学生とFMVが開発、和紙×PCケース来春発売

和紙×PCケース開発

開催日:11月25日

和紙×PCケース開発
いつ発売されるの?
発表は2025年11月25日で、製品は来春に数量限定で発売予定。具体的な発売日は未定で、決定次第FMV公式SNSや小国和紙生産組合のオンラインショップで告知されます。
和紙のケースって丈夫なの?
丈夫な「強制紙」を採用し、内側はキルト生地でクッション性を確保。試作で剥離や結び目の引っかかりなどの課題を改良し、日常使用に耐える仕様を目指しています。

長岡の伝統と大学の創造力が出会った「和紙×PCケース」プロジェクト

富士通クライアントコンピューティング株式会社(以下、FCCL)は、学生のがんばる時間を応援する取り組み「GOOD CAMPUS LIFE Project」第2弾として、長岡造形大学と小国和紙生産組合と協働した「和紙×PCケース」を発表しました。発表は2025年11月25日11時30分に行われています。

本プロジェクトは、伝統的な和紙素材の新たな活用可能性を探ると同時に、学生の学びの場を設計することを目的としています。関係者は、素材の特性理解から試作・製品化に至るまでの過程を重ね、来春に数量限定で販売する計画です。

本件の主な関係主体は次の通りです。

  • 富士通クライアントコンピューティング株式会社(FCCL)(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長:大隈健史)
  • 長岡造形大学(所在地:新潟県長岡市、学長:平山育男)
  • 小国和紙生産組合(所在地:新潟県長岡市、小国地域で伝統の「小国紙」を継承)
学生のがんばる時間を応援する「GOOD CAMPUS LIFE Project」Vol.2 長岡造形大学と挑む「和紙×PCケース」発表 画像 2

開発プロセス:現場で学び、描き、形にする五段階の流れ

プロジェクトは学生が素材に直接触れて理解を深める段階から始まり、複数の試作を経て製品化を目指す五段階のプロセスで進行しました。学生と地元生産者、FCCLデザイナーの協働により、素材の利点と課題を並行して洗い出す試みが行われています。

以下で各ステップを順に整理します。各ステップでは学生の学びや問題発見・改善のサイクルが重視され、デザイナーからのフィードバックも繰り返し反映されました。

学生のがんばる時間を応援する「GOOD CAMPUS LIFE Project」Vol.2 長岡造形大学と挑む「和紙×PCケース」発表 画像 3

工房見学からアイデアスケッチまで

STEP①の工房見学では、学生が小国和紙生産組合の工房を訪問し、和紙の原料である楮(コウゾ)や雪を活かした製法、和紙の軽さ・強度といった特性の説明を受け、実際に手で触れて確認しました。

STEP②では、学んだ知見をもとに多様なアイデアスケッチを制作し、FCCLのデザイナーからのフィードバックを通じて表現の方向性や実現可能性を検討しました。ここでの目的は、伝統素材の特性をデザインにどう取り込むかを具体化することでした。

学生のがんばる時間を応援する「GOOD CAMPUS LIFE Project」Vol.2 長岡造形大学と挑む「和紙×PCケース」発表 画像 4

立体試作から最終プレゼン、そして製品化試作へ

STEP③の立体試作では、スケッチを立体モデルに落とし込む過程で新たな課題(形状や構造上の改善点)が明らかになり、それをもとに再度デザインをブラッシュアップしました。実物化することで見える運用上の配慮や耐久性に関する観点が増えました。

STEP④の最終プレゼンでは、学生がデザイン性・機能性・素材活用度を審査され、2案が製品化に向けた試作ステップへ進みました。STEP⑤の製品化試作では、選出された2案を基に小国和紙生産組合とFCCLが共同で本制作を開始し、現在は1案に絞り込んで最終調整が進行中です。

STEP① 工房見学
和紙の原料・製法の理解、材質の体感(軽さ・丈夫さ)
STEP② アイデアスケッチ
多様な案の作成とFCCLデザイナーによる評価・助言
STEP③ 立体試作
スケッチのモデル化による課題抽出と改善
STEP④ 最終プレゼン
デザイン性・機能性を踏まえた審査の実施、2案選出
STEP⑤ 製品化試作
小国和紙生産組合とFCCLの共同制作、現在は1案に絞込み中

製品仕様と販売に関する具体的情報

製品化が進められているPCケースは、和紙の特性を活かしながら日常使用に耐える仕様となっています。使用する和紙は強度と耐久性に優れた「強制紙」を採用しており、形状や内部構造についても実用性が検討されています。

販売に向けたポイントや仕様の詳細は以下のとおりです。

  • 素材:強度と耐久性に優れた「強制紙」を使用
  • 開閉・携行:両端の布を風呂敷のように結んで使う方式のほか、結ばずにスナップボタンで留める方式も可能
  • 内装:内側は3つの収納エリアに分かれ、パソコン収納部にはクッション性のあるキルト生地を採用
  • 用途:A4書類やタブレットなど、パソコン以外のアイテムもまとめて持ち運べる仕様
  • 販売方法:小国和紙生産組合オンラインショップにて数量限定で販売予定
  • 販売時期:来春(具体的な発売時期は決定次第、FMV公式SNS等で告知)
現状の工程 備考
1案に絞り込み、製品化に向けた最終調整中 学生の試作品を起点に小国和紙生産組合とFCCLが共同で改良

関係者の声とプロジェクトの位置づけ

プロジェクトには長岡造形大学の学生や小国和紙生産組合の担当者が参加し、素材理解とデザイン実践を通じて学習と改良が進められました。以下はプレスリリースに含まれる関係者のコメントです。

発言は所属と役職を明示して紹介します。

長岡造形大学 学生代表:奥野 杜音(デザイン学科3年)
「私は、今回初めて小国和紙に触れました。強度も汎用性も素晴らしいものでした。製造過程を解説していただき、手に取るだけではわからない面白さを体感しました。この面白さを活かしてデザインに落とし込む作業はとても勉強になりました。」
長岡造形大学 学生代表:田代 あい(デザイン学科1年)
「私がこのプロジェクトに参加して得られたことは、作品のテーマ性と実現性を両立することです。私の『新しい形で伝統を受け継ぐ』というテーマの基、実際に使う人を想定した案のブラッシュアップは苦労しましたが、とてもいい経験になりました。ありがとうございました。」
小国和紙生産組合 代表:今井 千尋 様
「小国和紙は、新潟県長岡市小国地域で江戸初期より受け継がれてきた伝統の紙です。良質な繊維がとれる楮(コウゾ)のみを原料とし雪を活かした製法は国の無形文化財に指定されています。とても丈夫で縫製も可能な特性を生かしこれまでドレスや鞄など様々なものを制作してきました。今回、学生のアイデアを製品化に向けてブラッシュアップする過程では、和紙の剝離を防ぐための構造見直しや、鞄への出し入れ時に結び目が引っかかるという課題の解消など、より実用性を高める改良を行っています。時間のかかる工程もありますが、とても楽しい作業でした。」

プロジェクトの位置づけとしては、コロナ禍を経て変化した学生生活に寄り添う取り組みの一環です。これまでの活動は次のとおりです。

  1. Vol.0:大学生1,000人を対象にした『令和大学生のモヤトリアム調査』の発表
  2. Vol.1:早稲田大学 繊維研究会と共同でPC作業をサポートする「CAMPUS WEAR」を共同開発
  3. Vol.2:本件、長岡造形大学・小国和紙生産組合との「和紙×PCケース」開発

関連のウェブ情報については、FMV公式の各種SNSや特設サイト、小国和紙生産組合のオンラインショップなどで発信される予定です。関連リンクの一例は以下です。

項目 内容
発表日 2025年11月25日 11時30分
発表者 富士通クライアントコンピューティング株式会社(代表取締役社長:大隈健史)
プロジェクト名 GOOD CAMPUS LIFE Project Vol.2「和紙×PCケース」
協働先 長岡造形大学(新潟県長岡市)、小国和紙生産組合(新潟県長岡市)
製品の主な特長 強制紙を使用した高耐久和紙素材、風呂敷風の布結びまたはスナップ留め、内側は3つの収納エリア・キルト生地のクッション性
販売方法 小国和紙生産組合オンラインショップにて数量限定販売予定。販売時期は来春(詳細はFMV公式SNSで告知)
現状 学生の試作品を基に共同で試作を実施。2案から1案に絞り込み、製品化に向けた最終調整中
関連情報 FMV公式X、FMV公式Instagram、GOOD CAMPUS LIFE Project特設ページ、小国和紙生産組合サイト等

この記事では、FCCLによる「GOOD CAMPUS LIFE Project」第2弾の発表内容と、長岡造形大学・小国和紙生産組合との協働による開発プロセス、製品の仕様・販売予定、関係者の発言を整理して伝えました。和紙という伝統素材を学生の創造力と結びつける試みが、具体的な製品開発の形で前進している事実を確認できる内容です。

参考リンク: