運転AI、強化学習モデル、VLA(大規模基盤モデル)、次期GPU計算基盤
Turing AI Day 2025 2025年12月1日 18:30-20:15(オンライン/オフライン、会場:ゲートシティホール大崎)、申込期限:11月27日 23:00、申込フォーム:https://forms.gle/UHXGnDkKPRJonWXVA
会社情報(代表等) Turing株式会社(代表取締役:山本 一成)、設立:2021年8月、所在地:東京都品川区大崎1丁目11−2、URL:https://tur.ing/

本稿は、Turing株式会社が公表したプレスリリースの内容を基に、資金調達の内訳、資金使途、技術戦略、投資家・金融機関の構成、並びに開催予定のTuring AI Day 2025に関する詳細を整理して伝えたものです。公開された情報は上記の通りであり、イベントプログラム等は変更される可能性がある旨が案内されています。

参考リンク: