デンソーテン参画、神戸でパーク&ライド実証運行

神戸パーク&ライド実証

開催期間:11月7日〜12月7日

神戸パーク&ライド実証
Be Kobe Fun+って何?
位置情報や天候・時間帯を踏まえて最適な移動手段や立ち寄り先を提案する回遊支援のWebアプリ。QR読み取りでアクセスでき、デジタルスタンプや駐車割引機能を備える。
駐車料金の割引はどうやって受けるの?
駐車場のQRを読み取りコース登録後、ポートループやLUUP、コベリンなど対象交通手段や提携店を利用してデジタルスタンプを集め、係員に提示すると割引が適用される。

神戸・中心市街地の交通課題に対する実証──目的と実施期間

兵庫県神戸市中央区の主要商業施設周辺では自家用車の利用割合が高く、慢性的な渋滞が発生していることが指摘されています。この状況は公共交通機関の遅延や来街者の移動効率低下を招き、地域の回遊性や消費にも影響を与えています。

この課題に対し、株式会社デンソーテン(本社:兵庫県神戸市、代表取締役社長:米本 宜司)は、スマートフォン向け回遊支援WEBアプリ「Be Kobe Fun+」を提供し、来街者のアプリ利用と人流データの分析を通じて渋滞緩和と地域の回遊性向上に貢献する実証運行に参画しました。プレスリリースは2025年12月1日13時30分に配信されています。

神戸市の交通課題解決に向けた実証運行に、デンソーテンが参画 画像 2

実証運行の期間・場所・目的

本実証運行は2025年11月7日(金)から2025年12月7日(日)までの1か月間にわたり、神戸市中央区(具体的には三宮・元町・神戸・ウォーターフロント)を対象エリアとして実施されます。期間中は駐車場を起点としたパーク&ライドの利便性向上と、代替移動手段の利用促進を図ることが主な目的です。

なお、本実証は国土交通省の「交通空白」解消等リ・デザイン全面展開プロジェクトの一環であり、「KOBEスマートシティ推進コンソーシアム」主体の「KOBEモビリティ共創協議会」を中心に、官民連携で実施されている共創型プロジェクトです。デンソーテンは技術面からこの取り組みを支えています。

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Be Kobe Fun+の機能とこれまでの知見

デンソーテンは2023年から回遊性向上を目的としたアプリ「Be Kobe Fun!」を実証的に運用し、約1万人のユーザーデータを分析してきました。今回の「Be Kobe Fun+」はその知見を踏まえて改良されたWebアプリケーションです。

「Be Kobe Fun+」の設計は位置情報の活用とコンテキスト(天候・時間帯など)に応じたリコメンドを中核に据え、ユーザーごとによりパーソナライズされた移動手段や立ち寄り先を提案する点が特長です。これにより地域の魅力を再発見させると同時に、渋滞緩和や消費喚起に寄与することを目指します。

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主な機能の詳細

  • リコメンド機能:ユーザーの位置情報、天候、時間帯に基づき、最適な移動手段や立ち寄り先を提示
  • デジタルスタンプ機能:提携商業施設や交通手段の利用に応じてスタンプが付与され、集めた数に応じて駐車料金割引などの特典を付与
  • ユーザーデータ分析:利用状況や人流データを分析し、実証結果を交通施策やまちづくりに反映
  • Webアプリ方式:インストール不要でQRコードからアクセス可能(URL: https://bekobefun.jp/)

これらの機能を通じて、ユーザーには手軽に代替移動手段(バス・シェアサイクル等)を試してもらい、自家用車利用の抑制と地域内回遊の促進を図ります。

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実証運行の仕組みと利用者向けの流れ

本実証では、駐車場を起点に多様な移動手段と地域内の参加店舗を連携させるルールを設定しています。利用者は駐車後にアプリを通じて参加登録を行い、移動手段や買い物の利用状況に応じてデジタルスタンプを獲得します。

スタンプの獲得数に応じて駐車料金が割引され、一定数のスタンプで最大無料となる特典が受けられます。これにより駐車場に留まらず、まち全体を回遊する動線作りを促進します。

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具体的な利用手順

  1. 駐車場に掲出されたQRコードを読み取り、「Be Kobe Fun+」にアクセス(URL: https://bekobefun.jp/)
  2. アプリ内で「神戸まちなかパーク&ライドコース」に参加登録
  3. 対象の交通手段(ポートループ、LUUP(電動キックボード)、コベリン(シェアサイクル)など)や提携店舗を利用してデジタルスタンプを集める
  4. デジタルスタンプ画面を係員に提示し、駐車料金の割引を適用

対象交通手段には、地域内を循環するポートループをはじめ、個別のモビリティサービスであるLUUP(電動キックボード)やコベリン(シェアサイクル)などが含まれます。これらを組み合わせることで短距離移動の選択肢を増やし、車両流入の抑制を図ります。

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関係体制・連絡先・デンソーテンの役割

本実証は官民連携の枠組みで実施され、KOBEスマートシティ推進コンソーシアムが主体となる「KOBEモビリティ共創協議会」が中心となって運営されています。国土交通省のプロジェクト枠組みに位置づけられる取り組みであり、都市交通の新たな可能性を探る場として設計されています。

デンソーテンは本プロジェクトにおいて、回遊支援Webアプリの開発・提供とデータ分析による技術支援を担います。これまでに蓄積した約1万人分のユーザーデータの知見を活用し、より効果的なリコメンドやスタンプ連携の設計に寄与しています。

参加事業者・問い合わせ先

本取り組みに関心を寄せる事業者向けの連絡窓口および事務局は以下の通りです。参加申請や共同検討の問い合わせはデンソーテン実証実験事務局へ連絡することが案内されています。

実証実験事務局(株式会社デンソーテン)
メール: grm-tnip-bekobefun@jpgr.denso.com
Be Kobe Fun+紹介サイト
URL: https://bekobefun.jp/
関連リリース
デンソーテン公式リリース: https://www.denso-ten.com/jp/release/2025/12/20251201.html

参加を希望する店舗・施設向けの参加申請フォームも公開されています。事業者側の連携により、地域内の回遊導線や特典設計が拡張されることが期待されます。

デンソーテングループの位置づけと取り組みの整理

デンソーテングループは企業ビジョン「VISION2030」のもとで取り組みを進めています。ビジョンでは「人に寄り添うHMI」「環境にやさしい電動化」「クルマと社会をつなぐデータ連携」を軸に挙げ、クルマの価値向上を目指しています。

今回の実証は、交通事故ゼロやカーボンニュートラルといったモビリティ社会の課題解決を目標に掲げる同社の方針に合致し、移動に関する困りごとの解消を通じて人々の生活の価値向上にもつながる取り組みとして位置付けられています。記事冒頭でも触れた通り、本実証を通じてデンソーテンは技術面から支援し、より「環境にやさしい」「安心・安全な」モビリティ社会の実現に資する実証データを蓄積します。

なお、プレスリリースでは「今回の取り組みを通じて、以下のSDGsの達成を目指します。」という記載がありますが、具体的なSDGs項目の列挙は本文に含まれていません。本稿では公開された情報を正確に記載しています。

実証運行の要点まとめ

以下の表は、本記事で述べた実証運行の主要事項を整理したものです。主要な日程、場所、参加方法、担当者連絡先、提供アプリおよびその機能、連携交通手段を明示しています。

項目 内容
実証運行期間 2025年11月7日(金)~2025年12月7日(日)
実施場所 神戸市中央区(三宮・元町・神戸・ウォーターフロント)
主催・運営 KOBEスマートシティ推進コンソーシアム(KOBEモビリティ共創協議会中心)、国土交通省のプロジェクト枠組み
参画企業(主要) 株式会社デンソーテン(技術提供・データ分析担当)等
提供アプリ Be Kobe Fun+(回遊支援Webアプリ、URL: https://bekobefun.jp/)
主要機能 位置情報・天候・時間帯に応じたリコメンド、デジタルスタンプ、駐車料金割引連携、ユーザーデータ分析
連携交通手段 ポートループ、LUUP(電動キックボード)、コベリン(シェアサイクル)など
利用フロー (1)駐車場QR読み取り → (2)神戸まちなかパーク&ライドコース参加登録 → (3)対象手段・店舗でスタンプ獲得 → (4)係員に提示して駐車料金割引適用
問い合わせ(事務局) 実証実験事務局(株式会社デンソーテン)メール: grm-tnip-bekobefun@jpgr.denso.com
関連情報 デンソーテン公式リリース: https://www.denso-ten.com/jp/release/2025/12/20251201.html

本稿は、デンソーテンが参画する「神戸まちなかパーク&ライド」実証運行の公開情報を基に、実施目的、構成、利用手順、関係体制、および提供されるWebアプリの機能を整理してお伝えしました。関係機関はデータに基づく効果検証を通じて、渋滞緩和・回遊性向上・地域経済活性化への寄与を評価していくことになります。

参考リンク: