売れないサブリース救済へ 26社の一括査定で高値狙う
ベストカレンダー編集部
2025年11月28日 19:07
救済相談サービス開始
開催日:11月28日
他社で断られたサブリース物件を対象にした「救済相談サービス」が始動
株式会社フロンティアは、運営するWebサービス「サブリース物件売却くん」において、2025年11月28日16時06分に「他社で断られた物件限定の救済相談サービス」を開始したと発表しました。本稿では発表内容を整理し、サービスの目的、提供方法、利用の流れや注意点を具体的に解説します。
このサービスは、サブリース契約が残存しているために売却が難航している物件オーナーを対象に、専門的な知見と多数の仲介会社ネットワークを活用して高値での売却成立を目指すものです。相談と一括査定は無料で、売却時の仲介手数料も無料とする点が特徴です。
なぜサブリース物件は売れにくいのか――法的背景と市場での課題
サブリース物件が売却されにくい主な要因は、借地借家法等の法制度と投資家が買主として想定される際の収益性の見積もりにあります。契約が付いたままの物件では買主の裁量が制限され、実際の利回りが下がるため投資対象としての魅力が低下します。
また借地借家法の規定により、サブリース業者(借主)は強い保護を受けるため、オーナー側から簡単に契約を解除できない場合が多く、違約金が高額になるケースや事前解約のハードルが高いことも売却を難しくする要因です。結果として、買主候補が限定され、相場より大幅な値下げが必要となるため売却が成立しにくくなります。
法的制約が与える影響の具体例
借地借家法や賃貸借契約に基づく保護の結果、以下のような事態が発生します。
- 契約期間中は借主の居住・使用権が保護され、オーナーの意思だけで契約解除できない。
- 中途解約のための違約金が高額に設定されている場合、解約コストが売却価格に大きく影響する。
- 賃料が減額されていると実効利回りが低下し、投資家としての買い手が付きにくい。
これらの構造的な問題が、サブリース物件を「売れない物件」にしている点を押さえる必要があります。
「サブリース物件売却くん」の仕組みと高値で売却できる理由
「サブリース物件売却くん」は、サブリース物件を対象にしたオークション形式の一括査定サービスを提供します。フロンティアが26社に対して一括で査定依頼を行い、もっとも高値を提示した仲介業者1社のみを紹介する仕組みです。
この方式により多数の仲介業者の価格提示を競わせることが可能になり、相場より有利な条件での売却成立の可能性を高めます。特に同サービスと連携する仲介業者は買主候補を法人に限定しているため、個人買主に比べて高値での契約が期待できることが強みとなります。
主なサービス提供の特徴
- 一括査定会社数
- 26社に一括査定を依頼し、オークション形式で最高値を提示した1社を紹介。
- 買主ターゲット
- 個人ではなく法人を主な買主ターゲットとしているため、高値での買取が見込みやすい。
- 費用
- 相談・査定は無料。売却時の仲介手数料も無料。
なお、通常の一括査定サービスで問題となりやすい、複数業者からのしつこい営業電話や大量のメール送信といった余計なやり取りは行わないとされています。やり取りは主にLINEで完結できる点も設計上の配慮です。
利用の流れと相談事例、留意点
サービスの利用はシンプルな3ステップで構成されています。公式LINEでの登録・相談から一括査定、売却手続きまでをフロー化しているため、オーナー側の負担を最小限に抑えることを目的としています。
ただし、同サービスがサブリース物件の売却を100%保証するものではない点が明記されているため、相談前に留意点を把握することが重要です。
利用の流れ(詳細)
- 公式LINEに登録し、契約状況等を送信(相談は無料)。LINEでのやり取りにより、時間や場所を選ばず相談可能。
- フロンティアが26社に対して一括査定を依頼。提出された見積もりの中で最高値を付けた1社をオーナーに紹介。
- 提示価格に納得した場合は、その仲介業者を通じて売却手続きを進める。プロが手続きのサポートを行う。
上記の一括査定は、複数業者とのやり取りやしつこい営業を回避する仕組みになっており、スムーズな交渉進行が期待されます。
よくある相談内容
同サービスに寄せられる相談例が、プレスリリースでは具体的に挙げられています。これらはサブリース物件の売却を考えるオーナーにとって典型的な悩みです。
- 収支がマイナスになっている。
- 売却したいのに売れない、契約を中途解約できない。
- 契約期間中に賃料を減額された。
- 解約を申し出ても相手にされなかった。
これら以外のサブリースに関する相談も、公式LINEを通じて受け付けるとされています。
サービス要点の整理(一覧表)
以下に本サービスの主要な情報を表形式で整理しました。発表日や運営会社、利用手順、注意事項などを一目で確認できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表日 | 2025年11月28日 16時06分(株式会社フロンティア発表) |
| サービス名 | サブリース物件売却くん(他社で断られた物件限定の救済相談サービス) |
| 運営会社 | 株式会社フロンティア |
| 対象 | 他社で売却を断られたサブリース物件のオーナー |
| 主な特徴 | 26社への一括査定(オークション形式)/最高値の仲介業者1社を紹介/買主ターゲットは法人中心/相談・査定無料/仲介手数料無料 |
| 利用の流れ | (1)公式LINE登録・相談 → (2)26社に一括査定 → (3)提示価格で売却手続きへ |
| よくある相談例 | 収支のマイナス化、売却できない・中途解約できない、賃料減額、解約申し出が無視される等 |
| 注意事項 | 売却を100%保証するサービスではない。個別条件により結果が変わるため事前相談が必要。 |
| 公式リンク | 公式サイト: https://sublease-baikyakukun.com/ / 公式LINE: https://lin.ee/R3AGr9w |
本稿では、株式会社フロンティアが開始した「他社で断られた物件限定」の救済相談サービスについて発表内容を漏れなく整理しました。法制度上の制約や市場の実情を踏まえ、26社によるオークション形式の一括査定という仕組みで、買主候補を法人に限定することで高値売却の実現を目指す点が本サービスの特徴です。相談や査定は無料で、売却時の仲介手数料も無料ですが、売却が成立することを100%保障するものではないため、個別に状況を確認したうえでの活用が適切です。
参考リンク: