12月8日開幕 日本橋で福島4町の復興スイーツ展 限定販売
ベストカレンダー編集部
2025年11月20日 13:23
ふくしまスイーツフェア
開催期間:12月8日〜12月12日
東京・日本橋で5日間開催される「ふくしまスイーツフェア」の全容
福島県の4町(大熊町、富岡町、楢葉町、広野町)と産経新聞社は、各町が特産品として栽培に取り組む果実や作物を使った土産用スイーツを販売する「ふくしまスイーツフェア」を、2025年12月8日(月)から12日(金)までの5日間、東京都中央区の「日本橋ふくしま館 MIDETTE(ミデッテ)」で開催します。
本フェアは、高校生によるスイーツ開発コンテスト「スイーツ甲子園 ふくしまチャレンジカップ」と連動した企画で、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興支援を目的としています。出品される商品はいずれも各町の特産品を活かした土産向けの菓子で、監修やアドバイスには著名パティシエらが参加しました。
開催日時と会場のポイント
開催期間は5日間で、平日のみの実施です。会場となる「日本橋ふくしま館 MIDETTE」は東京都中央区に位置し、観光客やビジネスで訪れる人々にもアクセスしやすい場所にあります。販売される商品の多くは土産用として開発されたため、都内での販売機会が限定される地域特産の味を知る場として位置付けられています。
本イベントは、広報や販売の場としてだけでなく、復興に向けて栽培を再開・拡大している各町の取り組みを紹介する機会でもあります。会場では商品説明や開発経緯が伝えられ、購入を通じて生産者支援につながる構成となっています。
- 開催期間:2025年12月8日(月)〜12日(金)
- 会場:日本橋ふくしま館 MIDETTE(東京都中央区)
- 主催:福島県大熊町、富岡町、楢葉町、広野町、産経新聞社(連動企画)
出品される4つのスイーツと販売情報
フェアで販売される商品は、各町の特産品を用いて高校生らのレシピ開発を経て商品化された4種類です。商品ごとに製造・販売元、内容量、税込価格が明示されています。
以下に、商品名、産地、内容、価格、販売元、加えて各商品の特徴や開発に関わった人物や団体の情報を具体的に示します。
| 商品名 | 産地 | 内容量・価格(税別表記なし、税込) | 販売元 |
|---|---|---|---|
| シカクイ キウイ | 大熊町 | 6個入り・税込1934円 | Refruits(リフルーツ) |
| めひかり果実チョコ 富岡パッションフルーツ | 富岡町 | 10個入り・税込1836円 | いわきチョコレート |
| ならはのひとくち焼いも | 楢葉町 | 100g・税込490円 | 楢葉町特産品開発センター |
| バナボー | 広野町 | 5個入り・税込200円 | 広野町振興公社 |
各商品の特徴と開発背景
各商品は単なる土産菓子にとどまらず、地元での栽培や加工の取り組み、資源の有効活用、地域の若者の参画といった要素が含まれています。以下で個別に説明します。
- シカクイ キウイ(大熊町)
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「ReFruits(リフルーツ)」が開発。大熊町の住民有志「おおくキウイ再生クラブ」が栽培したキウイを使用し、台湾土産のパイナップルケーキをイメージした設計です。キウイ果肉を砂糖で煮詰めたあんをバターを練りこんだクッキー生地で包むことで、キウイの酸味と甘味のバランスを楽しめます。
リフルーツ代表の原口拓也氏は「日本一のキウイ農家を目指している。地域を代表するお土産品にしていきたい」と述べています。
- めひかり果実チョコ 富岡パッションフルーツ(富岡町)
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富岡町でパッションフルーツを栽培する「サン・クリーン」と、福島県いわき市の「いわきチョコレート」が商品化。魚のメヒカリの形を模したビターチョコレートでパッションフルーツのキャラメルを包んでおり、甘酸っぱさとフルーティーな香りが特徴です。
チャレンジカップの審査員を務める「パティシエ・シマ」(東京都千代田区)島田徹オーナーシェフが監修を担当し、サン・クリーンの髙橋雅裕会長は「丹精込めて育てたパッションフルーツのおいしさが詰まっている」と話しています。
- ならはのひとくち焼いも(楢葉町)
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楢葉町特産品開発センターが商品化した一口サイズの焼き菓子です。楢葉町で栽培が進むサツマイモをペースト化し、生地に練り込むことで干し芋製造時の端材を有効活用しました。サツマイモの甘さと滑らかな食感を活かした設計になっています。
同センターの片山利夫センター長は「焼き芋のように、みんなに愛されるお菓子にしていきたい」とコメントしました。商品開発には「アンヴデット」(東京都江東区)オーナーシェフの森大祐氏がアドバイスで関わりました。
- バナボー(広野町)
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広野町振興公社が栽培するバナナ(正式名称は長いが愛称「綺麗(きれい)」)を用いた菓子です。福島県立ふたば未来学園高校の生徒と、チャレンジカップの審査員であるパレスホテル東京のシェフショコラティエ小林美貴氏が共同で開発しました。
フリーズドライ加工したバナナを生地に練り込み、口溶けの良さとバナナの素材の濃厚さを活かす工夫がされています。広野町振興公社は特殊技術「凍結解凍覚醒法」などを用いてバナナ栽培に成功しており、甘味とクリーミーさが特徴です。
各町の特産品復興の経緯と地域の取り組み
出品される各商品は、震災や原発事故後の復興過程で生まれた新たな挑戦から生まれています。ここでは大熊町、富岡町、楢葉町、広野町それぞれの栽培再開や新規栽培の経緯を整理します。
地域の事情や栽培技術、民間・行政の連携など、復興を背景にした取り組みの詳細を挙げます。各町とも栽培や加工、販売まで段階を踏んで進めている点が共通しています。
大熊町(キウイ)の取り組み
震災前の大熊町には約60軒の果樹農家があり、キウイは家庭でも広く栽培され町の特産でした。しかし、全町避難によりキウイ栽培は途絶えました。2019年4月に一部避難指示が解除され、同年12月に有志が「おおくまキウイ再生クラブ」を立ち上げ、2020年春に18本の苗木を植えるなど復活に向けた歩みを進めています。
クラブの圃場では毎年開花と収穫を迎え、若い世代の新規就農も見られるなど、キウイ復活の取り組みは継続しています。リフルーツはこうした地元生成の果実を用い、地域を代表する土産品化を目指しています。
富岡町(パッションフルーツ)の取り組み
富岡町では2020年に「サン・クリーン」がパッションフルーツ栽培を開始しました。夜の森の桜並木で知られる気候を利用し、手作業での受粉や有機栽培に取り組み、南国果実ながら東北で栽培する工夫を重ねています。
髙橋雅裕会長は栽培開始から品質向上を目指し、加工品の販売にも力を入れており、富岡町役場と連携して『富岡町のパッションフルーツ』として売り込む活動を進めています。こうした努力が、チャレンジカップや今回のフェアでの商品の原材料につながっています。
楢葉町(サツマイモ)の取り組み
楢葉町は2017年に試験栽培を開始して以降、サツマイモの栽培面積を拡大し、新ブランド「ふくしまゴールド」などを手掛ける動きが出ています。白ハト食品工業が設立した「福島しろはとファーム」など企業の参入によって本格的な生産が進んでいます。
楢葉町特産品開発センターでは製造工程の端材を有効活用するなど資源循環にも配慮した商品化を進めており、今回の「ならはのひとくち焼いも」はその具体例です。Jヴィレッジを抱える町として、観光やイベントとの連携も進められています。
広野町(バナナ)の取り組み
広野町は復興のシンボルとしてバナナ栽培に挑戦し、広野町振興公社が中心となって栽培と商品化を進めています。苗に対する特殊な処理(「凍結解凍覚醒法」)や園芸ハウスの環境整備により、温暖な地域でないにもかかわらず高品質なバナナの生産に成功しました。
愛称「綺麗(きれい)」と名付けられたバナナは糖度が高くクリーミーな味わいが特徴で、地域の高校生や専門家と連携して加工品づくりに取り組んでいます。今回の「バナボー」は生徒とショコラティエの共同開発による成果です。
スイーツ甲子園 ふくしまチャレンジカップの位置づけと貢献
「スイーツ甲子園 ふくしまチャレンジカップ」は「スイーツの力で福島を応援」をテーマに、福島県の特産品を使ったスイーツレシピを高校生が競うコンテストです。産経新聞社が主催する高校生パティシエの全国大会「スイーツ甲子園 高校生パティシエNo.1決定戦」の姉妹コンテストとして生まれました。
応募レシピは大熊町のキウイ、富岡町のパッションフルーツ、楢葉町のサツマイモ、広野町のバナナのいずれかを使うことが条件で、決勝大会は福島県のサッカー施設「Jヴィレッジ」で行われます。審査の結果、大熊町賞、富岡町賞、楢葉町賞、広野町賞の4賞が決定し、受賞者は審査員を務める著名パティシエと共同でスイーツを商品化する権利を得ます。
開発されたスイーツは、東京・代々木公園で開催される「ふくしまスイーツフェスティバル」で販売されるなど、コンテストを通じた商品化から販売までの流れが整えられています。今回の「ふくしまスイーツフェア」はその流れの一環として位置づけられます。
- コンテストのテーマ:「スイーツの力で福島を応援」
- 決勝会場:Jヴィレッジ(福島県)
- 受賞特典:著名パティシエと共同でスイーツを開発する権利
- 商品販売の場:代々木公園の「ふくしまスイーツフェスティバル」等
まとめ(出品商品とイベント情報の整理)
以下の表に、本フェアで販売される商品と会期・会場、関係者など主要情報を整理しました。記事本文で触れた各町の栽培経緯や開発の背景を踏まえ、販売・購入を通じて地域の復興支援や特産品認知につながる構成になっています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| イベント名 | ふくしまスイーツフェア(「スイーツ甲子園 ふくしまチャレンジカップ」連動企画) |
| 開催期間 | 2025年12月8日(月)〜12日(金) |
| 会場 | 日本橋ふくしま館 MIDETTE(東京都中央区) |
| 主催 | 大熊町、富岡町、楢葉町、広野町、産経新聞社 |
| 販売商品(4点) | シカクイ キウイ(大熊町)6個入り・税込1934円・Refruits めひかり果実チョコ 富岡パッションフルーツ(富岡町)10個入り・税込1836円・いわきチョコレート ならはのひとくち焼いも(楢葉町)100g・税込490円・楢葉町特産品開発センター バナボー(広野町)5個入り・税込200円・広野町振興公社 |
| 関係者(開発・監修等) | ReFruits(原口拓也)、サン・クリーン(髙橋雅裕)、楢葉町特産品開発センター(片山利夫)、広野町振興公社、福島県立ふたば未来学園高校、生徒、パティシエ監修(島田徹、森大祐、小林美貴 他1名) |
| コンテスト(関連) | スイーツ甲子園 ふくしまチャレンジカップ(高校生対象)・決勝:Jヴィレッジ・受賞者は著名パティシエと共同で商品開発 |
上表の通り、本フェアは商品ごとに地域の栽培再開や新規栽培の成果、加工や資源活用の工夫、若者や事業者の参画といった複数の要素が結びついています。販売は12月8日からの5日間で、会場での商品説明や背景紹介を通じて各町の取り組みを理解できる機会となります。