507の声が暴く「良い会社で若手が辞める」理由
ベストカレンダー編集部
2025年11月27日 06:07
人的資本レポート公開
開催日:11月26日
関西HR EXPOで明らかになった「507の声」──現場が突きつけた課題の全貌
株式会社イマジナは、2025年11月19日〜21日にインテックス大阪で開催された「第10回 関西HR EXPO」に出展し、ブース来場者である関西圏の経営者・人事責任者から計507枚におよぶ詳細なアンケートを回収しました。本リリースは、その生データを専門チームが分析しまとめた『関西企業の人的資本実態レポート2025』の公開に関する報告です。プレスリリースは2025年11月26日 22時00分付けで発表され、同日より特設サイトで無料ダウンロードを開始しています。
来場者から寄せられた関心事項は主に「若手の離職」「管理職の育成」に集中しており、回答者の属性は経営層や人事責任者が中心でした。イマジナはこの507件の生データを基に、関西企業が陥っている構造的な病巣を抽出し、具体的な解決策の方向性を検証しました。以下では、レポートの主要な分析結果と企業が直面する問題点、提言を整理します。
- 調査実施場所
- 第10回 関西HR EXPO(インテックス大阪)
- 回収期間
- 2025年11月19日〜21日
- 回答数(サンプル)
- 507枚(経営者・人事責任者中心)
- リリース日
- 2025年11月26日 22時00分
- レポート名
- 関西企業の人的資本実態レポート2025
- 無料ダウンロード
- https://imajina-whitepaper.studio.site/1-7
生データが示した「4つの組織崩壊シグナル」──問題の構造化
レポートは、回答データを通じて4つの主要なシグナルを抽出しました。これらは単発の問題ではなく、相互に関連し合い組織全体の人的資本に致命的な影響を与える構造的兆候です。以下で各シグナルの特徴と発生メカニズムを整理します。
データに基づく指摘は具体的な数値や傾向を伴っており、従来の感覚論的な分析とは一線を画しています。施策立案時にはこれらのシグナルを前提に検討することが必要です。
| シグナル | 主要な指標・事象 | 影響 |
|---|---|---|
| OJT実施率92%の裏にある「空白」 | 回答上ではOJT実施率が高い一方で、現場評価や若手の定着率との相関が低い | 形式的なOJTにより育成効果が発揮されず、若手の成長機会が欠落 |
| 「主体性」要求によるダブルバインド | 採用時に「主体性」を重視する一方、現場は明確な指示や支援を行わない | 優秀な若手が矛盾した期待に晒されメンタル不調や早期離職に至る |
| 「良い会社」ほど人が辞めるパラドックス | 従業員満足度や残業削減、上司の態度は良好でもハイパフォーマーが離職 | 従来サーベイでは察知できない静かな退職(Quiet Quitting)の発生 |
| 採用と育成のコスト不均衡 | 採用に数百万単位で費用をかける一方、入社後の重要プロセスへの投資が著しく低い | 長期的な人的資本形成が阻害され、採用コストが無駄になる |
OJT実施率92%の裏にある「空白」
レポートは、多くの企業が「OJTを行っている」と回答する一方で、実際の指導内容や頻度、指導者のスキルに大きなばらつきがあることを指摘します。つまり、形式的な実施と実効性の間に大きなギャップが存在します。
具体的には、OJTを実施していると回答した企業の多くが、育成成果や若手の業務習熟に関する定量的評価を行っておらず、結果として「教えているつもり」だが「育っていない」状況が生じています。現場の指導者に対する育成が不十分である点が根本原因です。
- 症状:形式的なOJTの多発、指導の標準化欠如
- 結果:若手のスキル定着率低下、早期離職の加速
「主体性」を求める企業が陥るダブルバインド
調査では、企業が採用段階で最も重視する資質として「主体性」が挙げられていました。しかし、入社後の現場では明確な指示やフィードバックが十分に提供されないため、主体性を発揮しようとする若手が孤立する事例が散見されます。
この矛盾は心理的負荷を生み、特に優秀な若手ほど「期待に応え切れない」と感じやすく、メンタル不調や離職に繋がるリスクを高めます。求める行動と現場環境の不一致が、ダブルバインド(二重拘束)として働いている点が重要な指摘です。
- 採用基準と現場要求の不整合
- 自己管理を強いる組織文化と支援の欠如
- 結果としてのハイパフォーマー離職
「良い会社」ほど人が辞めるパラドックス
従業員満足度が高く、残業も削減されているのに優秀な人材が去るという現象が、サンプル企業の約3割以上で確認されました。これは「外形的」な働きやすさだけでは評価できない問題が内部にあることを示しています。
レポートでは、従来のサーベイでは捕捉できない「静かなる退職(Quiet Quitting)」の予兆を分析し、行動経済学的視点(ナッジや環境設計)から検出する必要性を訴えています。従業員の行動は感情と環境によって大きく左右されるため、単なる満足度向上策だけでは不十分です。
採用と育成の「致命的なコスト不均衡」
採用段階に数百万円を投じる一方で、入社後の重要プロセス、特にOJTの質向上や管理職研修、理念浸透といった投資が相対的に低いという実態が明らかになりました。これは「穴の空いたバケツ」に水を注ぐような非効率を生みます。
長期的な人的資本投資の視点に立てば、採用コストと育成コストのバランスを見直すことが経営効率に直結します。本レポートはこのバランス改善に向けた具体的な指標と着手点も提示しています。
行動経済学的アプローチとイマジナの提言
イマジナは、従来の精神論的アプローチからの脱却を提唱し、行動経済学(ナッジ、環境設計)を組織設計に取り入れることを推奨しています。個人の「やる気」に頼るのではなく、環境と仕組みによって自発的な学習・貢献を促す「共感価値」の設計が重要だとまとめています。
この考え方は、ブースセミナーでも解説され、より実践的な手法は12月2日(火)に東京から始まる書籍出版記念講演シリーズや、12月19日発売の書籍『共感価値の設計図』で詳細に示すとしています。また、理念浸透度調査を2025年11月より提供開始しており、企業の現状把握と改善計画の支援を進めています。
公開資料・スケジュール
イマジナは本レポートの無料配布を開始しました。ダウンロードは特設サイトから可能です。加えて、書籍と講演という二つの媒体で分析結果と具体的施策を展開します。
- 無料レポート配布:即日配布開始(ダウンロードURL: https://imajina-whitepaper.studio.site/1-7)
- 出版記念講演:2025年12月2日(火)東京を皮切りに全国開催予定(詳細は書籍発売および公式発表に準拠)
- 新刊:『共感価値の設計図』2025年12月19日 発売
- 理念浸透度調査:2025年11月より提供(リリース済み)
イマジナの企業概要と窓口
株式会社イマジナは「人から始まるブランド価値創造」を理念に、インナーブランディング・アウターブランディングを一気通貫で支援する企業です。ニューヨークでの人事コンサルティング事業を起源とし、グローバルな知見と日本の現場感を融合させた手法で、3,000社の成長を支援してきました。
- 社名
- 株式会社イマジナ
- 代表
- 代表取締役社長 関野 吉記
- 本社所在地
- 東京都千代田区
- 公式URL
- https://www.imagina.co.jp/
- お問い合わせ窓口
- 担当:青江 美波
- 電話
- 03-3511-5525
- FAX
- 03-3511-8228
- メール
- info@imajina.com
要点整理:本リリースで示された事実の一覧表
以下の表は、本記事で取り上げた主要事項を整理したものです。報告された調査の出所、主要な発見、関連スケジュール、連絡先を一目で確認できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| リリース日時 | 2025年11月26日 22時00分 |
| 調査実施イベント | 第10回 関西HR EXPO(インテックス大阪)/期間:2025年11月19日〜21日 |
| サンプル数 | 507枚(経営者・人事責任者中心) |
| 主な分析結果 | 4つの組織崩壊シグナル(OJTの空白、主体性のダブルバインド、良い会社の離職パラドックス、採用と育成のコスト不均衡) |
| 提言の要点 | 精神論から行動経済学(ナッジ、環境設計)へ転換し、組織内に「共感価値」を設計すること |
| 公開物・スケジュール | 無料レポート配布(公開中)URL: https://imajina-whitepaper.studio.site/1-7 / 出版記念講演:2025年12月2日開始(東京) / 新刊:『共感価値の設計図』2025年12月19日発売 |
| 企業情報 | 株式会社イマジナ(代表 関野 吉記)/本社:東京都千代田区/公式:https://www.imagina.co.jp/ |
| 問い合わせ | 担当:青江 美波 / TEL:03-3511-5525 / FAX:03-3511-8228 / MAIL:info@imajina.com |
以上が、イマジナによる『関西企業の人的資本実態レポート2025』公開に関する要点の整理です。調査は507件の現場の声に基づくものであり、報告された問題はいずれも具体的な数値や事象に裏打ちされています。関西企業の人的資本改善に向けた検討や施策立案の際には、本レポートを一次資料として参照することが有用です。