空庵が漁協と連携 蒋渕岩牡蠣の継承と体験観光を推進
ベストカレンダー編集部
2025年11月25日 13:30
蒋渕岩牡蠣連携協定締結
開催日:11月25日
蒋渕の岩牡蠣を守る、地域と企業の三位一体の取り組み
地域イノベーションを専門とするスタートアップ、株式会社空庵(本社:愛媛県宇和島市、代表取締役:濵村誠)は、2025年11月25日付の発表で、愛媛県漁業協同組合うわうみ支所蒋渕事業所および岩牡蠣生産組合と「蒋渕岩牡蠣事業の持続的発展に向けた連携協定」を締結したと公表しました。締結の背景には、蒋渕の岩牡蠣産業が抱える担い手不足と技術・文化の継承の必要性があります。
本協定は、養殖事業の承継準備、観光や体験コンテンツの開発、さらには防災に資する加工食品の開発といった複数の軸を同時に進めることを特徴としています。地域の資源とノウハウを組み合わせ、持続可能な事業モデルを構築する狙いが明示されています。
協定の目的と位置付け
協定は三つの主要目的を掲げています。ひとつは蒋渕岩牡蠣事業の継続・発展、ふたつめは技術・ノウハウの次世代への承継、みっつめは観光・商品開発・防災などの新たな価値創造です。これらを同時に実現することで、産業維持と地域活性化を図ることが意図されています。
蒋渕は宇和海の豊かな海域に育まれた岩牡蠣の産地であり、地域の営みの中で蓄積された技術や文化が存続可能であるかが課題とされていました。本協定は、地域側の技術提供とデータ共有、企業側の設備投資と販路開拓を組み合わせた実行計画を打ち出しています。
現場での実施計画と担い手育成の仕組み
協定に基づき、空庵は岩牡蠣の種苗・稚貝育成のための設備整備を行います。漁協や生産組合は、これまで蓄積された技術や生産データを提供し、支援体制を構築します。最終的には、岩牡蠣生産組合が担ってきた養殖事業を次世代へ継承するための事業移行方法について協議を進めます。
担い手の確保と育成では、空庵が都市部からの移住者を承継人材として現場へ派遣し、生産組合が現場で実地の技術指導を行う仕組みを整備します。これによりニーズのある仕事と地域の技術伝承を結び付けることが目指されています。
販売・流通面の戦略
販売面では、漁協が空庵へ一次卸として岩牡蠣を提供し、空庵が独自の販路を開拓することで販売単価の引き上げと地域産品の価値向上を目指します。生産側と流通・販促側の役割分担を明確化することで、付加価値の創出を図る方針です。
また、地域内での加工や商品化を進めることで、付加価値の高い商品を都市圏へ提供するモデル構築が想定されています。空庵はこの販路構築を通じて生産物の安定的な需要創出を目指します。
体験観光と商品開発、フェーズフリー防災食の展開
空庵は蒋渕地域の自然や営みをまるごと体験できる旅行コンテンツを開発します。体験内容には、岩牡蠣の種苗づくりや稚貝育成、養殖作業の体験のほか、蒋渕の海辺にある「GO-HIGHTAKA(ゴーハイタカ)キャンプ場」での滞在も含まれます。
さらに、岩牡蠣を使った商品開発プロセスに参加できるプログラムや、イベント販売、レストランでのアレンジレシピ提案体験などを組み合わせ、産業・観光・体験を掛け合わせた産地参加型のコンテンツとして展開する計画です。
防災レトルトシリーズと物産展での販売
空庵は「フェーズフリー(普段使いできる防災食)」をコンセプトに、美味しさを重視した常温保存可能なレトルトシリーズの開発を進めています。既に、真鯛の未利用部位を活用した常温保存アヒージョ等を製品化しています。
これらの製品は2025年11月26日から28日に東京・大手町プレイスで開催される「宇和島市・千曲市の姉妹都市フェア」と共同開催される物産展で、都市住民向けに販売されます。物産展では岩牡蠣の提供は行われませんが、宇和島のみかんの試食が可能で、その場で試食の上、ECで産地直送による購入ができます。
購入プロセスと移動・地域の課題への対応
物産展会場での購買モデルは「手ぶら購入型」を掲げています。来場者はカード情報等を登録することなく対面決済を行い、商品は産地から自宅へ直送されます。こうした仕組みにより都市部の消費者が手軽に地域産品を入手できる新たな購買体験を提供します。
また、協定に関連して空庵はローカルモビリティの開発も検討しており、蒋渕への観光来訪者だけでなく地域住民の市内移動を支援することで「交通空白」の解消を図る意向を示しています。これにより、観光・産業・生活の連携が一層進むことが期待されます。
代表取締役 濵村誠によるコメント
発表では株式会社空庵 代表取締役の濵村誠氏のコメントが掲載されています。濵村氏は、蒋渕の岩牡蠣が地域の人々によって守られてきた宝であること、今回の協定で技術承継、観光、加工品開発、防災レトルトなど多方面で価値づくりを進めることを述べています。
また、物産展の会場で取り組みの展示・説明を行っている旨が伝えられており、濵村氏はローカルモビリティの開発を通じた交通空白の解消と地域創経済の発展への貢献も言及しています。
関連情報、問い合わせ先と本件の整理
本件に関する問い合わせ先は株式会社空庵(担当:溝脇)で、所在地は愛媛県宇和島市石応1616です。問い合わせは同社のWebフォーム(https://ku-an.co.jp/contact/)を通じて行えます。プレスリリースには関連リンクとして、東京・大手町プレイスでの物産展に関する市の案内ページが示されています(https://www.city.uwajima.ehime.jp/event/branding/otemachiplace-zenkokubussanten2025.html)。
加えて、プレスリリース素材として同発表に使用された画像ファイルのダウンロード提供がある旨も明記されています。ビジネスカテゴリは農林・水産および政治・官公庁・地方自治体、キーワードとして防災、物産展、フェーズフリー、養殖、漁業、地域創生、地方創生、6次産業化、愛媛県、宇和島市等が挙げられています。
以下の表は、この記事で取り上げた主な項目を整理したものです。協定の要点、関係者、実施予定の主な施策、イベント情報、問い合わせ先をまとめています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表日 | 2025年11月25日 08:50(株式会社空庵の発表) |
| 協定当事者 | 株式会社空庵 / 愛媛県漁業協同組合うわうみ支所蒋渕事業所 / 岩牡蠣生産組合 |
| 協定の目的 | 蒋渕岩牡蠣事業の継続・発展、技術・ノウハウの承継、観光・商品開発・防災を組み合わせた価値創造 |
| 主な施策 | 種苗・稚貝育成設備の整備、都市部からの移住者派遣による承継人材育成、販路開拓、体験観光コンテンツ開発、防災レトルト製品開発 |
| 体験コンテンツ例 | 種苗づくり、稚貝育成、養殖作業体験、GO-HIGHTAKAキャンプ場での滞在、商品開発プロセス参加、イベント販売・レシピ提案体験 |
| 防災食品(フェーズフリー) | 真鯛の未利用部位を活用した常温保存アヒージョ等を製品化済み。蒋渕岩牡蠣を活用したシリーズ追加を計画 |
| 物産展 | 宇和島市・千曲市の姉妹都市フェア(東京・大手町プレイス) 2025年11月26日〜28日。岩牡蠣は提供無し、みかんの試食とその場でのEC注文・産地直送を実施 |
| 購買モデル | 手ぶら購入型:会場で試食・対面決済 → 商品は産地から自宅へ直送(カード情報等の事前登録不要) |
| 問い合わせ先 | 株式会社空庵(担当:溝脇) 所在地:愛媛県宇和島市石応1616 Webフォーム:https://ku-an.co.jp/contact/ |
| 関連リンク | 大手町プレイス物産展の案内(宇和島市) |
この記事では、協定の目的、実施計画、体験観光や防災食の開発、物産展での販売方式、問い合わせ先など、プレスリリースに含まれるすべての情報を整理して伝えました。関係者の役割分担や今後の製品展開、都市と地域をつなぐ購買モデルの仕組みについても明示しています。
参考リンク: