令和の怪奇作『鯛のあら』特報解禁、クラウドファンディング開始
ベストカレンダー編集部
2025年12月2日 15:35
『鯛のあら』クラファン開始
開催期間:12月2日〜1月30日
新しい「ジャパニーズ怪奇映画」として選ばれた『鯛のあら』、特報映像が公開
ショート映画配信サービスSAMANSAが運営する制作支援プログラム「TRIPLEX」にて、200本を超える応募作から選出された長谷川汐海監督作品『鯛のあら』の特報映像が解禁された。選出はTRIPLEXの3作品のうちの1作であり、同プログラムはSAMANSAと下北沢の映画館K2が共同企画している。
本作は「令和のジャパニーズ怪奇映画」と評され、80〜90年代映画のざらついた質感と不穏な空気をまとわせつつ、観客を長谷川監督の独特な世界観へと誘う。物語は、亡き父の家で暮らす自称作家・センセイと甥のタイボクのもとに、死んだはずの女性に生き写しの娘・ツル子が現れるところから始まる。夜になると鯛の頭が語り出し、三人は“世界の終わりの日”を迎えながらも日常を淡々と積み重ねていくという筋立てだ。
選出の背景と制作支援プログラム「TRIPLEX」について
TRIPLEXはSAMANSAが世界のショート映画を3000本以上視聴・配信で蓄積してきた知見を活かし、独自のセレクトで作品を紹介してきたK2と共に実施する制作支援の取り組みである。今回、200本以上の企画から3本が選出され、そのうちの1本が本作である。
選出にあたっては企画の独自性、作家性、映像表現への志向性が重視されたとされる。制作は株式会社フォーカルノートが担当し、協力にRoute9、art kokohoppa、製作・配給は株式会社SAMANSAが名を連ねる。
- 監督・脚本・編集:長谷川汐海
- エグゼクティブプロデューサー:岩永祐一
- プロデューサー:永岡俊幸、辻卓馬
- 制作プロダクション:株式会社フォーカルノート
- 協力:Route9、art kokohoppa
- 製作・配給:株式会社SAMANSA
- 著作表記:©️SAMANSA
キャストには星能豊、田中爽一郎、瀬戸かほ、斉藤陽一郎、鈴木卓爾らが名を連ね、気鋭の若手から実力派までが集結している。世界的映画プロデューサー・仙頭武則氏は本作を高く評価し、次のようにコメントしている:
「長谷川汐海は、まさに“あらの時代“に現れた女流・鈴木清順だ」。
監督・出演者が語る作品の核と制作過程
長谷川汐海監督は1996年愛知県生まれ、名古屋学芸大学映像メディア学科で仙頭武則氏に師事した経歴を持つ。卒業後は歯科医院勤務を続けながら愛知県を拠点に制作を続け、卒業制作『repeat in the room』は各地の映画祭で受賞・上映された。今回の『鯛のあら』は、長谷川監督が抱いた「家族や周りの人々との見えない繋がり」や、先祖の遺影に見守られているような感覚から生まれた作品である。
長谷川監督は次のように述べている:
- 長谷川汐海(監督) コメント
- 「様々な状況が大きく変わってゆく中で、私のぼんやりと不安な心を支えてくれるのは、家族や周りの人々との見えない繋がりなのだと感じています。あるいは仏間に掛けられた、会ったこともない先祖たちの遺影が私を見守ってくれているのだと感じることもあります。そんな気持ちからこの映画をつくりはじめました。貴重な機会をいただいて、たくさんの素敵な方々にご協力をいただいてこの『鯛のあら』という映画は生まれましたが、皆さまに観ていただいた時にはじめて映画は完成するのだと思います。まだ私の腕の中の赤ん坊のような映画ですので、大きくなって皆さまのところまで歩いてゆけるよう見守って、応援いただけたらうれしいです。」
主要出演者のプロフィールとコメント
出演者それぞれが本作に対して強い想いを寄せている。以下に出演者のプロフィールとコメントをすべて記載する。
- センセイ 役:星能豊
-
(主な出演作『くまをまつ』『最後の生活』『地球星人(エイリアン)は空想する』)
「世界中の良作を配信、上映している絶対的な信頼度が高いSAMANSAさんと長谷川汐海監督がタッグを組み、映画を制作する。素晴らしいこの企画、作品に参加できて幸せです。キャストには憧れでもある鈴木卓爾さん、斉藤陽一郎さんをはじめ、僕も以前共演のある、瀬戸かほさん、田中爽一郎さんといううれしすぎるキャスティング。(鈴木卓爾さんは声の出演を快諾してくださったというエピソードは贅沢すぎて、恐縮でした)このキャストによる長谷川汐海監督最新作は諸行無常!?奇想天外!?語彙力のない自分は上手く表現できませんが、この新たな才能、長谷川汐海ワンダーワールドをぜひ堪能していただきたいです。そして、この企画が続き、たくさんの新しい才能、作品が増えてゆくために、ご支援をよろしくお願い申しあげます。」
- タイボク・男 役:田中爽一郎
-
(主な出演作『Cloud クラウド』『ラストホール』『椰子の高さ』)
「初めて脚本を読み終わった深夜、天井を見上げながら独りでに『おもしろ…』と呟いたのを鮮明に覚えています。『わからないけど、わかる』と言いますか、第六感を刺激されてなかなか眠りにつけませんでした。摩訶不思議なのに、親しみと懐かしさを感じるこの作品。近年類を見ない性質を持ったこの映画が令和に誕生したことを、鯛のお造りを囲みながら、みんなでお祝いしたいくらいです。個人的には初めて地元・知多で撮影ができたことが本当に嬉しくて感慨深い経験となりました。この作品をできるだけ多くの、遠くの身近へ、届けられたらと願っています。応援のほどよろしくお願いいたします。」
- ツル子・ヨシ子・女 役:瀬戸かほ
-
(主な出演作『はらむひとびと』『NEW RELIGION』『この日々が凪いだら』)
「ツル子、ヨシ子、女の3役をつとめさせていただきました 瀬戸かほです。お話をいただいてから、脚本を読んでいるときも、現場でも、撮影後も、一体どんな映画が出来上がるのだろうかとわくわくしていましたが、完成した本作は私の想像を軽々と超えていました。ぜひ、みなさまに味わっていただきたいです。どうぞよろしくお願いいたします。」
- 葛西則泰 役:斉藤陽一郎
-
(主な出演作『旅と日々』『夜明けのすべて』『EUREKA ユリイカ』)
「長谷川汐海監督の前作『repeat in the room』で描かれた世界観は、今作でさらに広がりを見せ、どこか不思議な懐かしさを纏った異世界へと進化しています。『鯛のあら』とはいったい何なのか――。タイトルからはまるで想像もつかないその物語を、ぜひ目撃してほしい。応援よろしくお願いします!」
- 鯛の声 役:鈴木卓爾
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(主な出演作『海辺への道』『死刑にいたる病』『佐々木、イン、マイマイン』)
「『鯛のあら』で鯛の声という、ちょっと変わった役を担当させていただきました鈴木卓爾です。非常に独特の世界観を持つこの映画の中で、不思議なキャラクターを声だけ(鯛はお魚屋さんで買われてくるであろう。)で演じるにあたっては、何度も議論を重ね試行錯誤と研究が繰り返され、とても面白い現場でした。その結果、鯛はどうなったか?どうぞ作品をご覧いただけたら、こんな嬉しいことはありません。そして、生身で演じられました四人の出演者の皆さんの、表情や役柄の変化の面白さ、不思議な世界に翻弄される人々のありようがこの作品の大変楽しい見どころとなっています!是非、『鯛のあら』を応援いただき、作品を楽しんでいただけたらと思います。」
クラウドファンディング詳細とリターン一覧
本作の製作支援のため、クラウドファンディングが2025年12月2日(火)12:00より開始された。募集期間は2025年12月2日から2026年1月30日までで、支援者向けのリターンが複数用意されている。
クラウドファンディングはMotion Galleryのプロジェクトページで実施され、プロジェクトページは以下のURLで公開されている:
https://motion-gallery.net/projects/triplex
主なリターン(販売元:株式会社ユーズ)
支援者にはここでしか手に入らない特典が複数用意されている。以下はリターン項目の一覧である。
- 作品企画書(限定)
- 出演者・田中爽一郎デザインのオリジナルTシャツ
- SAMANSAの新作オリジナルグッズセット
- SAMANSA 映画見放題!期間無料クーポン
- ロケ地・愛知県知多の名産品セット(ドレッシング等)
- 先行試写会ご招待
- エンドロールへのお名前掲載
リターンは数量や支援額に応じて異なるため、プロジェクトページで詳細を確認することを推奨する。支援はショートフィルムという展開が難しい形式であっても、より多くの観客に作品を届ける目的で募集されている。
SAMANSAの役割と制作陣のメッセージ
SAMANSAはショート映画に特化した配信サービスで、世界各国から厳選した作品を提供している。2025年10月時点で配信本数は500本以上、料金は月額490円での提供が行われている。サービスはブラウザ版とiOS / Androidアプリを通じて利用可能で、世界中のクリエイターと直接ライセンス契約を結ぶ点が特徴である。
今回の企画に関わるSAMANSA代表取締役の岩永祐一氏は、自身の経歴や本企画への思いを次のように語っている。岩永氏は鳥取県米子市出身、慶應大学時代にバックパッカーとして40カ国以上を巡り、UCLA EXTENSIONで映画演出を学んだ経験を持つ。SAMANSAの経営・ファイナンス周りを統括している。
- 岩永祐一(株式会社SAMANSA 代表取締役) コメント
-
「脚本を読んだ時、他のどの企画にもない、『幽玄』の世界を感じました。素直に監督のその才能、その世界の実現を応援したいと思いました。霊的な何か、というのは多くの場合、ネガティブな意味合いで表現されます。おそらく目に見えないものに対する恐怖がそれを後押ししているのだと思います。しかし、人生を進めていく中で、誰もが不思議な出来事を経験したことがあるのではないでしょうか。科学では説明できない何か。その体験を、感触を、誰かに話したとしたら鼻で笑われるかもしれない。けれど、自分にとってはそれがとても大事な何かに感じる。そして温かさがある。日本人が、世界中の人達が忘れてしまっている、あの感覚。そこに何か真実があると直感する、不思議な感覚。映画という映像表現でそれを示そうとする長谷川監督と、そして何より素晴らしいチームの皆さんのチャレンジを、ぜひ皆さんにも応援いただきたいです。」
製作プロダクション、協力プロダクション、プロデューサー陣などの制作体制が整い、特報公開に合わせて制作資金の一部をクラウドファンディングで補填する形で作品の完成と公開を目指す。
要点の整理:『鯛のあら』プロジェクト概要表
以下に本記事で触れた主要情報を表形式で整理する。制作の基本情報、公開・支援スケジュール、主要キャストなどを網羅している。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 作品名 | 『鯛のあら』(長谷川汐海監督) |
| 選出プログラム | TRIPLEX(SAMANSA × K2) |
| 応募数 | 200本以上の応募から選出 |
| 主なスタッフ | 監督・脚本・編集:長谷川汐海 / エグゼクティブPD:岩永祐一 / PD:永岡俊幸、辻卓馬 |
| 制作・協力・配給 | 制作:株式会社フォーカルノート / 協力:Route9、art kokohoppa / 製作・配給:株式会社SAMANSA |
| キャスト | 星能豊、田中爽一郎、瀬戸かほ、斉藤陽一郎、鈴木卓爾(鯛の声) |
| プロデューサー評価 | 仙頭武則氏コメント:「長谷川汐海は、まさに“あらの時代“に現れた女流・鈴木清順だ」 |
| クラウドファンディング期間 | 2025年12月2日〜2026年1月30日(開始:12月2日 12:00) |
| クラウドファンディングURL | https://motion-gallery.net/projects/triplex |
| 主なリターン | 企画書、田中爽一郎デザインTシャツ、オリジナルグッズセット、SAMANSA無料クーポン、知多の名産品セット、先行試写会、エンドロール掲載 等 |
| SAMANSAサービス概要 | ショート映画配信サービス/配信本数:500本以上(2025年10月時点)/月額:490円/ブラウザ・iOS・Android対応 |
| 会社情報 | 株式会社SAMANSA(本社:東京都渋谷区渋谷2-14-13 岡崎ビル603)代表:岩永祐一、共同代表:遠山孝行、設立:2021年4月 |
| 問い合わせ | info@samanthajpn.com/各種URL:SAMANSA公式サイト・アプリ・SNS(記事本文参照) |
以上が『鯛のあら』に関する今回の発表内容である。特報映像の公開、クラウドファンディングの開始、監督・キャストのコメント、制作体制やリターンの詳細まで、プロジェクトを支える要素を網羅している。支援や詳細確認はクラウドファンディングページおよびSAMANSAの公式情報で行うことができる。
参考リンク: