ユースファクトチェック国内決勝、東大&北海道勢ら5チームが世界大会へ
ベストカレンダー編集部
2025年11月30日 16:44
ユースファクトチェック全国決勝
開催日:11月29日
検索力と批判的思考を競う新しい「eスポーツ」形式の大会としての位置づけ
株式会社Classroom Adventureと日本ファクトチェックセンター(JFC)が共催する「ユースファクトチェック選手権2025(GenAsia Challenge 2025)」の国内決勝大会が、2025年11月29日(土)にオンラインで開催されました。大会は12歳から24歳を対象とし、世代を問わず情報検証スキルを競う場として設計されています。
主催者が発表したプレスリリース(発表日時:2025年11月30日 13時07分)によれば、本大会は生成AIの普及により情報の真偽判定が困難になった現代を背景に、次世代の若者たちが「ファクトチェック」を楽しみながら学び、実践力を発揮することを目的としています。大会形式は2〜3名のチーム戦で、制限時間内に実践的な検証能力を発揮することが求められました。
出題の特徴と競技で問われた具体的スキル
大会では単なる知識問題ではなく、検索エンジンや地図アプリ、画像解析ツールなどを組み合わせて使いこなす実践的なスキルが重要視されました。各課題は時間制限が2分〜5分と短く、限られた時間で正確に情報の真偽を判定する能力が試されました。
出題例は多岐にわたり、OSINT(公開情報調査)、AI生成画像・動画の検知、一次資料に遡る統計データの検証など、現実の情報流通に即した項目が含まれていました。競技を通じて、参加者には論理的思考とツール活用の両方が求められました。
OSINT(公開情報調査)の出題例と評価ポイント
出題例の一つは「特定の人物の出身高校の隣にあるラーメン店の、大盛りラーメンの価格はいくらか?」という課題でした。断片的な情報や地理的手がかりを組み合わせ、該当店舗を特定して正しい価格を導く能力が試されました。
評価の観点は、検索クエリの設計、地図情報の読み取り、公式サイト・店舗写真等の裏取りをどの程度的確に行えるかにありました。短時間で誤検出を避けつつ根拠を提示するプロセスが重視されました。
AI画像検知と統計データの検証の出題例
別の出題では「出雲大社の紹介動画に含まれる、生成AIで作られた架空の神殿を見破れ」という課題が提示されました。ここでは建築様式の矛盾やAI特有の生成ノイズを識別する視点が重要でした。
さらに「ニュース記事に引用された総務省の統計データは正しいか?」という課題があり、一次資料(原典)に遡って数字の確認を行う「ラテラル・リーディング」の実践が求められました。いずれの課題も、単に答えを当てるだけでなく、検証過程の透明性と根拠の提示が採点基準となりました。
国内決勝の結果と世界大会への出場権
大会には中学生から社会人まで幅広い年齢層が参加し、合計で75チーム(総参加人数:194名)がエントリーしました。オンラインで行われた国内決勝を勝ち抜いた上位チームには、2025年12月13日に開催される世界大会(GenAsia Challenge 2025 世界大会)への出場権が付与されます。
プレスリリースでは上位チームについて「以下6チーム」との表現がある一方、実際に挙げられているチームは5チームとなっており表記に差異があります。以下はプレスリリース中に明記された上位チームの一覧です。
- 同率1位:YAYOーSAN(北海道大学 1名、札幌大谷大学 1名)
- 同率1位:TDU(東京大学 2名、ミネルバ大学 1名)
- 3位:BulletClub The Judgement(琉球大学 1名、北海道大学 1名)
- 4位:Daterui(東北大学 2名)
- 5位:ユニコーンフェニックスドラゴン(42Tokyo 3名)
世界大会の形式と賞金
本日の国内大会を勝ち抜いた上位チームは、2025年12月13日に開催される世界大会に出場します。世界大会では台湾、タイ、インド、モンゴルなどアジア各国の代表チームと対戦し、検索力世界一の座を競います。
世界大会の賞金総額は2,000ドルが設定されており、参加国間での技術交流と競争を通じて、国際的なファクトチェック能力の向上を図ることが目的とされています。
主催・運営体制、地域パートナーと関連情報
大会の主催は株式会社Classroom Adventureと日本ファクトチェックセンター(JFC)です。両者の背景や活動内容もプレスリリースで詳述されています。
以下に主催・運営側の概要、協力する国際パートナー、及び関連する外部情報を整理します。すべての情報はプレスリリースの記載に基づいています。
主催・運営:Classroom Adventureの概要
株式会社Classroom Adventureは慶應義塾大学の現役学生により設立されたEdTechスタートアップです。誤情報・偽情報をテーマにした情報リテラシープログラム「レイのブログ」は世界10カ国で20,000人以上が体験しており、疑似体験型プログラム「レイの失踪」は東京都、兵庫県、鳥取県などの自治体と連携して全国の教育機関に導入されています。
同社は2024年からファクトチェック世界大会「Youth Verification Challenge」を米Google社より引き継ぎ主催し、ゲーミフィケーションを活用した学習コンテンツを提供しています。受賞歴としては2024年の朝日新聞社大学SDGs Action! Awardsグランプリ、東京都主催のTokyo Startup Gateway 2024最優秀賞などが挙げられます。2025年よりUNESCO Media and Information Literacy Allianceにも加入しています。URL: https://classroom-adventure.com
主催:日本ファクトチェックセンター(JFC)の概要と役割
日本ファクトチェックセンター(JFC)はセーファーインターネット協会が2022年10月に設立した非営利機関で、インターネット上の誤情報・偽情報対策を行っています。SNS等で拡散する真偽不明な情報に対して、有識者やファクトチェッカーが検証を実施し、その結果や過程をWebサイトで公開しています。
JFCは国際基準に準拠したガイドラインと5段階の判定基準を採用し、透明性の高い情報提供を行うとともに、独立性と中立性を重視している点を特徴とします。URL: https://factcheckcenter.jp/
各国開催パートナー(国名と団体)
世界大会に関連して、アジア各国のファクトチェック団体が開催パートナーとして名を連ねています。プレスリリースでは次の団体とURLが挙げられています。
- 中華民国(台湾)
- 台湾ファクトチェックセンター(台灣事實查核中心) — https://tfc-taiwan.org.tw/
- モンゴル
- Mongolian Fact‑Checking Center (MFCC) — https://mfcc.mn/
- タイ
- Cofact Project — https://blog.cofact.org/th/
- インド
- DataLeads — https://dataleads.co.in/
これらの団体は地域ごとに偽情報対策の最前線で活動しており、国際大会では各国の代表チームと顔を合わせる機会を提供します。
要点まとめ(表)と締めくくりの整理
以下の表は本記事で取り上げた主要な事実を整理したものです。大会の日時、参加規模、上位入賞チーム、世界大会の開催日と賞金、主催・運営と国際パートナーの情報を一目で確認できます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 国内決勝開催日 | 2025年11月29日(土)、オンライン開催 |
| プレスリリース発表 | 株式会社Classroom Adventure(発表日時:2025年11月30日 13時07分) |
| 参加対象 | 12歳〜24歳の若者 |
| 総参加チーム数/人数 | 75チーム/194名 |
| 上位入賞チーム(プレスリリース記載) | YAYOーSAN(北海道大・札幌大谷大)、TDU(東大・ミネルバ大)、BulletClub The Judgement(琉球大・北海道大)、Daterui(東北大)、ユニコーンフェニックスドラゴン(42Tokyo) |
| 表記上の差異 | プレスリリース内で「以下6チーム」との表現がある一方、実際に列挙されているのは5チーム |
| 世界大会開催日 | 2025年12月13日 |
| 世界大会の賞金 | 賞金総額 2,000ドル |
| 主催 | 株式会社Classroom Adventure/日本ファクトチェックセンター(JFC) |
| 主な国際パートナー | 台湾ファクトチェックセンター(台灣事實查核中心)、Mongolian Fact‑Checking Center、Cofact Project(タイ)、DataLeads(インド) |
| 関連URL | https://classroom-adventure.com / https://factcheckcenter.jp/ / 各国パートナーのURLは本文参照 |
| ダウンロード素材 | プレスリリース内で使用されている画像ファイルのダウンロードが可能と記載 |
以上がプレスリリースに基づく国内決勝の概要、出題内容、入賞チームと運営体制の整理です。大会は短時間での判断力とツール活用力を試す設計となっており、国内で勝ち抜いたチームは2025年12月13日の世界大会でアジア各国の代表チームと対戦する予定です。関係団体や参加チームの紹介、国際パートナーの一覧、関連URLなどは本文中に記載した通りです。