12月4日実施|奈良で高校生向け闇バイト没入授業
ベストカレンダー編集部
2025年11月26日 13:58
闇バイト対策授業
開催日:12月4日
高校生全員を対象にした没入型ワークショップが奈良で実施される
増え続ける若年層の犯罪関与を抑止するため、慶應発ベンチャーの株式会社Classroom Adventureは、奈良県警察本部および公益財団法人奈良県暴力団追放県民センターと協力し、奈良県立大学附属高等学校にて「闇バイト」対策の没入型授業を実施します。実施日は令和7年12月4日(木)、時間は午前11時00分から午後0時30分までと発表されています。
会場は奈良市六条西3丁目24番1号、奈良県立大学附属高等学校 体育館です。プレスリリースでは対象を「全校生徒約490名」と表記するとともに、参加者欄では在籍する全生徒494名と明記されています。実施当日はワークショップ形式の体験教材「レイの失踪」を用いた学習と、奈良県警察担当者による講話が行われます。
実施日時・場所・対象の詳細
本授業の実施日時は令和7年12月4日(木)11:00〜12:30です。学校体育館を会場に、ワークショップと講話を組み合わせて行う設計です。
住所は奈良市六条西3丁目24番1号。対象は奈良県立大学附属高等学校の全生徒で、プレスリリースには「約490名」との表現と、在籍数として「494名」が併記されています。学校規模に応じた一斉実施型のプログラム運営が予定されています。
- 実施日:令和7年12月4日(木)
- 時間:11:00〜12:30
- 場所:奈良県立大学附属高等学校 体育館(奈良市六条西3丁目24-1)
- 対象:全校生徒(約490名/在籍494名)
奈良県に迫る「闇バイト」の脅威と現状
近年、SNSや求人アプリでの勧誘により若者が強盗や特殊詐欺の実行役として巻き込まれる事案が社会問題化しています。奈良県警の発表によれば、令和6年中の特殊詐欺の認知件数は270件、被害総額は約13億4,340万円となり、前年に比べて被害件数は40件、被害額は約7.5億円増加しました。
こうした状況は、手口の変化が速く教科書や従来の資料だけではカバーしきれない点、座学だけでは生徒が危険を自分事として受け止めにくい点を示しています。奈良県内でも高校生がSNS経由で犯罪組織に関与し、他県で高齢者から現金を騙し取る事件が発生しており、「ごく普通の高校生」が知識不足や一瞬の油断から犯罪に加担してしまうリスクが現実の問題として存在します。
- 令和6年の特殊詐欺の状況
- 認知件数:270件
- 被害総額:約13億4,340万円(前年より被害件数+40件、被害額+約7.5億円)
これらの数値は、地域の安心・安全の観点から学校教育や地域連携による予防活動の強化が急務であることを示しています。奈良県警察本部は、従来の講義形式にとどまらない、より実効性の高い教育手法を模索してきました。
ゲーム型教材「レイの失踪」――疑似体験で得る三つの力
Classroom Adventureが開発した「レイの失踪」は、SNS空間を忠実に再現したゲーム型の体験教材です。失踪した友人「レイ」が闇バイトに勧誘され、抜け出せなくなる過程を疑似体験することで、参加者はリスクを主体的に学びます。
教材は教育現場の負担軽減と学習効果の向上を目標に設計されており、最新の勧誘手口や隠語に対応できる形で更新・運用できる点が特徴です。座学や講義だけでは届きにくい「自分ごと化」を促すことを重視しています。
プログラムで身につく三つのスキル
プログラムで得られるスキルは明確に三つに整理されています。既に全国100以上の教育機関で導入が進んでいる点も示されています。
- 狙われない — ターゲットにされやすい人の特徴を理解し、自分の情報発信を見直す。
- 騙されない — 最新の勧誘手口や隠語を見抜く情報リテラシーを身につける。
- ハマらない — 犯罪グループから抜け出せなくなる仕組みを理解し、自分や友人を守る方法を学ぶ。
ワークショップではゲーム体験の後、振り返りや警察からの講話を行うことで、疑似体験で得た学びを現実の行動変容につなげます。教材は自治体や学校の事情に合わせた運用が可能で、最新の手口情報を反映して更新できます。
関係者の声とClassroom Adventureの背景
奈良県警察本部の犯罪抑止対策室長は、プレスリリース内で「闇バイトが『良くないこと』である認識は共有されているが、その恐ろしさは必ずしも正しく理解されていない」と述べています。犯罪組織に加担すれば個人の人生が脅かされ、組織は加担者を大切に扱わないどころか、縛り付けるために危害や財産の搾取、家族・知人への危害を厭わない場合があると警鐘を鳴らしています。
同室長はさらに、「リアルな恐ろしさ」の疑似体験が、子ども・若者を犯罪から遠ざけ、安全で安心な奈良県の実現につながることを期待するとコメントしています。今回の連携は、自治体と学校、民間の教材開発者が協働して実効性の高い予防教育を行う事例として位置づけられます。
Classroom Adventureの取り組みと実績
株式会社Classroom Adventureは慶應義塾大学の現役学生が立ち上げたEdTechスタートアップとして位置づけられています。本社は東京都中央区、代表取締役は今井善太郎氏です。同社は誤情報・偽情報をテーマにした情報リテラシープログラム「レイのブログ」を世界10カ国で提供し、20,000人以上が体験しています。
「レイの失踪」はこれまで東京都、兵庫県、鳥取県などの自治体と連携し全国の教育機関へ導入されてきました。2024年からはファクトチェックの世界大会「Youth Verification Challenge」を米Google社から引き継ぎ主催するなど、ゲーミフィケーションを活用した学びの普及にも取り組んでいます。受賞実績としては、2024年に朝日新聞社大学SDGs Action! Awards グランプリ、東京都主催のTokyo Startup Gateway 2024最優秀賞を受賞しています。
要点の整理(本記事のまとめ)
以下は本記事で扱った内容を一覧化した表です。実施日時、場所、対象、教材の特徴、奈良県内の特殊詐欺被害状況、Classroom Adventureの概要をまとめています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施日時 | 令和7年12月4日(木) 午前11時00分〜午後0時30分 |
| 実施場所 | 奈良県立大学附属高等学校 体育館(奈良市六条西3丁目24-1) |
| 対象 | 奈良県立大学附属高等学校 全生徒(プレスリリース表記:約490名、在籍数:494名) |
| 教材名 | 「レイの失踪」 — SNS空間を再現した疑似体験型ゲーム教材 |
| 学習目標(主な3点) | 1. 狙われない(情報発信の見直し) 2. 騙されない(勧誘手口・隠語の識別) 3. ハマらない(抜け出し方の理解) |
| 奈良県の特殊詐欺の状況(令和6年) | 認知件数:270件 被害総額:約13億4,340万円(前年比:件数+40件、被害額+約7.5億円) |
| Classroom Adventureの概要 | 本社:東京都中央区 代表:今井善太郎 主な実績:「レイのブログ」世界10カ国で20,000人以上体験、自治体連携多数、2024年各種受賞 |
本件は、自治体の防犯機関と教育現場、EdTechベンチャーが連携して行う予防教育の一例となります。数値や実施日時・場所などの事実情報を基に、当日のワークショップは疑似体験と講話を組み合わせることで生徒の危機感と情報リテラシーを高める構成となっています。