『KURUMERU』がいばらきデザイン選定 福祉発の高級焼き菓子

KURUMERU選定受賞

開催日:12月5日

KURUMERU選定受賞
これ、どこで買えるの?
パン工房しらとり店頭、征峯会の公式オンラインショップ、道の駅グランテラス筑西、さらに筑西市のふるさと納税返礼品でも購入可能。価格は1,100円(税込)です。
誰が作ってるの?味は本当に上質なの?
就労継続支援B型の利用者が主要工程に関わり、パン工房しらとりのシェフが視覚マニュアルで工程を設計。無添加素材や自家製キャラメルで高品質を実現し、公的評価も得ています。

地域と福祉の枠を越えた本格スイーツが生まれた背景

社会福祉法人 征峯会(本部:茨城県筑西市、理事長:渡辺和成)が運営する「パン工房しらとり」が開発した高級焼き菓子『KURUMERU(くるめる)』が、いばらきデザインセレクション2025の「選定」を受けました。プレスリリースは2025年12月5日 11時00分に発表されています。

この受賞は、単に福祉施設の商品としての評価ではなく、素材・製法・味・デザインというプロダクトの各要素が総合的に公的に認められたことを意味します。福祉に関係する製品にはしばしば「支援のために買う」という意識が伴いますが、『KURUMERU』はその前提を越えて「手土産として選ばれる質」を目標に開発されました。

「支援」から「共創」へ。福祉の常識を覆す本格スイーツ『KURUMERU』が、いばらきデザインセレクション2025選定 画像 2

開発の発端と目標

パン工房しらとりの代表的商品であるラスクに続く次の一手として、社内から「征峯会が自信を持って贈れる本格的な高級焼き菓子を作ってほしい」という要望が出たことがプロジェクトの始まりです。シェフはスイス菓子の「エンガーディナー」を参考に試作を重ねました。

しかし制作場所は就労継続支援B型事業所であり、主要な工程に利用者が関与できる設計が必須でした。そこでシェフは工程を設計し直し、視覚的なマニュアルを作成して再現性の高い作業フローを構築しました。その結果、高品質な焼き菓子としての基準を満たす製品が誕生しました。

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素材・製法・品質管理:福祉現場で実現したプロフェッショナルクオリティ

『KURUMERU』は「たっぷりのクルミと濃厚な自家製キャラメルを、バター香る生地で挟む」構成です。何度も試作を重ねて到達した、ほろ苦さと甘さのバランスが特徴となっています。

製造ではシェフが策定したレシピを視覚化したマニュアルに基づいて作業が進められます。就労継続支援B型事業所の利用者は、視覚的に示された工程を忠実に守り、同じ作業を繰り返すことで安定した仕上がりを保っています。製造からパッケージ封入まで、各工程において利用者一人ひとりの丁寧な作業が品質を支えています。

「支援」から「共創」へ。福祉の常識を覆す本格スイーツ『KURUMERU』が、いばらきデザインセレクション2025選定 画像 4

品質を支える具体的な要素

品質の要点は以下の通りです。これらは素材選定から製造工程、最終的な包装まで一貫して設計されています。

  • 素材: 無添加のクルミ、自家製キャラメル、バター、生クリームなどを惜しみなく使用。
  • 製法: シェフのレシピを視覚化したマニュアルで再現性を確保。
  • 工程設計: 利用者の特性を活かせる工程分割とルール化。
  • 最終品質: サクサクのクッキー生地に濃厚なキャラメルを挟むという食感と風味の両立。

これらの要素により、『KURUMERU』は来客用の手土産や企業・行政関係者にも受け入れられる品質を実現しています。

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アートを包むパッケージデザインと社会的意義

製品の外装には、デザインユニット「NODD」との協働で制作されたアートを採用しています。使用されている絵は、重度の知的障がいのある生活介護の利用者が描いた躍動感のある作品です。

このアートワークはNODDのディレクションにより商品パッケージの顔となる作品へと昇華され、三種類のパッケージが用意されることで購入者に「選ぶ楽しさ」を提供しています。結果として、福祉が作るものを福祉のアートで包むという循環が可視化され、地域と福祉の関係性を更新するデザインとなっています。

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パッケージに込めた意図と効果

パッケージデザインの採用には複数の意図があります。まず、商品価値を高めることで「福祉だから買う」ではない選択を促す点です。次に、作り手の表現をそのまま可視化することで、作り手の存在や作業の尊厳を伝える点もあります。

三種類のデザインはそれぞれ異なる利用者の作品を採用しており、購入者は見た目や雰囲気で選択ができます。これにより商品の魅力は単なる味だけでなく、パッケージを含む「体験」として提供されています。

商品概要・販売情報と法人の事業内容

ここでは商品と販売、ならびに法人の基本情報と提供サービスを具体的に整理します。価格や販売場所、問い合わせ先など、消費者や取引先が必要とする情報を網羅します。

『KURUMERU』は「手土産として選ばれる」ことを想定した商品設計で、30代〜40代の女性を中心とした層を主要ターゲットとしています。福祉施設の商品である前に、ギフトとしての実力を備えています。

商品情報と販売チャネル

商品名
KURUMERU(くるめる)
価格
1,100円(税込)
販売元
パン工房しらとり 〒308-0067 茨城県筑西市上平塚591-1
取扱店
  • パン工房しらとり店頭
  • 公式オンラインショップ(征峯会 公式サイト)
  • 道の駅グランテラス筑西
  • 筑西市のふるさと納税返礼品

法人概要と提供サービス

本件の事業主体である社会福祉法人 征峯会の概要と、地域で展開している主なサービスを整理します。設立は1986年、法人理念は「最高の笑顔をあなたに」です。

所在地や連絡先、公式サイトなどの基本情報は以下の通りです。

法人名
社会福祉法人 征峯会(せいほうかい)
本部所在地
〒308-0067 茨城県筑西市上平塚590-1
理事長
渡辺和成
設立
1986年
公式サイト
https://seihoukai-group.jp/
お問い合わせ
TEL:0296-28-1277(社会福祉法人 征峯会 事業推進室)

提供サービスは福祉の多領域にわたり、地域住民のニーズに応える形で運営されています。以下に主な事業所とサービスを列挙します。

  • 障害者支援施設 ピアしらとり:生活介護/施設入所支援/短期入所/共同生活援助/日中一時支援/放課後等デイサービス
  • 障害児・者通所支援センター ライフサポートヒラソル:生活介護/就労移行/就労定着/就労継続支援B型/児童発達支援センター/放課後等デイサービス/保育所等訪問
  • パン工房しらとり/CAFEラパン:就労継続支援B型(ライフサポートヒラソル)/生活介護(ライフサポートヒラソル、ピアしらとり)
  • 特別養護老人ホーム しらとり:特別養護老人ホーム/短期入所 空床利用型/地域密着型デイサービス
  • しらとりハワイアンデイ:デイサービス/短期入所/介護予防・日常生活支援総合事業
  • 総合相談支援センター しらとり:地域包括支援センターしらとり/指定居宅介護支援事業所/相談支援事業所/事業所内保育施設くれよんハウス/介護予防拠点/在宅介護支援センター
  • 地域包括支援センター えがお、生活介護 アルセ、グループホーム アトレ

本件の位置づけと関連情報の整理

『KURUMERU』の開発・販売・評価は、福祉分野が単なる支援の場ではなく、地域経済と文化を生み出す創造的な現場であることを示す事例です。いばらきデザインセレクション2025の選定マーク取得は、その示す価値がデザインと品質の客観的基準に照らして高く評価された証です。

以下に、この記事で扱った主要な情報を表形式でまとめ、要点を整理します。内容を俯瞰しやすくするための表記です。

項目 内容
商品名 KURUMERU(くるめる)
価格 1,100円(税込)
特徴 たっぷりのクルミと自家製キャラメルをバター香る生地で挟んだ高級焼き菓子。無添加素材を使用。
製造・参加人員 就労継続支援B型事業所の利用者が主要工程に関わり、視覚的マニュアルに基づく再現性で製造。
パッケージ デザインユニットNODDによるディレクションで、重度の知的障がいのある利用者のアートを採用。3種類のデザイン。
受賞 いばらきデザインセレクション2025 選定
販売場所 パン工房しらとり店頭、公式オンラインショップ、道の駅グランテラス筑西、筑西市ふるさと納税返礼品
販売元住所 パン工房しらとり 〒308-0067 茨城県筑西市上平塚591-1
法人情報 社会福祉法人 征峯会/本部:〒308-0067 茨城県筑西市上平塚590-1/設立:1986年/理事長:渡辺和成
問い合わせ 社会福祉法人 征峯会 事業推進室 TEL:0296-28-1277
関連リンク https://seihoukai-group.jp/

この記事では、プレスリリースの内容を網羅的に整理しました。素材や製法、工程設計、パッケージデザイン、販売情報、法人概要までを含めてまとめています。いばらきデザインセレクション2025での選定は、福祉の現場が製品品質やデザイン面で第三者評価を得たことを示しており、地域と福祉をつなぐ新たな価値の一例として注目されます。

参考リンク: