門前典之の幻作『浮遊封館』復刊決定、予約は11/27開始

浮遊封館復刊

開催期間:11月27日〜1月5日

浮遊封館復刊
いつ予約始まるの?
予約は2025年11月27日(木)から開始。店頭発売・発送は2026年1月末ごろを予定しており、予約締切は2026年1月5日です。
どこで買える?サイン本はあるの?
書泉オンラインまたは芳林堂書店高田馬場店、書泉グランデ、書泉ブックタワーで予約・販売。数量限定のサイン本も用意されています。

幻の長編本格ミステリ『浮遊封館』が復刊──門前典之の代表作が再び書店流通に

2008年に原書房から刊行され、現在は絶版となっていた門前典之の長編本格ミステリ『浮遊封館』が、株式会社書泉と芳林堂書店による復刊企画「書泉と、10冊」「芳林堂書店と、10冊」第2シーズンの第10弾として復刊販売されることが発表された。予約受付は2025年11月27日(木)から開始され、店頭発売は2026年1月末ごろを予定している。

本作は門前氏が2001年に第11回鮎川哲也賞を受賞した『建築屍材』(投稿時のタイトル「人を喰らう建物」)以降、7年の準備期間を経て発表した長編であり、著者の代表的探偵である蜘蛛手啓司が登場するシリーズの一作として位置付けられる。新刊書店では入手困難で、中古市場では高価格で流通していた作品の復刊である。

第11回鮎川哲也賞受賞作家・門前典之傑作長編本格ミステリ小説『浮遊封館』(原書房)を㈱書泉が「芳林堂書店と、10冊 第2シーズン」第10弾として復刊販売します!予約は11月27日(木)からスタート‼ 画像 2

物語の骨子と著者ならではのトリック構成

『浮遊封館』は飛行機墜落事故で消えた130人の遺体や、密室状況で口から剣を刺されて死亡した男、宗教施設内で相次いで人が消える事象、身元不明死体を集める人物といった複数の事件が絡み合い、やがて異形の論理が浮かび上がるという筋立てを持つ。

著者の門前典之は建築の専門知識を活かした奇想的なトリック構築を得意とし、本作でもその傾向が色濃く現れる。新興宗教と墜落機から消失した死体との関係、禍々しい宗教施設内で消える人々の行方など、現実の物理性と不気味さが絡み合う描写が特徴だ。

第11回鮎川哲也賞受賞作家・門前典之傑作長編本格ミステリ小説『浮遊封館』(原書房)を㈱書泉が「芳林堂書店と、10冊 第2シーズン」第10弾として復刊販売します!予約は11月27日(木)からスタート‼ 画像 3

登場人物とシリーズの位置づけ

本作は蜘蛛手啓司シリーズの一作として読み進められるが、単作としても読める構成になっている。シリーズ全体に共通する難解さや視覚的なトリックの体当たり感が、本作でも読者に提示される。

門前氏の他の作品では、2024年に復刊された『屍の命題』(原書房)や、2025年刊行の最新作『ネズミとキリンの金字塔』(論創社)があり、それらと合わせて作家の作風やテーマ性を追うことができる。

第11回鮎川哲也賞受賞作家・門前典之傑作長編本格ミステリ小説『浮遊封館』(原書房)を㈱書泉が「芳林堂書店と、10冊 第2シーズン」第10弾として復刊販売します!予約は11月27日(木)からスタート‼ 画像 4

予約・販売の実務情報と限定仕様

以下は販売・予約に関する具体的な情報である。数量限定のサイン入書籍の用意がある点や、予約受付窓口、価格・判型・ISBNといった基本情報を網羅している。

予約は書泉オンラインおよび芳林堂書店高田馬場店・書泉グランデ・書泉ブックタワーで受け付け、店頭販売・商品お届けは2026年1月末ごろを予定している。予約の締切日は2026年1月5日(月)である。

予約開始日
2025年11月27日(木)
予約締切日
2026年1月5日(月)
店頭販売・お届け予定
2026年1月末ごろ
予約窓口(オンライン)
書泉オンライン 専用ランディングページ
通常版/サイン本(オンライン個別ページ)
通常版 / サイン本
取扱店(店頭)
芳林堂書店高田馬場店、書泉グランデ、書泉ブックタワー
  • 限定仕様:数量限定のサイン入書籍を用意
  • 出版社:原書房
  • 販売価格:税込3,520円(本体価格3,200円)
  • 判型:四六判 上製本
  • ISBN:978-4-562-07598-0
第11回鮎川哲也賞受賞作家・門前典之傑作長編本格ミステリ小説『浮遊封館』(原書房)を㈱書泉が「芳林堂書店と、10冊 第2シーズン」第10弾として復刊販売します!予約は11月27日(木)からスタート‼ 画像 5

関係者の言葉――店長・著者・編集者による背景説明

本作復刊に際して、芳林堂書店高田馬場店 店長の山本氏、著者の門前典之氏、原書房担当編集者の石毛氏それぞれからコメントが寄せられている。以下に原文の趣旨を整理して紹介する。

店長の山本氏は、門前氏のトリックを「歪でありながら整っている」と評し、白いドームへの畏怖といった読者の記憶に残る描写を強調した。また、2024年復刊の『屍の命題』と比肩し得るインパクトがあると述べ、今回の復刊で門前作品への新たな注目を促したい意向を示している。

第11回鮎川哲也賞受賞作家・門前典之傑作長編本格ミステリ小説『浮遊封館』(原書房)を㈱書泉が「芳林堂書店と、10冊 第2シーズン」第10弾として復刊販売します!予約は11月27日(木)からスタート‼ 画像 6

著者のコメント

門前典之氏は、実質的処女作である『屍の命題』に最も思い入れがある一方で、『浮遊封館』は執筆が早く進んだ作品だったと説明している。復刊にあたり犯行動機や被害者家族の背景を追加する案も検討したが、当初の意図どおり余分な要素を排して短く整えたことを明かしている。

ただし、最終行は新たに加えたとしており、その変更による効果について読者の意見を求める旨のコメントを寄せている。

第11回鮎川哲也賞受賞作家・門前典之傑作長編本格ミステリ小説『浮遊封館』(原書房)を㈱書泉が「芳林堂書店と、10冊 第2シーズン」第10弾として復刊販売します!予約は11月27日(木)からスタート‼ 画像 7

編集者のコメント

原書房担当の石毛氏は、門前氏の持ち味を「見えたモノを逆手にとる強引な物理トリック」と表現し、『浮遊封館』が歪んだ欲望を奇想にまで昇華させたトリック作品であると位置づけた。発表当時から現在まで、驚きが色あせない点を指摘している。

復刊企画の経緯とこれまでの実績

本作は株式会社書泉が推進する復刊プロジェクト「書泉と、10冊」「芳林堂書店と、10冊」のラインナップの一冊として復刊される。企画は2023年8月からスタートしており、過去に入手困難になった名作を出版社・著者と協力して適正価格で再流通させることを目的としている。

企画のこれまでの実績として、2023年8月~2024年8月の第1シーズンでは25作品を再刊し、総計で2万冊以上を販売した。第2シーズン(2024年11月~2025年10月)では「書泉と、10冊」で10冊を復刊し、シーズン累計で1万5千冊以上を販売したと報告されている。また、同企画での復刊は第2シーズンで合計10冊(22作品)の復刊を達成した旨の表記がある。

企画は一過性の取り組みに留めず、継続的なレギュラー化を目指しており、今後も出版社・著者との協働による復刊を継続するとしている。企画への賛同を求める呼びかけと、これまでの掲載記事リンクも提示されている。

項目 内容
作品名 『浮遊封館』
著者 門前 典之
出版社 原書房
ISBN 978-4-562-07598-0
価格 税込3,520円(本体3,200円)
判型 四六判 上製本
予約開始 2025年11月27日(木)
予約締切 2026年1月5日(月)
店頭販売・発送 2026年1月末ごろ(予定)
取扱窓口(オンライン) 書泉オンライン ランディングページ
取扱店(店頭) 芳林堂書店高田馬場店、書泉グランデ、書泉ブックタワー
限定仕様 数量限定サイン本あり
シリーズ登場人物 蜘蛛手啓司(シリーズの代表的探偵)

以上のとおり、今回の復刊は入手困難になっていた門前典之の長編本格ミステリが再び流通する重要な機会である。詳細や予約手続きは書泉のオンラインページおよび各店の窓口で案内されているため、購入を検討する場合は記載の各リンクや店舗情報を参照のこと。

参考リンク: