SHIBUYA109 lab.が予測 2026年の注目トレンド

アテンション・デトックス

開催日:12月9日

アテンション・デトックス
アテンション・デトックスって何?
SNSや情報過多で疲れた状態から一時的に距離を置き、注目や通知を避けて集中や内省を取り戻す消費行動・体験のこと。スマホなし旅行や少人数のオフライン体験など具体的な行動が含まれる。
2026年に若者は具体的に何を楽しむの?
見た目と満足感を重視する「うま確フード」、スマホを使わない旅行や少人数でのクラフト体験、平成女児的ファッションやおもちゃコスメ、3Dキーホルダー等の自己表現が挙がる。

2026年に浮上する共通テーマ:「アテンション・デトックス」とその背景

株式会社SHIBUYA109エンタテイメントが運営する若者マーケティング研究機関SHIBUYA109 lab.は、2025年12月9日14時に発表した「SHIBUYA109 lab.トレンド予測2026」にて、around20(15〜24歳)の女性401名を対象に実施した調査結果を公表しました。本調査は同ラボが保有する独自ネットワーク「SHIBUYA109 lab. MATE」に所属するメンバーを対象に行われています。

今回のトレンド予測の中心に据えられたキーワードは「アテンション・デトックス」です。SNSやデジタルコミュニケーションの情報量増加に伴う疲労感から、一時的に不特定多数からの注目を避け、集中や内省を取り戻す消費行動が若年層に広がると分析されています。調査は2018年から実施されている毎年の取り組みの延長線上で行われ、館内調査やトレンド予測会議でのノミネートを元に選定した項目を選択式アンケートで集計して順位を特定しています。

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カフェ・グルメとモノ・コト:食と体験における2026年の潮流

カフェ・グルメ部門とモノ・コト部門では、見た目の満足度と少人数でのオフライン体験がそれぞれの軸になっています。特にカスタムできるボリュームのあるフードや、持続的な満足感を示す「うま確フード」が注目されています。

一方で、モノ・コト部門は「アテンション・デトックス」を体現する消費が多数ノミネートしました。スマホから離れる「スマホなし旅行」や、少人数でのクローズドな体験、手作りやクラフト系の体験が重視されています。

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カフェ・グルメ部門の具体例

カフェ・グルメ部門のキーワードは「うま確フード」です。中国・韓国発祥の食トレンドや、ボウルスイーツのボリューム感・彩り、カスタム性を重視する傾向が確認されました。

下記はノミネートされた具体的なフードや店舗、特色です。

  • デカドリンク:ペットボトル飲料より大容量のドリンク。中国発のドリンク専門店「MIXUE」は100円台からデカドリンクが飲める点で話題。
  • ベーグル:もちもち感のあるパン。トッピングやフィリングを重視した「韓国ベーグル」は人気。2025年6月に新大久保のカフェ「OKUDO CAFE」で販売開始。
  • タコス:多様な具材でカスタムが楽しめる料理。若者の間でタコスパーティー(タコパ)も流行の兆し。
  • ポテト専門店:多種フレーバーを提供する専門店が注目。2025年3月に「DE FRITES STAAN HARAJUKU」がオープン。
  • せいろ蒸し:ヘルシーでSNS映えする調理法。簡便さと見た目の良さが評価されています。
  • Aux Merveilleux de Fred:フランダース地方の伝統菓子「メルベイユ」専門店。2020年に東アジア初店舗を神楽坂にオープンし、華やかな店内が特別感を演出。
  • アイスチュロス:アイスをチュロスで挟むスイーツ。2025年6月に横浜で日本初の専門店「Gold Chillin’」がオープン。
  • sago(サゴ):東南アジア発のもちもち食材。フルーツやココナッツミルクと合わせる「sagoボウル」が人気。
  • マカロンシリアル:ミニマカロンをシリアルのように盛り付けるスイーツ。ASMR動画との親和性も指摘。
  • ボタンクッキー:ボタンモチーフのクッキー。ファッションの「ボタンコア」と連動した注目が集まっています。
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モノ・コト部門の具体例

モノ・コト部門のキーワードは「アテンション・デトックス」です。情報過多やSNS疲れに対する休息として、オフラインでの体験や少人数での楽しみ方が重視されています。

以下に本部門でノミネートされた具体的な動向を列挙します。

  • 魔法少女界隈:ステッキなど変身アイテムを現実に取り入れて遊ぶ世界観。
  • お薬手帳界隈:保険証・お薬手帳カバーをデコるトレンド。推し写真やラインストーン等で装飾。
  • 自撮りモニター:スマホ背面に取り付けるミラーリングモニター。外カメラ撮影時に写りを確認しやすく、盛れる写真作りに有効。
  • スマホなし旅行:スマホを使わない旅行で心身のリフレッシュや対人コミュニケーションの深化を図る行動。
  • yope:友人限定の共有が可能なSNSアプリ。AIコラージュ機能で投稿写真を自動的に編集する点が魅力。
  • BeReal.ノート:BeReal.で撮影した写真をプリントしてノートに貼るアナログな記録法。
  • オリジナル幼少期Tシャツ:幼少期写真を加工してプリントするTシャツ。ユニクロの「UTme!」などが背景に。
  • 3Dプリンターキーホルダー:自作可能なキーホルダー。ミラー内蔵やリップ収納等の多様性が注目。
  • イタリアンチャーム:パーツを組み合わせるチャーム。腕時計やブレスレットのカスタムに用いられる。
  • パッチワークTシャツ:生地を張り付けてリメイクするTシャツ。手軽に自己表現ができる点が支持されています。
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ファッション・ビューティーとアーティスト/ヒト/キャラクターの動向

ファッション・ビューティー部門ではY2Kブームの長期化の中でフォーカスが変化し、若年化の流れから「平成女児」要素が注目されています。コスメがファッションの一部となる傾向や、おもちゃのような見た目を持つ実用的なコスメが支持されています。

アーティスト部門やヒト部門、今回新設されたキャラクター部門でも、親密さや多様な活動形態、平成レトロな要素の支持が確認されました。ここでは各部門の具体的なノミネートを整理します。

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ファッション・ビューティー部門の具体例

2026年は少女漫画的要素や平成風ファッションに根差したトレンドが続くと見られています。コスメは遊び心あるパッケージやキーホルダー的な携帯性があるものが支持される見込みです。

本部門で挙がった主なアイテムは以下の通りです。

  • 少女漫画コア:少女漫画にインスパイアされたファッション。平成風の雰囲気を楽しむスタイル。
  • アイドル衣装コス:文化祭やハロウィンでのアイドル衣装風コスプレが注目。「Malymoon(マリームーン)」等の専門ショップも人気。
  • 横向きネイル:親指の面積を活かしたキャラクター描写ができるネイルアート。
  • スノーファー:スニーカーとローファーを掛け合わせたハイブリッドシューズ。
  • 日本感性:プリーツスカートやモノトーンを基調とした、ガーリーかつ上品な世界観。
  • ジェリーシューズ:プラスチック製のシューズ。チャームでカスタム可能。
  • ジェリーティント:ぷるんとした感触のリップティント。透け感のある色味が普段使いしやすい。
  • カウガールコア:ウエスタンやカウガールをイメージしたスタイル。
  • おもちゃコスメ:玩具のように遊べるパッケージと実用性を両立したコスメ(例:peripera トック ブラッシュ キーキャップ)。
  • 缶バッジ:サイズや付け方で個性を表現する定番アイテム。
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アーティスト部門の具体例

アーティスト部門では多様な活動形態のアーティストが挙がっています。伝統的なアイドルグループだけでなく、YouTuberプロデュースやVtuber、オーディション番組由来のグループなど、活動形態が多岐にわたる点が特徴です。

ノミネートされた主なアーティストは次の通りです。

  • SWEET STEADY:7人組ガールズグループ。メンバー全員がアイドル経験者でパフォーマンス力が高い。
  • Pixel Ribbon:YouTuberプロデュースの6人組。2025年3月にデビューライブを実施。
  • iVy:東京発の宅録系音楽ユニット。2025年8月にファーストフルアルバムを発売。
  • すぷれあ:にじさんじ所属の男子高校生アイドルグループ。
  • だいにょじそう:STARTO ENTERTAINMENT所属のアイドル。TikTokで話題。
  • Hearts2Hearts:2025年2月デビューの8人組。大手韓国事務所出身という点で注目。
  • ALPHA DRIVE ONE:『BOYS II PLANET』出身の多国籍ボーイズグループ。デビュー前の初披露がMAMA。
  • CORTIS:BIGHIT MUSICから2025年8月デビューの5人組。共同制作での作品づくりが特徴。
  • muque:福岡拠点の4人組ロックバンド。楽曲がアニメ『ワンピース』のタイアップに採用。
  • XLOV:2025年デビューの多国籍4人組。ジェンダーレスをテーマに掲げる。
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ヒト部門とキャラクター部門の具体例

ヒト部門では親近感や日常感を持つ人物が、キャラクター部門では平成っぽさや白を基調とした汎用性のあるキャラクターが支持されています。キャラクター部門は今回新設された部門です。

それぞれのノミネート項目は以下の通りです。

  • ヒト部門(人物・インフルエンサー等)
    • 白鳥玉季(俳優)
    • 山下幸輝(俳優/アーティスト)
    • 齋藤潤(俳優)
    • Shiho(SNSで話題の若手)
    • 山本望叶(タレント・モデル、NMB48卒業)
    • 2nds-セカンズ(3人組YouTuber)
    • はやとともかちゃん。(カップル配信者)
    • みつごのたまご(三つ子クリエイター)
    • よんう(姉弟のモッパン動画投稿者。弟は学業優先で今後は姉がメイン出演予定)
    • ミルと365日(お菓子作りやvlogで活動するYouTuber)
  • キャラクター部門(新設)
    • コラショ(進研ゼミ小学講座のランドセルがモチーフ)
    • ケロロ軍曹(1999年連載開始。2026年夏に映画化予定)
    • ふわきゅん(白い犬のキャラクター)
    • じょせまる(ビションフリーゼの赤ちゃんキャラ)
    • mojojojo(ぬいぐるみ作家・ブランド)
    • snackanimals(ローポリゴンの独特デザイン)
    • ポメラニアンもち(犬とおもちの中間のキャラクター)
    • NOMMI(中国発コレクタブルトイブランド)
    • きらりん☆レボリューション(2000年代の漫画、2025年に関連グッズ展開)
    • メガネ餃子(アンギョンマンドゥ。韓国作家49氏のキャラクター)
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調査手法・過去との比較と整理

本トレンド予測は2018年より継続的に発表されているもので、今回発表分もSHIBUYA109 lab.が実施した「トレンド予測会議」と渋谷店館内での月次調査を基にノミネートを行い、その後、選択式アンケートを実施して上位項目を抽出しています。対象はSHIBUYA109 lab. MATE所属のaround20(15〜24歳)女性401名です。

過去の予測例として、2025年のトレンド予測では「ドバイチョコレート」「ぬい活」「耳つぼジュエリー・ボディジュエリー」「有線イヤホン」などを挙げ、2025年のトレンド大賞でも多数がノミネートされました。2026年はこれらの流れを受けつつ、少人数・オフライン志向平成女児的要素の再評価、そしてデジタルからの一時的離脱を目的とした消費が特徴となっています。

発表社
株式会社SHIBUYA109エンタテイメント(本社:東京都渋谷区、社長:石川あゆみ)
発表日時
2025年12月9日 14時00分
調査対象
SHIBUYA109 lab. MATE所属のaround20(15〜24歳)女性401名
調査方法
トレンド予測会議および館内調査に基づくノミネート後の選択式アンケート集計
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関連情報と参考リンク

SHIBUYA109 lab.の詳細や過去のレポート、今回の予測のフルリリースは公式サイトで確認できます。調査結果はマーケティングや商品企画、店頭プロモーションの参考資料としても活用可能です。

公式ページ:https://www.shibuya109.co.jp/shibuya109lab/

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本文で触れた要点の一覧表と締めの整理

以下は本記事で紹介した各部門とその特徴、主なノミネート項目を整理した表です。表は情報を端的に確認するために作成しています。

部門 キーワード/特徴 主なノミネート
カフェ・グルメ うま確フード/ボリューム・カスタム性 デカドリンク、ベーグル(韓国ベーグル)、タコス、ポテト専門店、せいろ蒸し、Aux Merveilleux de Fred、アイスチュロス、sago、マカロンシリアル、ボタンクッキー
モノ・コト アテンション・デトックス/少人数・オフライン体験 魔法少女界隈、お薬手帳界隈、自撮りモニター、スマホなし旅行、yope、BeReal.ノート、オリジナル幼少期Tシャツ、3Dプリンターキーホルダー、イタリアンチャーム、パッチワークTシャツ
ファッション・ビューティー 平成女児要素/おもちゃコスメ化 少女漫画コア、アイドル衣装コス、横向きネイル、スノーファー、日本感性、ジェリーシューズ、ジェリーティント、カウガールコア、おもちゃコスメ、缶バッジ
アーティスト 多様な活動形態/プロデュース・共同制作 SWEET STEADY、Pixel Ribbon、iVy、すぷれあ、だいにょじそう、Hearts2Hearts、ALPHA DRIVE ONE、CORTIS、muque、XLOV
ヒト 親近感と身近な関係性 白鳥玉季、山下幸輝、齋藤潤、Shiho、山本望叶、2nds-セカンズ、はやとともかちゃん。、みつごのたまご、よんう、ミルと365日
キャラクター 平成っぽさ/白基調の汎用性(新設部門) コラショ、ケロロ軍曹、ふわきゅん、じょせまる、mojojojo、snackanimals、ポメラニアンもち、NOMMI、きらりん☆レボリューション、メガネ餃子

本記事では、SHIBUYA109 lab.が発表した「SHIBUYA109 lab.トレンド予測2026」の内容を部門ごとに整理して伝えました。調査の母体は15〜24歳の女性401名で、従来のトレンド観測の手法を踏襲しつつ、今回は特に「アテンション・デトックス」に関わる少人数・オフライン志向や平成的要素の回帰が顕著である点が特徴として挙げられています。詳細についてはSHIBUYA109 lab.の公式ページをご確認ください。

参考リンク: