11/22に向け警鐘 夫婦の「サイレント保険」実態と対処法
ベストカレンダー編集部
2025年11月19日 15:37
夫婦のサイレント保険
開催日:11月22日
夫婦間に潜む「サイレント保険」──調査の背景と実施概要
2025年11月22日の「いい夫婦の日」を前に、株式会社モニクルフィナンシャルが運営する保険比較・見積サービス「ほけんのコスパ」は、既婚男女487名を対象に「夫婦の生命保険についての意識調査」を実施しました。プレスリリースは2025年11月19日13時00分に公開されています。
本章では調査の目的や実施方法、対象などの基本情報を整理します。調査は短期間で実施されているため回答時点の状況を示すものであり、夫婦の日に合わせた啓発的な意図があることにも留意してください。
調査の基本情報
以下は調査の要点です。調査対象や期間、調査方法などを明確に示すことで、結果の読み取りに必要な前提を提示します。
- 調査名:夫婦の生命保険についての意識調査
- 調査主体:株式会社モニクルフィナンシャル
- 調査対象:既婚男女487名
- 調査期間:2025年10月3日〜2025年10月4日
- 調査方法:クロス・マーケティングのQiQUMOを利用した調査
調査結果は調査期間中の回答に基づくもので、集計やクロス集計の方法によりさまざまな切り口で分析可能です。以降の章では公開された数値を元に主要な所見を丁寧に解説します。
調査結果の要点と「サイレント保険」の定義
本調査で最も注目すべき点は、配偶者の死亡保険について「わからない」と回答した人が男女ともに約14%存在したことです。調査はこのように家族に共有されていない保険を「サイレント保険」と命名し、潜在的なリスクとして整理しています。
以下ではデータを細かく確認し、どのような状況が「サイレント保険」を生むのかを明確にします。
「加入状況がわからない」層の存在
質問「あなたの配偶者は、現在、死亡保険に加入していますか」に対して、『わからない』と答えた割合は男性14.6%、女性13.7%でした。これらは単純な無回答や記憶の曖昧さだけでなく、実際に配偶者が加入しているにもかかわらず情報が共有されていない可能性を示しています。
こうした状態は、万が一の際に保険金請求が行われないリスクや、家族が手続きに時間を要するリスクを生みます。保険契約は契約者本人のみならず、受取人や家族にとっても重要な情報となるため、放置は望ましくありません。
具体的な実態:伝えたつもりと実際に伝わっていることのギャップ
調査では「自分の保険内容を配偶者に伝えているか」を確認したところ、男性84.4%、女性84.7%が『詳しく伝えている』または『大まかには伝えている』と回答しました。一方で、受け手の把握状況は必ずしも一致していません。
ここからは、具体的な項目別の把握状況を示し、どの情報が届いていないのかを掘り下げます。
保険証券の保管場所と受け取れる保険金の把握
夫の保険証券の保管場所について女性が『詳しく知っている』と回答した割合は58.0%でした。逆に言えば42.0%の女性は保険証券の場所を正確に把握しておらず、内訳は『聞いたことはあるが覚えていない』が23.7%、『全く知らない』が18.3%です。
受け取れる保険金の金額についても女性の53.4%が『覚えていない』または『全く知らない』と答えています。これらの数字は、情報伝達の「質」と「保持」が不十分であることを示しています。
- 伝えたつもりの割合
- 男性84.4%、女性84.7%(保障内容を「伝えた」とする回答の合計)
- 保険証券の保管場所(女性の把握)
- 詳しく知っている:58.0%、覚えていない:23.7%、全く知らない:18.3%
- 受け取れる保険金の把握(女性)
- 覚えていないまたは全く知らない:53.4%
話し合いの実態とその理由、企業からの示唆に基づく確認手順
生命保険について夫婦で話し合うかどうかの問いでは、『ほとんど話し合ったことはない』『全く話し合ったことはない』を合わせると男女ともに過半数(52.6%)が「話し合っていない」と回答しました。話し合いが行われていない理由としては「きっかけがない」が最多でした。
調査では「縁起が悪いから」といったタブー視は少数派であり、話題を避ける理由は主に実務的な「きっかけ不足」であることが示されています。
話し合わない理由の内訳
主な理由と割合は次の通りです。
- 話すきっかけがない:男性24.4%、女性28.1%
- 死や病気など縁起が悪いから:男性3.7%、女性5.8%
この結果から、保険についての情報共有は意図的な拒否ではなく、日常の会話の中で自然に触れられていないことが要因であると考えられます。
「ほけんのコスパ」担当コメントの要点
リリース内の担当者コメントでは、夫婦間のコミュニケーション不足が「サイレント保険」という静かなリスクを生んでいる可能性があることが示されました。具体的には、もしものときに家族が書類を探すだけで手続きが遅れる点や、保障の見直し機会が失われることで将来的に必要な保障が切れるリスクなどが指摘されています。
担当者は、まずは配偶者に一言声をかけることから始めるべきだと述べており、簡単な確認行動が将来のトラブル回避につながることを示唆しています。また、本調査に基づくコンテンツも公開されている旨が案内されています。
調査で示された事実の整理と重要項目の一覧
ここまでの内容を主要な数値とともに整理し、読者が短時間で本調査の要点を把握できるように表形式でまとめます。調査全体の信頼性は調査主体と期間、対象数などの情報から判断してください。
以下の表は本記事で触れた主要な事実を簡潔に示したものです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査主体・発表 | 株式会社モニクルフィナンシャル(プレスリリース日:2025年11月19日 13:00) |
| 調査名・対象・期間 | 夫婦の生命保険についての意識調査/既婚男女487名/2025年10月3日〜10月4日 |
| 調査方法 | クロス・マーケティング QiQUMOを利用 |
| 「加入状況がわからない」割合 | 男性14.6%、女性13.7%(配偶者の死亡保険の加入状況が不明) |
| 保険内容を「伝えたつもり」 | 男性84.4%、女性84.7%(保障内容を伝えたとする割合) |
| 保険証券の保管場所を「詳しく知っている」 | 女性:58.0%(聞いたことはあるが覚えていない23.7%、全く知らない18.3%) |
| 受け取れる保険金の把握(女性) | 覚えていないまたは全く知らない:53.4% |
| 保険について話し合わない割合 | 過半数(52.6%)が『ほとんど話し合ったことはない/全く話し合ったことはない』 |
| 話し合わない主な理由 | 話すきっかけがない:男性24.4%、女性28.1%/縁起が悪い:男性3.7%、女性5.8% |
| 関連サービス・URL | ほけんのコスパ:https://hokencospa.jp/ / コーポレート:https://moniclefinancial.co.jp/ |
| 企業情報(概要) | 株式会社モニクルフィナンシャル、代表取締役CEO 原田慎司、本社:東京都千代田区一番町21 一番町東急ビル7階、設立:2018年11月27日、資本金:9億8380万円 |
本表は、本調査が示した主要な事実を整理したものです。調査結果は夫婦間の情報共有の現状を可視化しており、保険契約の内容や書類の所在、受取金額などの具体的情報が共有されていないケースが一定数存在することが確認されました。
保険は契約者本人だけで完結するものではなく、家族に影響する金融商品です。調査結果を踏まえ、まずは保険証券の保管場所や受取人、受取金額などの基本情報を確認し、必要に応じて保障内容の見直しや書類の整理を検討することが望ましいと考えられます。