屋根裏で発見の『スーパーマン』創刊号、912万ドルで史上最高額に
ベストカレンダー編集部
2025年12月1日 18:16
スーパーマン創刊号落札
開催日:11月20日
北カリフォルニアの屋根裏で見つかった『スーパーマン』創刊号がコミック史上最高額に
ヘリテージ・オークションズ(本社:米国テキサス州)が2025年11月20日に実施したコミック&コミックアート部門オークション「Comic Books Signature Auction #7427」において、1939年発行のコミックブック『スーパーマン』創刊号が912万ドル(約14億3,000万円)で落札され、コミック史上の世界最高落札額を更新しました。
この冊子は、アメリカ・北カリフォルニアの一家が昨年、亡き母親の自宅の屋根裏部屋で段ボール箱に詰めて古新聞の束で保護されていた状態で発見したもので、世界最大規模の第三者コミック鑑定サービスであるCGCから10点満点中9.0という高評価を得ています。発見から落札に至るまでの経緯は、保存状態や鑑定評価が落札価格に直接影響したことを示すものです。
落札の詳細と比較記録—何がこの価格を生んだのか
落札された『スーパーマン』創刊号(1939年)は、スーパーマンというキャラクターがコミックブックとして広く知られる以前の希少な一冊であり、保存状態(CGC 9.0)と発見の経緯、歴史的価値が高額落札の要因です。オークションは米国最大のオークションハウスであるヘリテージ・オークションズが実施しました。
今回の落札価格912万ドルは、従来のコミック史上最高額記録であった『アクション・コミックス』第1号(DC、1938年 CGC 8.5)が2024年に記録した600万ドル(約9億1,000万円)を大幅に上回るものです。金額の日本円換算は各落札時の為替レートに基づいています。
落札品の鑑定と状態
CGCの評価はコレクター市場において重要な指標であり、今回のスーパーマン創刊号はCGC 9.0という高評価を獲得しています。段ボール箱に古新聞で包まれていた発見時の状態からは想像しにくい高い保存状態が示されています。
鑑定の結果や保存状態については、オークションカタログやヘリテージ・オークションズの出品情報で写真と詳細が公開されており、コレクターや研究者にとって価値の高い資料となります。
過去の比較落札と文脈
参考として、近年の高額落札例を挙げると、『アクション・コミックス』第1号(DC、1938) CGC VF+ 8.5 が2024年に600万ドルで落札され、当時のコミック史上最高額となっていました。今回の落札はその記録を更新したことになります。
また、ヘリテージでは他ジャンルでも高額落札が相次いでおり、コミック分野全体の注目度と市場規模が拡大していることがうかがえます。
近年の注目落札品と市場動向
ヘリテージ・オークションズのコミック&コミックアート部門では、希少な初登場号や保存状態の良好な号が高額で取引されています。2024年にはコミック部門全体の売上が2億ドル(約310億円)超えの記録を打ち立てました。
日本の作品も市場で注目を集めており、過去の取引では『週刊少年ジャンプ』の新連載号が上位に入っていることが確認できます。以下に主要な落札例をまとめます。
- 『アクション・コミックス』第1号(DC、1938)
- CGC VF+ 8.5、落札価格:600万ドル(約9億1,000万円)。スーパーマンが世界で初めて登場した号で、ロイス・レーンの初登場など歴史的価値が高い。
- 『キャプテン・アメリカ・コミックス』第1号(Timely、1941年)
- CGC NM- 9.2、落札価格:75万ドル(約1億1,380万円)。キャプテン・アメリカとバッキー、レッドスカルの初登場が描かれる希少な初登場号。
- 『週刊少年ジャンプ』1997年 第34号(『ONE PIECE』新連載号)
- 落札価格:6,875ドル(約100万円)。1997年7月19日発売号で、『ONE PIECE』が新連載として初登場した号。
- 『週刊少年ジャンプ』1984年 第51号(『ドラゴンボール』新連載号)
- 落札価格:6,000ドル(約84万円)。1984年12月3日発売号で、『ドラゴンボール』が初登場した記念号。
市場の背景と注目点
こうした高額取引は、希少性、保存状態、歴史的意義、そしてコレクターの需要が重なり合うことで生じます。特に初登場号や人気作品の初期刊行物は、時間の経過により流通量が限られるため市場価値が高まります。
また、日本のマンガに関しては、海外マーケットにおける評価と保存状態の良好な個体が高値を生む傾向があり、数百万円規模での取引が成立しています。
今後の出展・オークション日程と出品に関する注意事項
ヘリテージ・オークションズは1年を通じて複数のコミック&コミックアート部門オークションを実施しており、直近の主要スケジュールと出品締切日(日本向け)を下記に記します。出品を検討する際は締切日と通関状況に留意する必要があります。
また、ヘリテージは2024年に東京オフィスを開設しており、日本語でのサポートを提供しています。出品、査定、輸送手配などについては東京オフィス経由での相談が可能です。
- 東京コミックコンベンション2025(東京コミコン2025)
- 会場:幕張メッセ 1~6ホール、ブース番号:E-2
- 住所:〒261-8550 千葉市美浜区中瀬2-1
- 開催日時:2025年12月5日(金)11:00~19:00、12月6日(土)10:00~19:00、12月7日(日)10:00~18:00
- 公式サイト:https://tokyocomiccon.jp/
- Video Games Signature Auction #7452:2026年2月20日~21日(出品受付締切(日本):12月11日)
- Comic Books Signature Auction #7461:2026年2月26日~28日(出品受付締切(日本):12月17日)
- Action Figures & Toys Auction #49185:2026年3月8日(出品受付締切(日本):12月25日)
- Trading Card Games Signature Auction #7457:2026年3月20日~21日(出品受付締切(日本):1月8日)
出品前の確認事項
注意点として、現在アメリカ側での通関が混雑しており、早めの出品手続きが推奨されています。また、未鑑定のアイテムは締切が早まる場合があり、出品数が上限に達した場合は希望するオークションへの出品を受け付けられないことがあります。
出品を希望する場合は、ヘリテージ・オークションズの日本向けサイト(https://www.ha.com/tokyo)や東京オフィスを通じて、査定・出品登録・輸送手配などの手続きについて確認する必要があります。
ヘリテージ・オークションズについてと今回のまとめ
ヘリテージ・オークションズは米国で設立された最大の美術品・収集品オークションハウスであり、最も高いオンライントラフィックと取引額を誇るオークショニアです。ニューヨーク、ダラス、ビバリーヒルズ、シカゴ、パームビーチ、ロンドン、パリ、ジュネーブ、アムステルダム、ミュンヘン、香港、東京にオフィスを構えています。
オフィシャルのウェブサイトには200万人以上のオンライン入札会員がおり、約700万点以上の商品の写真や詳細を遡って検索できます。無料のオンラインアカウント登録により、700万点を超える落札実績などを参照可能です。プレス関係者向けには写真のクレジットを明記することで複製権が付与される場合があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発表元 | Heritage Auctions Japan株式会社(ヘリテージ・オークションズ) |
| プレスリリース日時 | 2025年12月1日 13時00分 |
| 落札品 | 『スーパーマン』創刊号(1939年) |
| 発見場所・状況 | 米国カリフォルニア北部の民家・屋根裏部屋。段ボール箱に古新聞で保護された状態で発見。 |
| オークション名・開催日 | Comic Books Signature Auction #7427(2025年11月20日開催) |
| 落札価格(米ドル) | 912万ドル |
| 落札価格(日本円目安) | 約14億3,000万円(掲載時の為替レートによる表記) |
| CGC評価 | 9.0(10点満点) |
| 従来の比較記録 | 『アクション・コミックス』第1号(1938、CGC 8.5)600万ドル(2024年落札) |
| その他注目落札例 | 『キャプテン・アメリカ』第1号(1941、CGC 9.2)75万ドル、 『ワンピース』新連載号(週刊少年ジャンプ 1997年第34号)6,875ドル、 『ドラゴンボール』新連載号(週刊少年ジャンプ 1984年第51号)6,000ドル |
| 今後の主な日程 | Video Games #7452(2026/2/20-21・日本締切12/11)、 Comic Books #7461(2026/2/26-28・日本締切12/17)、 Action Figures & Toys #49185(2026/3/8・日本締切12/25)、 Trading Card Games #7457(2026/3/20-21・日本締切1/8) |
| 公式サイト・プレスキット | 公式(東京):https://www.ha.com/tokyo、プレスキット:https://x.gd/rBN2r |
| 注意事項 | 米国側での通関混雑のため早めの出品推奨、未鑑定アイテムは締切が早まる場合あり、出品上限に達した場合は受付不可 |
以上が本件に関する主要な事実の整理です。今回の落札は、発見の偶然性と保存状態、鑑定評価が重なり合ってコミックコレクション市場で極めて高い評価を受けた事例であり、今後のオークション動向や出品を検討する際の重要な参考となります。
参考リンク: